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18話 初陣その1

やっと折り返しに突入です。戦闘シーン増し増しでお送りする所存ですのでお楽しみに

「これが……新型…… 」


 美しいの一言だった。曲線を多用したより人間に近いフォルムに最新技術の複合装甲など、誰が見ても完璧に近いと評価するだろうことは明らかだった。


「あの02って肩に番号が振ってあるのがお前の専用機だ。調整が終わったらすぐに出動するから準備しな」


「もう任務が入ってるんですか? 」


「あぁ、恐らく一年の半分をギアの中で過ごす事になるぞ」


 パイロットを志望した時から覚悟はしていたが、これはかなりのものらしい。急いで調整を終わらせるべくメカニックコールを行った。


「あと、仕事に私情を持ち込むなよ。災難の種になるだけだ」


「了解です」


 界人の返事を受けてフォックスは格納庫を出ていった。一分と経たないうちに作業服を着たメカニックがやってくる。


「うおっ!?」


 担当メカニックはまさかのユリだった。


「どうも、特務小隊専属メカニックのユリです。宜しくお願いします」


「あ、あぁ…… 」


 私情を捨てる意味を理解した。確かに災難の元である。


「早速調整に入ります。まず、射撃寄りにするか格闘寄りにするかをお選び下さい」


 格闘寄りにカスタムしたところでレオンの足手まといになることは明白だったし、調整無しのフォックススタイルは性に合わないことも理解していた。


「射撃寄りで。バランスとしては近接射撃4割、狙撃6割」


「了解です」


 ユリが外装をいじる間、操作系の調整を終らせるためにコックピットのハッチを開けた。より多くの武装を効率よく運用するためのギアなのに、操作方式は一番シンプルな第三世代型だった。


「武器の選別と最適化は自動で出来るから操作系がシンプルなんです。フォックス隊長のデータがなければ実現不可能でした」


「え?これは量産型なのか? 」


 レバーの固さを調整しつつユリへ質問する。二人とも全くと言っていいほどに作業を止めることはない。


「えぇ、あの00って番号の機体がフォックス専用機で、操作方法が鬼の如く大変です。フィードバック操作が全部手動なので」


 それであの淀みない動きが出来るのか、と界人は戦慄に似た何かを感じた。あの人の操作技術は人間の域を超えている。


「やはりフォックス隊長はすごい人だね。そんな代物を捌き切るなんて」


 そうこうしているうちに調整が完了した。新入軍人の調整が10分前後かかることを考えるとかなりの速さである。


「こちらも完了しました。」


 コックピットを出ると、三通の封筒を持ったフォックスが戦闘服を着て立っていた。


「終わったか?じゃあユリは輸送機の準備を。俺の分は載せなくて良いから」


 ただ頷いてユリは輸送機のエンジンを始動させに行ってしまった。


「さて、うちに入った初任務は…… 」


 ユリと入れ替わりに格納庫に現れたレオンに封筒を手渡し、界人にも差し出す。


「VIPの護衛任務だとよ。さぁ、行くか」





─────────────────────

 輸送機の中で、書類の詳しい確認を行う。


「今回の護送対象は我らがユニバーサル・ファクトリー社の副社長、ハイネ=スプリングフィールド氏とその他5名。護送経路はヨハネスブルグからプレトリアで、護送車には俺が乗る」


 そこが腑に落ちなかった。


「対人警備は他の部門に任せるべきなのではないでしょうか? 」


「あぁ、それは任務終了後に話すとしよう。それに今回は敵に狙われる率が極めて高くてな、警護よりはあのギアの慣らし運転が主目的なんだな」


 『ゼロ』と瓜二つの黒光りするギアは『レイヴン』という。黒さが烏を連想させるのか、戦略の器用さが烏の理性を意味するのかは分からないが、現時点では最高のギアであることに変わりはない。


「こいつは中々のじゃじゃ馬だぜ?しっかりと乗りこなせるようになるんだな」


「了解しました! 」


こうして、界人の初任務が始まった。



設定解説:ギアの武装について


ほとんど現代の人間が扱う武器と変わりませんが、近接武器に関しては若干バリエーションが多いです。


銃器に関しては、ほぼ現代兵装の6倍程度となっています。アサルトライフルならAK-47やM-16A1、スナイパーならF-2000などほぼ形は変わっていません。

むしろ現代の銃器がかなり理想形に近いものが多いため、無理に未来化するよりかはリアリティーを追えるかと思っています。


中にはレールガンやスティンガーボウなどの特殊火器もありますが、大体はファ◯ナーやらマジェ◯リやらで目にしたことがあるので想像出来るかと思っています。

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