一話
腐れ縁に久しぶりに会うために
「はぁ、話すのは4年振り?しかも見るのは2年振りかぁ…。はぁ、緊張するぞー…。」
教えてもらった家が目の前になってきた。
俺は「そろそろ着くよ」とメールを打ち送信する。
─5分後─
玄関前で腐れ縁の彼女は待っていた。
俺を見つけると笑みを向け手を振り、俺は釣られて手を振り返す。
やはり可愛い。そして、2年も見ない間に大人びている。
彼女は、腐れ縁であり元恋人である。
そして色々思いながら彼女に歩み寄り、声をかける。
「久しぶりだな。元気してたか?」
「もちろんよ。あんたも元気にしてた?」
「当たり前だ。お前も元気で良かった」
「ふふ、緊張するね。あの日以来かしら?話すのは…」
「そうか、あの日以来か…。璃亜、約束破ってすまなかった」
「ん、私は気にしてないよ?私は、あんたと友達でいたかったのよ?」
「本当にすまなかった!」
俺が頭を下げると何も言わずに、頭を撫でる。
璃亜に久しぶりに撫でられ少し落ち着く。
「さ、行くわよ。あんたとのデートなんて初めてだから緊張するわね」
「そ、そうだな 、行こう」
─1ヶ月後─
「あぁ、疲れた。しかし、混んでるなー」
俺は仕事帰りで帰宅時間ラッシュ時の渋滞に嵌っていた。
しかも雨が降っており、いつもより進みが遅い。
2Km先で交通事故があったと、ラジオで放送している。
「まじかー、事故あったのか…。まあ、急いでないしいいか。それに高速道路の下だから、雨気にならないしな。」
しばらくラジオに耳を傾けていると、フロントガラスに何かが落ちてきた。
「ん?なんだ?」
上を見ようとすると、人並みの大きさの物体が前の車に落ちた。
「っ⁉」
そして、高速道路が崩れた。
ー数時間後ー
『夜9時のニュースです。本日、午後6時25分ごろに○○県✕✕市の高速道路が崩壊し、負傷者5名、重傷者3名、死亡者1名が出ました。重傷者は現在入院中でして2名意識不明、1名は意識が回復したとのことです。死亡者は、帰宅途中の会社員、名前は───』
私が帰宅し、テレビをつけるとあいつが死んだとニュースで放送している。
「うそ…でしょ……。だって、1ヶ月前に遊んだばっかなのに…。私と過ごしたのに……。な…んで……。」
受け入れたくないと、拒絶反応を起こし泣いていた。
泣きつかれ意識を失うように眠りついた。