街へ3
宿を探しながら歩いていると
正面から歩いてきた集団にぶつかった。
「いてぇーーー!!」
「か、か、肩がぁぁぁぁ」
「おい、おい、おい、このガキ何してくれんだよ!」
ぶつかってきて勝手に騒いでる集団を海は冷静に見ていた。
「あの・・・そちらがぶつかってきたんですが・・・
一応、大丈夫ですか?」
「おい!勝手なこと言ってんじゃねぇ
どうしてくれるんだよ!」
街行く人達も何事かと足を止めてこちらを見ていた。
「どうすれば良いのですか?」
「治療費に有り金置いていきな」
「生活出来なくなるので嫌です」
「は・・・お前、立場わかってんのか?」
「いえ、立場と言われましても・・・・」
「なら、少し痛い目にあってもらうぜ」
そう言うと集団の中の一人が殴りかかってきた。
殴りかかってきた人の動きがまるでスローモーションのように見えて
簡単に避けることができた。
「チッ!囲んでしまえ!」
今度は全員で襲ってきたのが、やはり動きがスローモーションのように見えて
一人ずつ倒していった。
「ひっ!ひぃぃぃい!!!」
「お前、覚えていろよ!」
集団はテンプレな台詞を吐きながら逃げていった。
周りで見ていた人達が何故か気まずそうな顔をしていたが
海は、気にせず宿屋を目指した。
宿屋に到着し、食堂の奥にある受付にいた女性に声を掛けた。
「すいません、ギルドからこちらの宿を紹介してもらい来たのですが空いていますか?」
「いらっしゃい、空いているよ。
うちは1泊朝食付きで銅貨35枚だよ、それでいいかい?」
「はい、お願いします。」
「わかったよ、じゃぁこれが鍵、2階の一番奥の部屋だからね」
「有り難うございます。」
海は2階の奥の部屋に向かった。
部屋はベットが一つと小さな丸テーブルがあるだけだったが
とても清潔に保たれていた。
海はベットに横になると自然と眠くなり、そのまま寝てしまうのだった。