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ARES ― 無名戦士になれなかった英雄達 ―  作者:


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転属命令

帰還から3日後、霧島に連隊司令部への出頭命令が届いた。


文面は簡潔で、出頭時刻と場所のみが記されている。

理由の記載はなかった。



霧島は勤務服から軍服に着替え連隊司令部庁舎に向かった。


静寂に包まれている司令部では全員が機械のように仕事をし、人間味はどこからも感じられない。


当直下士官が出頭命令を確認し、短く連隊長室に向かう様に告げた。


廊下ですれ違った同僚の何人かは、霧島を見て軽く敬礼したが、足を止めるものは誰一人としていない。


出頭命令は、この連隊では特別なものではない。



連隊長室の扉をノックし入室する。


「霧島少尉入ります」


連隊長室にはオルフォード大佐と光国中佐がいた。霧島はオルフォード大佐の座る執務机の前まで進み敬礼をした。


「第216連隊第二大隊第一中隊第三小隊長霧島透少尉、命令により参りました。」


霧島がそう申告するとオルフォード大佐は特に顔色を変えず話し始めた。


「霧島少尉、君に転属命令が来ている。転属先は辞令に詳しく書かれている。」


「転属、でありますか。」


「そうだ」


オルフォード大佐は端末に目を落としながら続ける。 


「転属先は何度も部隊感謝状や部隊表彰を受けている部隊だ。」


淡々とした声色だった。

オルフォード大佐が話し終えた所で光国中佐は辞令を手に歩み寄ってきた。


「辞令を交付する」

光国中佐がそう告げると霧島は姿勢を正した。


「辞令 帝国宇宙軍陸戦隊 宇宙軍少尉霧島透

帝国歴525年8月17日付けを持って特殊作戦軍隷下ARESへの転属を命じる 

神聖統一帝国軍務省人事局長」


「は」

霧島は敬礼をし辞令を受け取る。

辞令交付はそれだけで終わった。

霧島は敬礼をし連隊長室を後にする。


中隊の隊舎に戻ると中隊長に転属命令が出た事を伝えた。


中隊長は一瞬だけ眉を動かし、口を開く。


「この時期に転属とはまた珍しい。しかし、それだけ評価されたと言うことだろう。胸を張れ。」


「ありがとうございます。」


中隊長は視線を端末に戻しながら続けた。


「しかし、ARESか聞いたことがない部隊だ。霧島少尉、貴様知っていたか。」


「いえ、自分も初めて聞きました。」


「まあ、特殊作戦軍は機密の塊だ。そう言うこともあるだろう。」


そこで中隊長との話は終わった。

霧島は敬礼をし、自身の机に戻る。

引き継ぎや各所への挨拶回りなど転属までにやる事はたくさんある。霧島の頭の中は転属作業でいっぱいになり、転属先の事など考える余裕はなかった。


そして、転属当日。

中隊長に見送られ宇宙港に向かうバスに乗る。

他の人員は日常通りの作業を続けている。下級将校の一人が入れ替わる事は、この部隊では日常だった。


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