旅の準備
3人で寝るようになってから、リリの距離が今迄よりも近くなっていた。
そんな幸せを感じながらも、海は、シルビアと王都の教会の事を考えていた。
このままにしておいても、教会の者に見つかれば
揉め事になる。
ましてや此処には、獣人、エルフ達もいる。
教会や人間が見逃してくれるとは思えない。
皆、捕まれば奴隷にされるだろう。
考えれば、考える程、王都に行くしかないと思えた。
その夜、2人に相談してみた。
「ミウ、リリ、聞いて欲しい」
「改まってどうしたのじゃ」
「僕、王都に行って、シルビアの事に決着つけようと思ってる」
「そっか、海は考えていたんだ」
「うん、このままにしておいて、もし、ここに居るのが見つかったら
シルビアだけでなく、他の皆にも嫌な思いをさせる事になる」
「そうじゃの、街中で生活している獣人達と違って
ここなら誰にも文句も言われんし、人の目も無いからのぅ」
「だから王都に行って来るよ」
「わかったけど、1人で行く気?」
「わらわは付いてゆくぞ」
「片道7日程掛かるよ」
「海がおる」
「私もいくわよ!」
「リリ・・・」
「決まりじゃの、なら支度をするかのぅ
それで海よ、わらわが前に言ったコテージを造ったらどうじゃ?」
「そうだね、造ろう!
完成してから出発しよう」
翌日から海はエルフ達に手伝って貰いながら
持ち運びコテージを造った。
コテージの作製と同時に海はベイゼの街に行き、
大量の食材と調味料、野菜、生地、衣服を購入した。
これらを持ち帰り、食材は自宅の地下食糧庫に入れた。
シルビア、リーフ、シンギ、セントを呼び
自分のいない時の管理を任せた。
後、リーフとセントにはお金を渡して皆が困らないようにした。
数日が過ぎ、コテージが完成した。
コテージは個室が3室とキッチン、バス、トイレが付いていた。
個室にはベットがあり、十分満足する物だった。
翌日、3人は王都に向けて旅立った。
不定期投稿ですがよろしくお願いします。
温かい目で見て頂ければ幸いです。




