さらに来訪者
特に話が進みません
「さて、どうしたものかねぇ」
一行は呑気にカフェのテラスでお茶をしていた。
常に灰色の雲に覆われたこの国で、こんな晴天で爽やかな空気なわけはないので、魔法か何かだろう。
「お前もお淑やかにしようと思えば出来るんだな」
「まあ、子供の前じゃあまりだらしない格好は出来ないよね」
女の子はパフェと格闘しているから、おそらくは見ていないだろう。
子供用の椅子に座ってはいるが、座高が足りておらず、背の高いパフェは少し食べ辛そうだが喜んでいるようなので良い事にする。
「人は見えないのにパフェはちゃんと見えてるんだな」
「興味の問題じゃないかにゃ?」
少女は精霊眼持ちの精霊使いなので、精霊の密度みたいなものを見ているらしい。
「と言うか、なんで私は悪魔とお茶してるんだ?」
「あー、気が付いたー?さすがだにゃぁ〜」
いつの間にかゴスロリの少女が一緒にテーブルを囲んでいる。
「あ、店員さん、ケーキおかわりね」
店員相手にはにゃーにゃー言わないのか。
「まったく、魔物や騎士団だけでも鬱陶しいのに、神の使いを名乗るモノだの、挙げ句の果てに悪魔って…」
あまり変装になっていない丸メガネを上げながら、反対の手でしっしと手をふる。
「いいのかにゃ〜? こんなのんびりお茶してられるのはわっちのおかげにゃのに」
「ん〜?」
「その蜥蜴さんの認識疎外じゃ人間の目くらいしかごまかせないから、私が結界を張ってあげたにゃ」
「ほ〜」
器用にカップを持ち上げてお茶を飲んでいる蜥蜴のような生き物をジト目で見つめると冷や汗を垂らしつつ目をそらした。
「他はともかく、なんで悪魔が魔物から私たちを庇ってくれるんだ?」
「出たにゃ。勝手に魔物だの悪魔だの名前を付けておいて、同じ魔が付くから仲間じゃないかって、どう言うことかこっちが聞きたいにゃ」
「あー、ま、そうか」
「そんなことより、何が「どうしたものかねぇ」にゃ?」
ゴスロリ悪魔が首を傾げる。
「うーん、分かってて聞いている気がするけど、まあ良いか」
諦め顔で説明する。
現在の装備では対応し切れないこと、王都に向かっていたが敵の団体を複数引き連れて王都に行くのは気がひけること、途中拾った少女はぶっちゃけ自分らより強そうだが置いていくのも忍びないこと。などなど。
「一応、王様に謁見できれば装備的にはなんとかならんでもないわけだけど、差し当たってそこまでする必要があるかと言うと、そうでもないような…」
「わっちが一緒なら、敵に追われずに王都に入れるよ? 陛下」
「…」
とりあえず、慌てても仕方ないのでこの街で一泊する事にする。
「…別に一緒に来るのは構わんが、なんでベットに忍び込む?」
「気にしないにゃ」
「気になるわっ!」
ほんと、どうしようかこの話(オイ