王都
王都の門まで辿り着き、入場の順番を待った。
海達が、門の辺りを見ていると多くの兵が待機していた。
海達の番になり、門兵に入場料を払い、ギルドの場所を聞き、通過した。
3人は、ギルドに入り、旅の途中で倒した魔物を換金すると同時に
山賊の事を話した。
山賊の話を聞いた受付のお姉さんが、
詳しく聞きたいから、少し待って欲しいと言ってきた。
受付のお姉さんを待っていると、ギルドの奥から
厳つい初老の男性が現れた。
「待たせて、すまんな。
私は、王都ギルドのギルドマスターのグルムだ。
山賊を倒したと聞いたが、間違いはないか?」
「はい、僕は海です。彼女達はミウとリリです。
僕達は、ベイゼの街と王都の中間辺りの山で山賊を倒しました。」
「何か証明するものはあるか?」
「山賊の死体を全部持ってきました」
海の、言葉にギルドマスターは驚いた。
「それは、本当か?」
「ここで、出しますか?」
「いや、ついて来てくれ、裏にギルドの倉庫がある。
そこで頼む」
ギルドマスターについて裏の倉庫に向かった。
倉庫に着き、ギルドマスターの指示に従い、
死体を次々と倉庫に並べていった。
「何人いたんだ」
「わかりません、数えてませんから」
ギルドマスターが、死体を確認していて
突然、顔色が変わった。
「こいつはデローニだ。ということはこいつらは死の行進か」
「死の行進?」
「ああ、有名な山賊だ、広い範囲で強奪や村を襲撃したりしていた奴らだ
賞金首になっておったが、中々捕まらないし、居場所も分からなかったんだ」
「討伐しておいて良かった」
その時、死体を確認していた他のギルドの職員から声が掛かった。
「グルムさん、もう1人も見つけました!
マルローです。これで、死の行進の賞金首の2人とも確認できました」
「海さん、ありがとう。 よくぞ、討伐してくれた」
結局、盗賊の数は54名だった。
その後、グルムさんとギルドに戻ると応接室に通された。
「すまんな、少し待ってくれ。
今、懸賞金を持って来るから」
「わかりました。それから、盗賊の宝の中に、これがあったのですが」
海は、アイテムボックスから、紋章のついた剣と腕輪を取り出し、グルムに見せた。
「!!」
それを見たグルムは驚いた。
「ちょっとまってくれ!おまえらここで見たものは他言無用だ」
そう言うと、部屋から他のギルド職員を追い出した。
「海さんはこれが何かわかるか?」
「わかりません」
「そうか、これは王家の剣と腕輪だ。
この紋章は王家の紋章なんだよ」
海は、そうなんだと思うぐらいしかできず、ミウは、うんうんと頷いていた。
(ミウは知っていたみたいだな・・・)
「海さん、暫く王都に滞在してくれないか。
これは、王家に話を持って行かないと駄目な案件なんだ」
「わかりました、当分の間は王都にいるつもりでしたから問題ありません」
「助かる、宿は決まっているのか?」
「今、着いた所ですので、まだ決まっていません」
「なら、ギルドを出て、左に進んだ所にこはく亭がある。
ギルド推薦の宿だ、そこに泊まってくれ」
「こはく亭ですね、これから行きます。」
話が終わるとギルド職員が入って来て懸賞金を渡してくれた。
「これがデローニの分、金貨30枚です。
そしてこちらがマルローの分、金貨15枚です」
「有り難うございます」
海は金貨を確認し、ギルドを出て、こはく亭に向かった。
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