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ある日、突然、異世界記  作者: タロさ
異世界での生活
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再び王都へ

海は、ブレイン王子と共に王都を目指した。

このまま、山脈越えをすると遠回りになるので

1度引き返し、カイミの町に行った時と同じ道を辿る事にした。

王子はまだ、回復していないので、馬車の中で横になって安静にして貰い、

海達は、周りを警戒しながら進んだ。


途中で魔獣に遭遇するが、サーシャとミカルが率先して倒していった。

2人はルビの街での戦いの後から、サーシャはミウを師匠と呼び、

魔法の教育を受けている。

ミカルはリリを姉さまと呼び、リリを困惑させながらも教えを受けている。


王都までの道のりは順調に進み、12日後、王都に到着した。

海達は、王都の門を通った後、そのまま王城目指して進んだ。

王城の入り口に着き、王への謁見を求めたが、入り口で断られた。

そこで、海は自分の名を告げ、王に会って欲しいと門兵に伝えたら

謁見が許可されたが、そこまで運べない者がいると伝え

誰かに来て欲しいと伝えた。

すると、王、自らが現れ海は驚いた。


「陛下、どうぞご無礼をお許しください。

 この度は早急の為と安静の為でございますので」

「安静とな、」

「はい、こちらを」


そう言うと王を馬車に案内した。

王は馬車の中を見て驚いた。


「ブレイン!!」


ブレイン王子は何とか顔を上げ、王に挨拶をした。


「父上、この様な姿で申し訳ありません」

「よい、誰か急ぎ、救護の者を!!」


王の護衛に付いて来ていた兵士や、

宰相が急いでブレイン王子を部屋に運び込んだ。

王は、死んだと思っていた息子が帰ってきたことに喜んだ。


「海よ、謁見の間ではなく、予の執務室で話を聞こう」


海達は、王に連れられて執務室に向かった。

執務室に入り、王の対面のソファーに座るとメイドがお茶を持ってきた。

海達はお茶を飲み、一息ついた。


「海よ、久しいな。

 夜の来訪以来か」

「はい、取次頂き、有難うございます」

「畏まった話し方は要らぬ」

「わかりました」

「何があったのだ」

「はい・・・・・」


海はルビの街の事を話した。

そこで、盗賊に捕虜にされていた王子を領主が見つけて保護し、

海達が、護衛として王都に連れて来た事などを全て話した。


「そうか、お主たちが盗賊を退治しなければ

 被害は大きくなっていたかも知れんな」

「陛下、それよりもルビの街には兵士がいません」

「そのことは、心配せずとも王都から至急兵を送る故、大丈夫だ」

「有り難う御座います」

「海よ、お主は当分、この街に滞在して欲しいのだが」

「え」

「ブレインも礼が言いたいと思うしな

 滞在費は国が持つ故、心配は要らぬ

 それに、この度の活躍と護衛料もあるでの」


海は、王様が当分、帰らせる気が無いとわかり、

諦めて了承した。


「わかりました。

 ゆっくりさせて頂きます」

「そうか、ならば、宿に案内させよう」


王の命令で1人のメイドが現れた時に

一瞬、王は驚いた顔をしたが、

すぐに何事も無かったように、海達を宿に案内させた。

案内されたのは高級な宿で、調度品も飾ってあり、

部屋も広く、応接室と寝室があり、大きなベットが4つあった。

皆で、応接室に集まるとメイドがお茶を入れてくれた。


「・・・・・・・・」

「ねえ、海、どうしてメイドがいるの?」

「わかりません・・」

「わらわの為か」

「そうだといいね」

「海さん!」

「はい、聞いてみます」


海は皆を代表して、メイドに聞いた。


「あの・・・あなたはどうして此処に居るのですか?」

「はい、私は海様が王都に滞在している間のお世話を仰せつかりました

 メイドのターニャで御座います」

「だそうです・・・」

「だそうです・・・じゃないわよ、海、どういう事!」

「リリ、落ち着いて、僕も分からないよ」


すると、メイドが落ち着いて答えた。


「王からの命令ですので、ご理解ください」


皆、納得するしかなかった。


「宜しくお願いします」

「はい」


海達は、王都の高級宿に宿泊し、

王都観光をし、ゆっくりとした日々を過ごしていた。

その間、メイドも海達と行動し、今日は市場を訪れていた。

海は屋台を回り、出来上がっている食べ物を買い込んで

アイテムボックスに収納しながら歩いていると

道具屋を見つけて皆で入った。


「海、これ綺麗だと思わない」

「うん、綺麗だね」


リリが手に取ったのは魔法が付与できる

魔法石が3つ付いた金のネックレスだった。


「それ、欲しいの?」

「うん、だってこれ、魔法が付与できるでしょ」

「そうだね、今のネックレスは普通のネックレスだからね」

「海に付与して貰うの・・・」

「いいよ、買おう、ミウ達はどうする?」

「わらわは腕輪をもう1つじゃ」

「サーシャ、ミカルは?」

「私は師匠と同じ物にします」

「あたしも姉さまと同じがいいです」

「ターニャは?」

「えっ! 私ですか?」

「うん、どれにする?」


ターニャは驚いた。

まさか自分も入っているとは思わなかったのだ。


「では、私もネックレスでお願いします」


海は、皆の希望通りの物を買い、宿に戻った。


「リリ、付与は何にするの?」

「今は、身体強化とホーリーヒールだから

 ホーリーヒールと攻撃魔法を2つ」

「属性は?」

「私の持っていない属性でお願い」


海は、リリの意見を聞き、水と光の魔法を付与した。


「水はアイストルネード、光はホーリーランスにしたよ」

「うん、ありがとう!」


海は、次々に皆の意見を聞き、それぞれに付与した。

ミウは、ホーリーヒールとエクスプロージョンとメテオ。

サーシャは、アイテムボックスとサイクロンとホーリーヒール。

ミカルは、アイテムボックスとエクスプロージョンとホーリーヒール。

最後にメイドのターニャには、ホーリーヒール2つと毒消しのデポイズンを付与した。


サーシャとミカルにアイテムボックスを

持たせてやって欲しいと、ミウとリリから言われていたので

丁度、良かった。

サーシャとミカルは、アイテムボックスの説明を、お互いの師匠から聞きながらニコニコしていた。

ターニャは、ネックレスを買って貰ったばかりか

魔法まで付与して貰えるとは思っても見なかった。

ターニャは悩んだ。

実は、海とミウが夜、王に会いに来た時に

羽の生えた女の子が、男の子を連れて王の寝室に入る所を、シャルーラは見ていた。

その男の子達が、今度は死んだと思っていた兄を助けて父上の所に連れて来たのだ。

シャルーラは興味を惹かれ、名前をターニャと偽り、自らメイドの振りをして

近くで見てみようと思ったのだが、男の子は誰にでも優しく、

メイドの振りをしているシャルーラにも、優しくしてくれるのだ。

シャルーラは、嘘を吐くことが苦しくなっていった。


数日後、海達は王からの呼び出しを受けた。



ブックマーク登録ありがとうございます。

不定期投稿ですがよろしくお願いします。

温かい目で見て頂ければ幸いです。

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