第一話 幕開け
「フッフッフッ…、クックックッ…、アハハハハ‼
ああ、ああ‼どれほどこの時を待ち望んだか‼
ようやく…ようやく始まる‼」
私は闇夜に宝石のように輝く街並みを見渡すと、
手に持ったスイッチを天に掲げた。
「さあ、ショータイムの始まりだ‼」
そしてボタンを押した。
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クッチャ、クッチャ、クッチャ‥
「なあ、相棒」
「バーガーを食べながら話すな。汚いだろ」
「ヒーローってのはいるのかね」
「無視かよ…。で、ヒーローが何だって?」
「ヒーローがこの世にいるのかって話だよ」
「あぁ、ヒーローね。
今の世の中たくさんいるだろ。
台所のゴキブリ以上にな」
「いやー、俺が話してるのは本物のヒーローだよ」
「本物のヒーロー?そんなのいるわけないだろ」
「どうして?」
「ヒーローってのは金にうるさいからだよ。
テレビCMにスポンサー契約、おまけにグラビア。
少し懸賞金が払うのが遅れたぐらいで
ギャーギャー騒ぐ。それが本物のヒーローか?」
「なら本物のヒーローが現れるのはいつだろうな」
「はぁ?現れないほうがいいだろ」
「どうして?」
「本物が現れるってことは本物じゃないと勝てない
頭の狂った野郎が現れることだぜ。
俺はそんな奴と関わるのはごめんだね」
「そうかぁー、確かにそうだな」
「それよりもバーガーを食い終わったなら
さっさとパトロールに戻るぞ。
警官が駐禁で怒られるなんてダサいからな」
俺はトムがバーガー代を払っている間に店を出て、
店前に止めたパトカーに乗り込んだ。
運転席に座り、スマホを見る。
「今日のニュースは…はぁ⁉
【ヒーローまたまた大手柄‼警察の存在意義は】だと‼
ふざけるな‼ヒーローの後始末は誰がしてると
思ってんだ‼」
俺は怒りに任せてハンドルを叩いた。
衝撃でパトカーが揺れる。
「ヒーローなんか俺は絶対に認めねぇ…‼」
握りしめたスマホが握力に耐えきれず歪み、
液晶画面が粉々に割れた。
「チッ、ていうかトムの野郎遅すぎねえか。
どんだけ支払いに時間かかってるんだよ」
俺が壊れたスマホを制服に入れながら
バーガーショップを見た瞬間、
ドガガガアアアアアァァアアァァァンンンンン‼‼‼
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その日、アメリカの人工島『フューチャー』で
爆発事件が起こった。数カ所同時に起きた爆発は
死者総勢3000人もの被害を出した。
この緊急事態に中央政府は声明を発表した。
「私達に危機が迫っている!だが決して、
私達は負けない!ここに宣言しよう。
私達は最後までテロと戦うと‼」
この宣言は恐怖に怯えていた市民を鼓舞した。
しかし、警察とヒーローが血眼となって犯人を
探しても見つかることはなかった。
むしゃくしゃして書いた、後悔はしていない。
ただ続きを書くのが億劫ではある。