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35話 人か機械か

私の真骨頂とも言える「リアルな戦闘」ですが、GWの忙しさゆえ初めての「イマジネーションで表現」に挑戦します。矛盾が生じるかもしれませんがその時は生暖い目で静かに批評しといてください。

 全員の顔に ? の文字が浮かんでいる。パソコンを弄っていたクルーが突然画面が見えるようにその場を離れ、フォックスたちに説明した。


「これはクローンによるパイロット『量産』計画のようです。少し待って下さい…… 」


 手を伸ばしてキーボードを操作し照明を点けると、各水槽に1人ずつ人間が入っているのが見えた。フォックスたちはそろって眉をひそめる。


「うぇ、全部おんなじ顔かよ、気味悪ぃ」


「なるほど、『合成ゲノム』か。いかにも悪いやつのやるこった」


 23世紀後半に開発されたこの技術は、『人工的に人間を作る』ことを可能とした。この恐ろしい技術は『再生治療に使用する目的で特定の臓器に限って』許された行為となっているが、人体全てを作ったりすることは勿論禁止となっている。


「とっととデータだけ抜き取ってずらかりましょう」


 全員がまとまりながら後退し、パソコンと格闘するクルーの周りで停止した。パソコンの画面が暗転し、クルーがメモリースティックを抜き取る。


「終わりました! 」


「よっしゃ、即時撤退!! 」


 フォックスたちは一斉に走り出した。




─────────────────────

 一方、地上では界人たちが壮絶な戦いを繰り広げていた。


「こいつら、みんな同じ動きをしやがる! 」


 一人が小銃を撃ちながら推進剤の切れたダッシュホバーを脱ぎ捨てる。敵の数が多いがために下手に動き回れない事も影響し、界人たちは徐々に追い詰められていく。


「なるだけ二機一組で行動しろ! 離れすぎたら死ぬぞ!! 」


 界人も必死に応戦するも流石の数の多さに押され気味だった。既に全弾を撃ち尽くし、残る装備はナイフだけである。


「仕方ない、 撤退開始! 隊長たちのルートからなるだけ離れて距離を稼げ!! 」


 ダッシュホバーも無いため一斉に走り出すも、当たり前のように敵は背中から発砲してくる。その時、界人のレイヴンが隊列から離れ敵と向かい合った。


「馬鹿野郎! ユリちゃん放って死ぬ気か!? 今すぐお前だけでも逃げろ!! 」


 一人が声を荒げると、界人は画面越しにも分かるほどに不敵で、かつ恐怖を覚えるような冷ややかな笑顔を見せる。


「ならはっきりと言っておく、ここで死ぬ気など欠片もない!! 」


 界人の魂の叫びと共にレイヴンの左の拳が敵機を捉える。仰向けにひっくり返った敵のコックピットの辺りを装甲の隙間から右手のナイフで突き刺した。


「界人……… 」


「ハァ……ハァ…… 」


 既に30分近く戦っているのだ。さしもの界人にも疲労の色が見え隠れしている。


「……流石にまずいかな、ナイフも折れやがった」


 その時、突如『to Fox』と書かれたメッセージと共にけたたましいブザー音が各人のコックピットに鳴り響いた。


「撤退!! 援護班は的当てゲームの始まりじゃあ!! 」


 フォックスの掛け声と同時に、港の方からヒュルルルル……と空を切る音が聞こえてくる。


「……来たっ、とぉ!? 」


 突如思いもよらない方向から衝撃が伝わり、界人はレイヴンごと後ろに倒れた。


「こいつっ!…… 」


 マウントを取ろうとして来る敵を胴体を捻りながら起き上がり、押しのける。少しだけ動揺した。


「まるで狙ったかの様に…… 何者だ! 」


「フォックス……」


「は? 」


「フォックスゥヴヴ!! 」


 明らかに狂っていた。明らかに自分よりも古い世代のギアだというのに圧倒的なまでの威圧感を放つその機体は界人に恐怖をちらつかせる。敵はまるで思考を放棄したかの様に突撃してきた。


「クッ……ソがぁ!! 」


 払いのけようと蹴りを放つもその機体は人間業とは思えないほどの反応で間一髪の回避を見せる。


「おい、あいつ人間なのか!? 」


 流石の動きに同僚たちも動揺する。しかし、界人は「早く行け! 」と急かした。


「あれは人間さ、だから勝てる」


 同僚たちは、界人の笑みに少しだけ鬼気迫るものを感じた。


「そ、そうか…… だが無理すんなよ? 」


「分かってる、心配ありがとよ 」


 足早に去っていく僚機を片目で追いつつ、界人は目の前の敵に意識を戻した。


「さぁ、どうやって戦うか……… 」

あともう少しでこのグダグダを解消できる(と信じたい)

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