王都7
こはく亭に戻り、イグリットに聞いてみた。
「イグリットさん、3人で話をしてみた?」
「はい・・・」
「どうしたの?」
「話してみたのですが、サーシャは冒険者になりたいと言ってます」
「え?」
「ジョナはまだ6歳でよく分かっていなくて・・・」
「じゃぁイグリットさんはどう思っているの?」
「私達は、ここを出たら、行く所が無いからここで頑張ろうと思っています」
「話を変えるね、行く所があったらどうする?」
「考えたことがありません」
「そっか、なら、考えてみて」
「ちょっと出かけてくるね」
海は、それだけ言うとミウとリリと市場に出かけた。
「海、どうするの?」
「あの子たちの事?」
「そう、このままで良いと思わないし、かと言って何か出来るとも思わない」
「そうだね、僕もそう思う。
イグリットさんだけでやっていける程甘くないし、姉妹揃っても難しいと思ってるよ」
「なら、どうするのじゃ」
「考え中かな・・」
「この市場に来た理由は?」
「うん、あの子達、料理できないって言ってたから
代わりに料理作ろうと思ってます。
誤解しないでよ、作るのはあの子達3人と僕達の分だから」
「期待してる」
「海よ、馳走をたのむぞ」
「頑張ります」
この後、3人で市場を回り、食材を購入し、こはく亭に戻った。
「イグリットさん、キッチンを貸してもらえます?」
「えっと・・・何か」
「はい、料理作ります」
「どうぞ、使って下さい」
「有り難うございます」
海は、料理を作り始め、その様子をイグリットはずっと海の横で見ていた。
ミウとリリはジョナと遊んでいた。
食堂にいい匂いが立ち込み始めた頃に、料理が出来上がった。
「出来たよ。皆で食べよう!」
久しぶりの豪華な料理だったようでジョナはニコニコしている。
イグリットも海の料理の腕前に関心しきりだった。
「サーシャさんは?」
「呼んできます」
それだけ告げるとイグリットは奥へ走って行った。
サーシャは何事かと思い食堂に来てびっくりしていた。
「姉ちゃん、これ、どうしたの?」
「海さんが作ってくれたんだよ」
「海さんってすごいんだな・・・・」
皆が揃ったので食事を始めた。
「海、これは何なの?」
「あ、先に説明しておくね。
コッケイの唐揚げ、ボアのステーキ、サラダ、
コッケイの入ったミルクと小麦で作ったスープとパンです」
皆、無言で食べている。
海だけは自分の作った料理が、上手く出来ているのかが不安でキョロキョロしていた。
食事を終え、皆からお礼の言葉を貰い、イグリット達は奥に行き、
海達は部屋に戻った。
深夜になり、突然、海が皆を起こした。
「ミウ、リリ、起きて」
「どうしたのじゃ」
「何・・・・・」
「誰か来たみたい」
「ほう・・・」
「・・・・・」
3人は着替えて静かに部屋の隅により、相手が部屋に入って来るのを待った。
暫くして、海達の部屋の前で足音が止まり
ドアがゆっくり開き、襲撃者が部屋の中に入って来た。
「おい!誰もいないぞ」
「いや、この部屋のはずだ」
その瞬間、海達は一斉に現れて、入って来た者達を襲い、無力化した。
その後、ライトを点け、気絶している人達を縛り上げた。
縛り上げた内の1人を起こし、尋問をし
何故、海達を襲ったのかを聞きだした。
襲撃者達は、ここに居る女を攫って来いと命令を受けているが
相手の素性は知らないし、理由も知らないとの事だったが
捕まえた後に、待ち合わせて引き渡すことになっていると答えた。
海達はリリにロープを巻くふりをさせて囮になってもらい
海とミウは黒尽くめに変装して、待ち合わせ場所に行った。
待ち合わせ場所で待っていると、馬車に乗った男が現れた。
「おい!1人だけか、もう1人はどうした!」
「はい、1人は逃げられました。
でも、1人は捕まえたので連れて来ました」
「ちっ役に立たない奴らだ、まあいい、そいつを馬車に乗せろ!」
「はい」
リリを連れて男の横を通る瞬間に海は、男を気絶させた。
男が目を覚ますと、目の前には銀髪、色白の美少女と獣人の娘、若い男が立っていた。
「さぁ始めようか、尋問の時間だ」
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