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ある日、突然、異世界記  作者: タロさ
異世界での生活
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ルビの街

その頃、リリとミカルは奴隷として働かされている人達の所へいた。

ミカルは、リリの指示に従い、屋根の上から辺りを監視し、

その間に、リリが見張りの盗賊を倒した。

リリの存在に気付いた盗賊が、迫って来たのでリリは逃げた。

盗賊を路地に追い込み、屋根から飛び降りて来たミカルが、盗賊の背後から切りつけ倒した。

2人は1人ずつ、確実に倒していった。


こうして2組共、ルビの街の盗賊を倒していった。


海は、領主の館に到着し、塀を飛び越えて中に入った。

所々に盗賊はいるが、誰も攻めて来ないと思っているようで

警備もせず、遊んでいたので海は、コッソリ倒していった。

1階の敵をほぼ倒し、2階に上がり、大きな扉の前に立った瞬間、

扉の向こう側から火の玉が飛んできて、爆発を起こした。

海は、回避したが左手に火傷を負った。

海は隠れて魔法を使った。


「ヒール」


左腕の火傷は治ったが、気配を感知し、魔法を放たれた事に海は驚いた。


「びっくりしたぁー」


すると、扉の向こうから声が聞こえて来た。


「どこのネズミですか、あなたの場所は分かっています。

 姿を現したらどうですか」


海は、ゆっくりと扉の前に姿を現した。


「子供ですか、私の魔法を受けて無傷とは・・・・」


海は、火傷したことは黙っておいた。


「あの・・・降伏してください」

「何をふざけたことを、降伏などしません。

 それに、あなたはここで死にますから」


盗賊は魔法を放った。


「ファイヤーボール」


先程と同じ魔法を海にぶつけてきた。

海も同属の魔法をぶつけた。


「ファイヤーウォール」


火の玉を火の壁で防ぎ、続けて魔法を放った。


「アイストルネード」


相手の四方に水の竜巻が出現し、段々と盗賊に近づき、

最後は盗賊を飲み込んでいった。

竜巻が消えた後、盗賊は窒息して死んでいた。

海はその後、領主の館を隈なく回り、敵を殲滅した。

海は地下牢を発見し、牢の中を見ると

1人の男が捕まっていた。


「大丈夫ですか」


海の問い掛けに男は顔を上げ、海に聞いてきた。


「あなたは・・・・」

「僕は海です。

 あなたは誰ですか?」

「私は、ネオ ドラ コルト。

 この街の領主だ」

「生きていたのですね。

 良かったです」


海は、領主を牢から出し、現状を話した。

領主は、ここに残ると言ったので

海は、外に出ない様に言い、領主の館を後にし、皆と合流する為に走り出した。

海は、皆を探しながらも出会った盗賊を倒していった。


暫くすると、爆音が聞こえて来たので、その方向へ走って行くと

魔法を放ち、盗賊を殲滅するミウとサーシャがいた。


「ミウ、サーシャ」

「海よ、どうじゃ、サーシャの魔法は?」

「え、これってサーシャがやったの?」

「はい!」


元気に答えるサーシャに海は笑うしかなかった。

サーシャの魔法で、盗賊どころか近くの家も

跡形も無く、吹き飛んでいたのだ。


「海よ、リリ達はどうしておるのじゃ」

「わからない、領主の館で盗賊を倒してから

 ミウ達と先に合流したから」

「ならば、リリ達と合流しに行こうぞ」

「わかった」


海達は、盗賊を倒しながらリリ達を探した。


その頃、奴隷を見張っていた盗賊を倒したリリ達は

盗賊の頭と対峙していた。


「娘が、生きて帰れると思うなよ」

「・・・・・」


リリは苦戦していた。

見張りの盗賊達を倒し、他の場所の盗賊を探していた時に

娼館に入る盗賊が見えたので、後を追って入ると

そこには盗賊の頭がいたのだ。

リリは狭い場所は不利になると思い、

盗賊の頭を外に追い出すことには成功したが

攻めあぐねていた。


「おい!姉ちゃん、もう、限界か」


その時、隠れていたミカルが低い姿勢のまま、盗賊の頭の足元を狙った。

突然の攻撃に対処の遅れた盗賊の頭は、辛うじて攻撃は避けたが体勢を崩した。

その隙にリリは迫り、盗賊の頭の腕を落とした。


「ぎゃぁぁぁぁ!!」


盗賊の頭は大声で叫んだ。

リリは、チャンスとばかりに盗賊の頭を斬りつけていった。

リリの体が、相手の血で赤く染まる程の連撃を繰り出し、盗賊の頭を圧倒した。

盗賊の頭は倒れる事も許されず、棒立ちのまま、意識を失っていた。

リリが、攻撃を止めると盗賊の頭は、そのまま倒れ込み二度と起き上がることは無かった。


海達が、駆けつけた時にはすべてが終わった後だったがリリの体を見ると血だらけだった。


「リリ、リリ、回復しないと」

「海、大丈夫だよ。

 これ、返り血だから」

「え」

「でも、綺麗にはしたいかな」


リリは微笑んだが、血だらけだった為、とても恐ろしく見えた。

ただ、この戦いの後、ミカルがリリの事を、お姉さまと呼び始めた。

5人はこの後も海のサーチを使い、隠れていた盗賊の残党を殲滅して回った。


全ての戦いが終わったのは、日が沈んだ後だった。

流石に疲れた5人は、空き地にコテージを出し、睡眠を取った。


翌日、海達は領主の館を訪れた。


「海さん、ようこそ。

 この街を救って頂き有難うございます。

 色々とお話したいこともありますが、生き残った者達が

 集まっていますので、そちらに来て頂けませんか」


海は領主に従い、領主の館の近くの広場に向かった。

広場に着くと、生き残った街の人々からお礼を言われた。

生き残った者は、女性が多く、男と獣人は少なかった。

ただ、生き残ったとしても殆どの人が、家族や恋人、友人を殺された。

また、多く生き残った女性も心に傷を負ったり、トラウマになった者もいるだろうと思うと

海は素直に喜べなかった。


「海よ、今は喜んでおくのじゃ、

 海が、暗い顔をしておると助かった者たちも、どんな顔をして良いのか分からなくなるぞ」

「ありがとう、ミウ」

「うむ」


ミウと言葉を交わした後、領主から住民に話があった。

盗賊はすべて盗伐された事、今後の復興についてだった。

ただ、集まった住民の中には、この街の者ではなく、盗賊が連れてきた奴隷もいた。

領主の話が終わった後、1人の獣人が手を上げ質問をした。


「私たちは、この街の住人ではありません。

 私たちは盗賊に捕まり、荷運びや雑用をさせられてここまで来ました。

 どうすれば、良いでしょうか?」


領主は住人と連れて来られた者達を分けた。

すると、領主は驚いた顔をした。


「ブレイン様!」


死んだと思われていた第1王子がそこにいたのだ。

ブレイン王子は痩せこけて、気力も失っていた。

領主が慌てて駆け寄り、手を取るとブレイン王子は領主の顔を見た。


「やあ、ネオ、久し振り」


ブレイン王子は力なく答えた。


「ブレイン様が何故この様な事に・・・・」

「ネオ、もし、可能であれば少し休ませてくれないか」

「はい、勿論です」


領主は、盗賊に連れて来られた者もこの街で暮らす事を許し、

復興を手伝って貰うようにお願いした。

その後、領主はブレイン王子を連れて領主の館に戻った。

海達も領主に言われ、生き残っていた領主の館のメイドと共に

領主の館に戻った。

領主はブレイン王子の世話をメイドに任せ、海達と話した。


領主は本来、盗賊の財産は倒した者に権利があるが

今、それを持っていかれると、この街の復興が出来なくなるので

海が必要な物以外を少しの間、貸しておいて欲しいとの事だった。

海は、了承し、領主と共に盗賊の財産を見に行った。

盗賊は領主の館を拠点としていた為に財産も領主の館にあった。

海は、その中から、魔法の付与された武器などを貰い

その他の物は置いて行った。


「海さん、必ず、お返しします」

「焦らなくて構いませんよ」

「ありがとう」


領主と言葉を交わした後、貸付を領主が書面にし、海に渡した。


「それから、厚かましいお願いですが、ブレイン王子を王都まで護衛をして頂けませんか」


海は、仕方がないと思い、了承した。



数日が経ち、ブレイン王子もある程度元気になったので

海達は馬車で王都を目指した。



評価及びブックマーク登録ありがとうございます。

不定期投稿ですがよろしくお願いします。

温かい目で見て頂ければ幸いです。

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