君がいない、そんな明日
僕の知っている明日は、あの日で途絶えてしまった。当たり前のように繰り返される毎日が、永遠に続くものだとばかり思い込んでいた。
夜が明ければ、また新しい一日は始まる。けれど、そこに彼女の姿はもうない。彼女はもう、この空の下のどこにもいないのだ。耳にこびりついたあの愛らしい声も、記憶に焼き付いた眩しい笑顔も、もう二度と聴くことも見ることもできない。
あの時、無理にでも引き止めていれば、「また明日」なんていう、叶うはずのない約束で終わらせずに済んだのかもしれない。「愛している」や「もう少し一緒にいたい」といった、たった一言で彼女を救えたかもしれないのに。
世間は「かわいそうに」だの「お気の毒に」だのと口にするが、そんな同情もすぐに忘れてしまうだろう。
僕だけが知っている彼女は、多くのことを思い、多くのことを感じ、もっと多くの場所へ行きたかったはずだ。だが彼女の願いはもう叶わない。そんな世界に、僕は生きる意味なんてあるのだろうか。
けれど、彼女ならきっと笑って言うだろう。 「こんな世界でも、ただ生きているだけで幸せなんだよ」と。しかし、そんなちっぽけな幸せさえ許されず、最愛の彼女を奪い去ったこの世界で、独り取り残された僕はこれからどうすればいい。
そんな答えの出ない自問自答を繰り返している間にも、無情にお別れの時間は迫ってくる。
まだ「さようなら」なんて言いたくない。けれど、無慈悲に明日はやってくる。
僕は彼女に何ができたのだろうか。何を与えられたのだろうか。そんな終わりのない後悔を抱えながら、僕は絶望に似た目覚めを迎える。




