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27話 炎

そろそろ戦闘が見たいんじゃあ!と思っている方申し訳ない、次回までお待ち下さい。

「うっひょー、レールガンだとよ」


 双眼鏡からラボの内部を覗くフォックス。勿論、深夜のために『暗視用』である。国連理事会より連絡が入り、戦禍を拡大させうる戦略兵器の開発を行っている研究施設を破壊せよと命令を受けたのだ。現在三人はその試験場の裏にある小高い丘にて偵察を行っていた。


「しかし、この御時世にレールガンなど、何を考えているのだこの企業は」


 今回の任務は隠密作戦のためギアの数は最小限にとどめ、界人のギアのコックピットに増設シートを取り付けそこにレオンが座る形を取っている。


「でも、今はギア用のレールガンなんて出来ないんですよね? 」


 レールガンの弾速は通常兵器のそれを遥かに上回る。しかし、そのためにはネックとなるポイントが二つあった。


「高度な弾道計算と、高いリニア技術。この二つをあわせ持つ会社は『なかった』からな」


「というと? 」


「あぁ、界人は知らんわな。昔、トレック・インダストリアルはギア用の迫撃砲を作ってた時期があるんでな、弾道計算はお手のものなのさ」


「へぇー……、あれ?今回の併合って…… 」


「そう、世界初のリニア事業創立会社テクノ・フロンティアと統合した。もう分かるな? 」


 そうなってくると、戦場が大きく変わってくる。レールガンを使えば自軍の基地から敵を狙撃出来る事になり、当然ながら各国が我先にと欲しがるのは明白であった。


「しかし、ここでネックになるのが2491年発布の国連基本方針その八『戦況自体を揺るがすような戦略兵器の開発を禁止する』だわな」


 これがあるから無理に新兵器を作ることが出来なくなっていたのだ。無論、これを監視するのは『国連の』義務となっている。


「だから今回の任務が来たと? 」


「多分な。で、あそこが屋外テスト場だろ?でっかい敷地やねぇ」


 確かに、一企業のテストフィールドにしては大きすぎる広さであった。端から端までの距離であればギアが十分に戦闘可能な間合いである。


「どうだ界人、当たるか? 」


 コックピットから降りたレオンが着弾測定装置をセットし始めた。界人の乗り込むギアは、背中のラックに固定されていた特殊なライフルを取り出し、地面に伏せる。


「初弾装填完了、照準合わせ」


「了解。目標まで距離1800、方位+(プラス)57…… 」


 界人のギアがレオンの情報に合わせて照準を合わせている間、フォックスはコックピットから降りて辺りの樹木一帯にワイヤーを巻いていく。


「照準設定完了、いつでも撃てます」


「おう」


 照準設定の完了と同時にフォックスがゼロのコックピットに戻る。コックピットハッチが閉まったことを確認し、界人のギアのライフルが火を噴いた。着弾の光が見えたと同時にレオンが装置のレンズを覗く。


「クリーンヒット、目標の破壊を確認。次弾射撃の必要なし」


「うっし、じゃあお前らは武器を置いたままずらかれ」


「了解、無茶しないでくださいよ? 」


「任せろ、あとレオンは情報の取り出しをやって本部に提出しといてくれ」


「分かった」


 傍らに置いてあったジェットパックを背負い、界人のギアが戦線を離脱した。勿論、ゼロは放置されたライフルを掴み、次弾を装填する。


「施設の破壊は俺単独の任務だからね、仕方ない」



─────────────────────

 市ヶ谷の研究所は一瞬にして火の海へと変わった。何者かによる狙撃でレールガン本体のエンジンが破壊され、炎上。重水素を使っていることもあり大惨事へと発展した。


「……せっかくの試験品が、勿体ない」


「仕方ないさフェルディナンド君、そんな事よりここから避難せねば」


 ただの弾丸を使用した銃ではないのは素人目にも理解が出来る。着弾したのはレールガン本体のだけなのに、見れば試験場一帯が穴だらけである。


「『面制圧用弾頭』か、小賢しい真似を…… 」


 要は弾丸の内部に更に小さな鉄球を火薬と一緒に入れてあるのだ。着弾と同時に内部の火薬が炸裂、無数の鉄球がばらまかれ辺り一帯をくまなく破壊するというタイプの弾丸で、トレック・インダストリアル製の銃器に採用されている。


「アルバートさんは先にお逃げ下さい。私はこの犯人を見つけなければ本気で不味いことになりますから」


「あぁ、君も気を付けるんだよ」


 数人の作業員がアルバートを庇う形で試験場を離れる。数十秒後、再び閃光を伴って研究所自体がが炎に包まれた。


「ロバート、あれはどこから撃っている? 」


「………あそこだ」


 後ろの小高い丘を見上げると、確かに不自然に光る点がある。


「なるほどねぇ、じゃあ君が部隊を率いて行ってきて。もしフォックスだったら殺してもいいからさ」


「了解した」


 ロバートは踵を返し、颯爽と試験場を後にした。


設定解説:フォックスのイメージ


僕の信じる『二枚目』がフォックスの全てですね。それ以外には特に意識したことなんかもありません。


しかも、19歳なのに河島英五が大好きな私がイメージしている『二枚目』ですから若干時代遅れが匂うキャラですが、それでもカッコいいとおっしゃってくれるならこれに勝る応援はありませんね。


それに、飄々としているようで人思いですよ。稀に感情を見せることもありますし、案外書いてて苦労します。こんな風に生きれたらなぁ、と思いつつまぁ100%無理だろうと思ってるこの頃です。

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