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九話

 俺たちは支部長室に通された。


「イグニスさん!なぜ貴方がいらっしゃるのですか?」


 支部長の次に入ったベールさんが驚いた声を上げているのが聞こえた。マップで気付いてはいた。俺は一番後ろにいたたからまだ見えなかったが、部屋に入って誰か分かった。関所の衛兵だった。


「ね、門に居たおじいちゃんだよね?」

「ん?そうだな。関所のおじいちゃんだね」

「何で居るのかな?」

「しらーん」


 そんな会話をしていると、おっさんに小突かれた。


「いてっ」

「おい!なんてこと言いやがる!!」

「まぁ、良いじゃないか、わしはもう老いぼれなんじゃよ。どう呼ばれたってかまわんよ」

「い、いくらなんでも、おじいちゃんは失礼ですよ!」

「ディモン、先生がそう仰っているんだから気にするな」


 先生?このおじいちゃんが先生?もしかして、支部長は冒険者をする前は衛兵だったのかな?ん~……。


「まぁ、お二人さん昨日ぶりじゃのう」

「んぁ?」

「だから!!無礼だろう!!!!」

「いてっ!」


 また殴られた。割といてぇな。うん、いつか仕返しをしてやろう。

 そんな事よりも5、6名の見張りがいるみたいだな。高レベル新人は警戒対象……?いや、違うな得体の知らない奴が現れたから警戒するのか。


「ディモン君、そんなことは気にせんでいいよ。皆座ろうよ」

「そうですね。ささ、皆座ってください」

「そ、そうですか…」

「はーい」


 おっさんをなだめる二人。それに委縮するおっさん。挙動不審のベールさん。……うん、リアは何も考えていないな。

 長テーブルの周りに、一人席が2脚、二人席が2脚。一人席に支部長とおじいちゃんが座っている。リアが先に座ったので、おっさんとベールさんが座った。うん、上座下座がめちゃくちゃだ。あ、座ってない人がいた。さっきいなかった人だ、支部長の秘書かな?


「さて、君たちのことで話をしましょうか。ベールさん、昨日の報告書は確かなんだよね?」

「はい、報告書の通りです。石板を偽装することは不可能です。それは支部長もご存じですよね?」


 秘書らしき人がお茶の準備をしている。……服装的にメイド…かな?


「うん。念のために確認をしたくてね。あ、レイランお茶出し…って、もう出し始めているね。ありがとう」


メイドさんはレイランさんなのか覚えておこう。かなりの巨乳だな。眼福眼福。

!?殺気を感じて横を向くとリアが睨んでいた……。やべぇ怖すぎる…。


「分かった、ありがとう。ディモン君達に確認が取れたとし、本題に入る前に君達に聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

「ん?あ、はい」


巨乳を見てる間に話が進んでいたようだ。


「えーっと、まずはこれから聞こうかな。君達は、異世界人であっているかな?]

「異世界人?」

「合っているぞ。この世界がセルダンであってるなら、だけど」


 異世界人に不思議がったリアと認めたことに驚いた支部長たち。巨乳は……読めぬ…!!くそ!

 何かを察知したリアが肘打ちをしてきた。う”ぅ…痛い。

 と、支部長が続けてきた。


「あ…あぁ、セルダンで合っている。それにしても、認めるとは驚きました。なるほど、その強さは異世界人だからなんですね。納得したよ」

「そうじゃのう。異世界人と聞けてほっとしたのぅ」


 俺たちが異世界の人と聞いてまじでほっとしているぞ。どういうことだ?

 あ、リアは興味がなくなって巨乳に出されたケーキを食べている。


「異世界人は前から居るのか?」

「えぇ、大昔から居ますよ。文献に載っている異世界人は500年前なんです」

「しかも文献に残っていないだけで、それよりも前から存在するといわれているんです」


 500年よりも前から居るって凄いな。つーか、極めた人しか来れないんじゃなかったのか??サリーの判断基準は適当なのか?んー、ありえそうだな。


「本当に大昔だな。俺たちのことを異世界人といったよな?一応確認なんだけど、異世界人ってなんだ?」

「異世界人とは、このセルダン以外の世界から来た者を言うんです。元の世界で死んでここの世界で産まれたり、召喚されたりと色々です」

「へぇ~そうなんだ」

「まぁ、神が関わっていることには変わりないですが…。それと私たちが納得したのは、異世界人は必ず強いからなんです」

「そうなんだよなー、青年たちが異世界人ってのは残念だけど強いから許す!!!」

「そ、そうか」


 何を許さないのかは分からんが、まーいいだろう。それと、リアはまだ食べているので放置しておく。


「さて、そろそろ本題に入ろうか」

「新人研修をどうするか、で、よろしかったですよね?」

「うん、そうだよ」


 受付に居た時から思っていたんだが、新人研修ってなんだ??


「なぁ、新人研修ってなに?」

「ん?ベールさん、説明してないの?」

「あ!忘れていました!!すみませんでした!」

「簡単に説明してください」

「わ、分かりました!!えーっとですね、新人研修というのは、Fランクになった方たちには、モンスターの狩り方、迷宮(ダンジョン)での立ち回りなどを先輩冒険者が教える期間なんです。期間としてはEランクに上がるまでです。そして、今回の新人研修を担当していただこうと思っていたのはディモンズさんの予定でした。ですが、先ほどのWIS測定で必要かどうか疑問になったのです。そこに支部長がいらしたわけです」

「分かりました。では、ユナとリアのランクは支部長権限でCランクに、研修はディモンズと迷宮(ダンジョン)に行って二人の立ち回りの確認。一か月あれば十分だと思うよ。二人ともいいね?」

「畏まりました」

「了解だぜ!!」


 お、話がまとまったみたいだな。それにしてもこのケーキうめぇ。チョコ系かと思ったがチーズケーキだとは驚いた。

 ランクを上げてくれるのはうれしいけど…


「君達もそれだいいよね?」


 リアは食べている最中だったのでうなずく。俺は、条件を付けよう思う。


「ランクを上げてくれるのは嬉しいです。ありがとうございます。ですが、ほかの冒険者が納得しないんじゃないですか?」

「それについては大丈夫だと思うよ。水晶の割れ具合で実力が分かりますから、下手に絡んでくる者はいないと思うよ。まぁ、その場にいた人たちは…ですけどね」

「まっそうだろうな。だからってわけじゃないけど、条件というかお願いがあるんですけどいいですか?」

「ん?何でも言ってください」

「FからCは稀にあることだと思うけど、不満を言うやつがいるかもしれない。だから、Cランクの人たちとPVPをさせてくれないか?」

「「「は?」」」

「ゲホッ!ゲホッッ!!!」


 皆驚いた。しかもリアは食べていたのでむせている。そんなに驚くことか?冒険者は実力を知りたいと思う。また、俺たちの実力もしたい。当然のことじゃないのかな?


「出来ないか?」

「ちょっ!ちょっと待って!!あんた何考えてるの?昨日、来たばっかで初めてモンスターを狩ったばっかなのよ?」

「落ち着け、お前の言う通りだ。それがどうした?」

「な⁈そうだけど!!!」

「いずれ、PVPはしないといけないんだ。その前の練習だと思えばいい」

「そう…なの?そ…うだよね。いずれPVPはしないといけないよね?」

「そういうことだ」


 適当な理由ではあるが、筋は通っていると思う。リアが納得したならどうでもいいだろう。


「いや、それでいいのか…?」


 おっさんは割と驚いているな。


「いいでしょう。PVPに便利な道具もありますからね。相手は、ディモンがして下さい」

「え?あ、はい。分かりました。青年とやれるんだな?いいぜ!!」

「よしじゃぁ、行こう!!!うるさいやつを黙らせよう!!」

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