三話
「二つ目の基本的情報から教えるわよ。って、さっきも説明したんだけどね!!!」
「あははははは」
ジト目で睨むサリー。話長いし、さっきは頭の整理できてなかったからな。
うん、しょうがない。しょうがないじゃん。ひとり納得する。
「ったくしょうがないわね」
ぶつぶつと文句をいいながら話してくれました。
さっきの説明も含めてまとめると多分こんな感じだ。
・転生先の世界は『センダル』
・ゲーム時代の知識と相違は殆ど無い。が、違いは自分で収集し修正しろとの事。
・通貨に関しては金銀銅から Gになった。
日本円で1円=1 Gらしい。
・言語は 現在統一されている。
うわー、一時間近く話させてしまって、たったの三つにまとめてしまったよ…。
バレだら絶対怒るよな。黙っておこう。
というか、このサリーのキャラが分からん。厳格と思いきや親しみやすい。はたまた、俳優顔負けの演技力……凄いな。
「訓練場創り終わったよ~。と言っても、すっごく広い空間だけどね。あとね、転生後にも使えるようにしておいたから所有権を渡すね。存分につかいなさ~い」
「お、ありがたい!!設定?とかってできる?」
「私を誰だと思っていいるの?当たり前よ!」
「で、どうやってやるんだ?」
「少しぐらい感謝しなさいよ!!視界の中央下に歯車あるでしょ?」
「は?なに言ってんの?」
歯車?何それ?あるわけないじゃん!死んだけど人間だぞ!?
ゲームじゃないんだよな????
「あ…忘れてた!貴方に、能力を渡していなかったわ」
それって、すごい大切なんじゃぁ…。
「渡すから失礼するね」
サリーはそう言って俺のおでこに指をあてた。自然と目を瞑る。
すると、不思議な感覚に陥った。身体の奥底から何かが沸き起こるような感じだ。
これが、力が沸くということなのか?不思議だ、感覚が鮮明になり鋭くなっていく。
今だったらわかる。目を瞑っているに分かる。この空間の限界が分かる。
「もういいわ」
告げられ、目を開ける。今までになかったモノが視界に現れた。
ゲーム画面と言った方が早い。というか、スロフィットと同じである。
右上にマップとログ、左上にレベル、HPとSP、中央下に 歯車。
右下に、スキル欄……が無い…?
取り敢えず認識したので、サリーに視線を向ける。
「成功したようね。今、貴方の視界にはスロフィットと同じモノが見えているよね?」
「あぁ、見えている」
返事しながら触れようとする。が、それが出来ずに空を切る。
「それは、触れることはできないわよ。意識を向けることで、操作するのよ。まずは、右上のマップに意識を向けると大きく表示されるわ。」
言われた通りにマップに意識を向けと、目の前に大きく表示された。
「うぉっ」
びっくりした。
思っていたよりも目の前だったのだ。よく見ると半透明でサリーが見える。
マップには自分を中心に表示されており、サリーが白色のマーカーで表示されている。
特にゲームと変わらない。そういえばと思い聞く。
「スキル欄がないぞ?どうやってスキルを使うんだ?」
「スキルの使用方法は、スキル名を言うか念じると体がその通りにうごくわ。今のところこの二通りね、ほとんどの人が念じてるわね。そのほうが少しだけ発動が早くなるのよ。ま
、口に出す人も居るけどそれは両者の差が開いてる時か、目立ちたがりね。」
「なるほど、それはいいね。戦闘時はいちいち選んでられないからな。なら、俺が頼んだ訓練場は間違っては無かったんだな」
「そうよ、だから受けたの。そうでなかったら、貴方が言った通りに力を 使いこなせないのよ。先ずは、貴方の所持スキルを確認しなさい、武器はバッグに入っているわよ」
「そうだな」
メニューからスキル一覧を開く。そこにはゲーム時代に取得したスキルが 殆どあった。
表示されてないスキルは条件が特殊で揃っていないからだろう。今は無視をする。それらは いつでも取得できるからである。取り敢えず初級職が全て揃っているのを確認する。
「そろそろ技の確認をしようかな。他にはもう大丈夫だよな?」
「そうねー、三つめはやっぱり無理だからねー。んー、あっ!そうそう!貴方が以外にも転生者は居るからね」
「あっ、やっぱ居るんだな。スロフィット出身か?」
「半々っかな」
「 半々なのか…。会うのが楽しみだな」
「貴方、さっさと行きなさいよ!」
「へいへい」
一応、神らしいサリーがおっしゃるのでそろそろ行きましょうかね。
先ほど準備して訓練場の表示に意識を向ける。すると目の前にゲートが出現した。
「はいよ。サリー、二度目をありがとう。楽しんでくるわ」
サリーに礼を言い、ゲートに入る。
***
「行ったようね。貴女はこれから幾多の困難に当たり乗り越えるでしょう。沢山苦しみなさい。そして、貴女はどうするのかしら?」