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私と本と季節のにおい

春のにおいがする。

春の暖かな陽射しのもと、道端に咲いているような小さな花のにおい。

穏やかな風が桜を揺らし、ひらひらと桜を散らす春のにおい。

しかしここは図書館で近くに桜はもちろん花などあるはずがない。

暖かな春のにおいをかいだ、穏やかな春の風も感じたのに私は駅前の図書館で本を読んでいた。

私の近くには学生らしき子や一緒に来た後輩しかいない、そのはずなのだ、そのはずなのに、穏やかで暖かな春を感じるのだ。

しかしそのときの私にはそれが何だったのかを知ることはできなかった。しばらくして学生や後輩は暗くなる前に帰っていった。しかし私しかいない図書館では、微かな春でさえ感じることはできなかった。


今日は中学生の学校見学があるため、部活動もなく多くの生徒は早々と下校し、学校には私の様に図書室で勉強や読書をしている者ぐらいしかいない。私は、現在図書室で司書さんの代わりに本の貸出と返却をやっている。司書さんに、職員会議中だけお願い出来ないかと言われたからだ。

私は司書さんが居ない時に貸し出しや返却を自由にやらせてもらっていることや、現在図書室にいるのは私のほかに勉強を教えてほしいと頼んできた後輩しかいないので仕事はなさそうだと思い引き受けてしまった。

どうせ後輩に勉強を教えなきゃならないためしばらくは帰れないだろうからと思っていたのだが、職員会議が伸びたのだうかなかなか司書さんは帰ってこないので後輩には先に帰ってもらった。

先ほど、中学生が学校見学に来てるので用がある生徒以外は帰るようにと放送があったからだ、学校見学に図書室は含まれていないだろうと思った私は司書さんが戻ってくるまで図書室にいることにした。

しかし予想は外れて司書さんは中学生を引き連れてやってきた。

どうやら中学生に学校を案内していたみたいだ。

「あらまだ残っていてくれたのね?」

と司書さんは言うが、帰ってこないならちゃんと言って欲しかった、そう思いながら司書さんも帰ってきたので、私はこれでやっと帰れると思い、読んでいた本を片付けていると。

「そうだ!生徒会長の代わりに生徒代表として、学校を案内してくれないかな?」

生徒会長の代わり?なぜ私が生徒代表として紹介されている、どうやら生徒会長が風邪らしく代役が必要とのことで捕まってしまった。

その後しばらく司書さんと共に校内を案内して図書室に戻ってきて自由時間となった。

中学生は自由時間らしく校内を観て回る者もいれば時間まで図書室に残って本を読んでいる子もいた。

「ごめんね、まさか私が案内役になるなんて思ってなかったから」

司書さんの話では、他の先生は忙しいらしく、半ば押し付けられる形で引き受けてしまったらしい。

そうならそうと先に言ってくれれば、もう少しまともな案内ができただろうにと思うが終わったものはしょうがない、問題なく案内が終わっただけ良かっただろう。

「もう少しで自由時間も終わるからもう少し付き合ってね」

どうやら私は自由時間が終わるまで付き合わなければならないらしい。

しかし図書室に中学生が来てから微かに春の穏やかで暖かい感じがするのだがなぜだろうか。

それがどこから感じるのか知りたくなったが私だったが、中学生に話かることはできずにいた。

その時話しかけていれば変わったかもしれないが、どうしてもその時の私には勇気が無かった。

あのとき話しかけていればよかったと思う。

話しかける勇気があれば、それが誰だったのか思い返し答えを探すことも無かった、あのとき確かな春を感じることさえできていれば……

しばらくして中学生たちが時間になり戻ってきたところで解散となった。

中学生達が帰ったあと図書室の片付けを手伝っていた際にはもう微かな春でさえ感じることは無かった。

小説を書くって難しいですね。

本当に描きたいことを文で伝えるって大変だと感じました。

今回短編にしたのは異世界ものじゃないのは初めてだったので書くのに時間がかかっているからです。

もう少し先まで描けたら連載したいと思います。



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