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12話 本当の始まり

さて、新章開幕ということでまだまだ張り切らせて頂きます!え?いつから投稿頻度が落ちるかって?それは恐らく14日からかな……

 サンパウロの戦闘から二日後、フォックスたちはジュネーブにあるユニバーサル・ファクトリー本社にいた。


「会長、フォックス以下二名参りました」


「おう、入りたまえ」


 フォックスたちが入った先は会議室である。ユニバーサル・ファクトリーの重役たちがデスクの列の真ん中に三人は並べられた。向かい合う立ち位置で一番奥の席に座るのは、フォックスたちに通信を送ってくる髭の男性である。


「君と実際に会うのは初めてかな?ユリ君」


「は、はい」


 流石のユリも緊張するらしい。対してレオンはさして驚く様子も見せなかった。男性はゆっくりとレオンの方に顔を向ける。


「そしてようこそ『ユニバーサル・ファクトリー』へ、歓迎するよレオン=アリシア君。私の名はアルフレッド=ゴードンという。今後ともよしなに頼むよ? 」


 軍人としての癖なのか、立ち上がって10度敬礼を行うレオン。フォックスは何も言わずに二人を見守る。


「さて、挨拶はこの辺にしておいて本題に移ろうか」


 気付けばアルフレッド会長を含め、三人を除く全員の表情が変わった。真剣な話でも始まるのかとフォックスは軽く身構える。


「それほど重大な話でもない。この度の君らの活動を見させてもらったが、正直動きにくかったろう? 」


「ええ、所属を隠す必要があったため若干のやりづらさはありました」


 ここは正直に意見を述べるべきと判断し、フォックスは率直に心の内を吐露することにした。すると突然、アルフレッドの顔から緊張が消え失せた。


「やはりな……いや、それならば良いのだ。今回の会議は『君らの今後』の話だからな」


 ここに来てやらかしたとフォックスは気付いた。背筋が凍るような緊張と共に、冷や汗が止まらない。


「では役員諸君、『Hive』結成に異論がある者は手を挙げなさい」


 ユリもレオンも、フォックスですら何がどうなっているのかが理解できなかった。


「会長、『Hive』とは? 」


「この度、君らの任務遂行への効率を考えて新たに組織を作ることになった。フォックス君にはそこでパイロットチーフをしてもらおうと思っているのだ」


「はぁ…… 」


 ここに来て頭数が増えるのはどうかとフォックスは考えた。効率は上がるが、当然の如くリスクは上昇することとなる。



「つまり、現在進行中の計画に何の関係もない一般人を巻き込めと? 」


「まあ待て、最後まで話を聞きなさい」


 アルフレッドの目に一案があることを感じとり、フォックスは黙り込んだ。


「今回、パイロット試験に合格して訓練を受けている70名の大半がユリ君と同じ境遇である」


 ユリの表情が暗くなる。余計な事を思い出したのだろうか。気が付いたのかアルフレッドがフォックスの目をちらりと見る。


「それに新人の訓練はフィリップが面倒を見ておる、悪くはなかろう? 」


「……了解しました。承ります」


 満足そうな目で頷くアルフレッド。その後レオンとユリの立場に関する詳細が伝えられ、会議は終了となった。


「フォックス君、少し良いかね? 」


ユリとレオンに退室を促し、広い会議室の端の席でアルフレッドと向かい合う。


「これを見てくれ」


 アルフレッドが封筒を手渡す。中には大量の資料が綴じられていた。


「これは? 」


「新人たちのデータだよ。実は、君のデータを元にした第五世代の量産試作機が二つ完成してね」


「つまるところ、第五世代を乗りこなせそうなパイロットを育てろ、と? 」


「あぁ、整備メンバーについては最高の環境を整えてある。出来るかね? 」


 完全な決定をするのは早計だと判断し、フォックスは席を立つ。


「検討しておきます。あの機体は人を選びますからね」


 これからはまた違った意味で忙しくなると確信しつつ、フォックスは会議室を後にした。


人物紹介:レオン=アリシア


元アメリカ陸軍大佐。フォックスとの再会により自身の生き方を変えて現在に至る。


フォックスいわく「男だったら勝てない」というほどに格闘が強い。40歳にして空手六段、柔道五段で、なおかつ趣味でサンボやCQCを習得している。


ギアの操縦技術自体はそれほど高くはないが、持ち前のセンスで乗り切ってきた。軍人時代のスコアは20年で81機。

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