西にはあるんだニンニキニン
はじめからサブタイトルとか付けないで、何話とかにしておけば良かったかも(オ
ある日の早朝、部隊を載せて遠征していたはずの蒸気船が空から落ちてきて、海辺の街の騎士団が壊滅した。
「そう言えば秘宝って言うのはなんだったにゃ?」
移動中、暇を持て余して話出す。
「いや、海の魔物から島を守りつつ、進行を食い止めるための魔導器が灯台に隠してあるんだけど…」
「けど?」
「組み込んだの、そもそも私だし」
「あー」
一行は国の西側に広がる農耕地帯を目指して馬車を走らせていた。
街道を進み麦畑を突っ切る道に入ったところで農民たちに道を塞がれる。
「悪魔だ」
「悪魔が来たぞ」
農民たちの様子がおかしい。
「認識疎外の結界は?」
「してるにゃー、って言うか、そもそもわっちを悪魔と呼んでるのは王様と教皇と陛下くらいのものだにゃー」
「そう言うことか」
「そう言うことの様だな」
「?」
「悪魔は見つけ次第殺せ」
「悪魔は火炙りだ」
農民たちが口々に叫びつつ松明を投げる。
流石に投げられた松明を食らったりはしないが、瞬く間に燃え広がる麦畑。
農民たちも1人また1人と倒れていく。
「あーあ」
「どうするにゃ、これ」
「うーん、まあ、寝かしておいても大丈夫じゃないかなぁ」
燃えた様に見えた畑も一部が焦げている意外、それほど被害はない。
「火の魔法使いと精霊使い相手に火攻めって…」
「どうするにゃ? 処す?処す?」
「いや、別にどうでも良いし、隠蔽率を上げられるか?」
「まかせろにゃー」
「あ、でも、店とかは普通に入りたいなぁ」
「難しい注文にゃ」
腕を組んで頭を捻る2人を見て、少女も腕を組み首を傾げた。
農耕地帯の中央からやや南南西寄りの山と言うか、丘の上に領主の城らしきものがあり、その周辺が街になっていた。
一行は適当なところに宿を取り、その食堂で食事にありついていた。
「なんだか表が騒がしいなぁ」
「様子が怪しい神官と騎士に濡れ衣を着せて囮にしたにゃ」
「…まあ、命までは取られないだろ」
「わっちらは火炙りにされそうになったけどにゃ」
「…」
料理を口に運んだフォークを咥えたまま外に目をやる。
「…まあ、そう言うこともあるよ」
次あたりから現状を打開する方向で動きたいと思っているんだけど、正直別にって感じなので、この人たち(人?