日々の・・・2
シンギを連れて拠点に戻った。
拠点に戻る道すがらシンギに、リリとミウが乗った。
リリが前に、後ろにミウが乗り、海は並走した。
シンギの背に乗っていると、風の抵抗を受けることもなかった。
風の魔法で、髪の毛1つ揺れることも
スピードに怯えることないのだ。
「なかなか良い乗り心地じゃ」
「はっ、お褒め戴き光栄でございます。」
「うむ」
「ねぇミウさん、すごいね、全く風の抵抗がないなんて・・・」
「リリよ、わらわの事はミウで良いぞ」
「うん、わかったわ」
シンギの上で会話をしている内に拠点に到着した。
拠点に戻ってからは、農作業の為の鍬を配り、畑を耕したり、
シンギの寝床を造ったりして、日々を送った。
日を追う毎に拠点は、生活をする場所として進歩した。
数日が経ち、海とミウはベイゼの街に向かった。
本来3人で行くつもりでいたが、畑での作業、狩り、薬草からポーション生成と
拠点での作業が増えたことで、3人で街に行く事を断念したのである。
ベイゼの街が見えて来た所で2人は異変を感じた。
門の前には多くの兵士が並び、隊列を組んでいるのが見えた。
門に着くと、兵士達が強張った表情をし、
辺りを見渡しながら立っていたので声を掛けた。
「兵士さん、何かあったのですか?」
海が、声を掛けたところで遠くから声がきこえた。
「来たぞ!スタンビートだ!
全員、魔獣が来るぞ!!!」
声と同時に多くの足音が響いた。
足音のする方を見ると、砂埃と同時に黒い塊が街に迫っていた。
「ミウ、買い物どころではなさそうだよ。」
「その様じゃな、海よ、参戦する気か?」
「うん、それしか無さそうだし、獲物も狩れるから」
「なら、わらわも付き合うぞ」
「ありがとう、ミウ、期待してます。」
「うむ、わらわに任せよ」
2人は魔獣の群れに向かって走り、同時に魔法を放った。
「エクスプロージョン!」
「ダークバレット!」
魔獣の群れの真ん中で大爆発が起こった。
また、前線の魔獣たちには、多くの大きな石が飛んでいった。
2人の初撃で、攻めてきた魔獣の半数が倒れた。
海とミウは、攻撃の手を緩める事無く魔法を放ち続けた。
「ウインドカッター」
「ウインドカッター」
「ウインドカッター」
「ダークアロー」
「ダークアロー」
「ダークアロー」
複数の風の刃と闇の矢が魔獣を蹂躙した。
あまりの魔法の威力に兵士達は立ち尽くし
茫然と眺めていた。
兵士達が、眺めているうちに魔獣の群れは消えてしまい、
スタンビートは終わった。
魔獣を蹂躙した海は、一生懸命アイテムボックスに魔獣を収納して回っていた。
「ミウ、終わったね」
「そのようじゃな、まあ、竜がいない分、楽じゃったな」
「フラグを立てないで・・・」
「フラグとは何じゃ?」
「気にしないで」
「うむ・・・・・」
不定期投稿ですがよろしくお願いします。
温かい目で見て頂ければ幸いです。