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旅して恋する吟遊詩人  作者: S.U.Y
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恋の弓引く愛天使 後編

 翌朝、キャラバンの馬車から離れた場所へとユーリは駆けていた。街道沿いにある、まばらに木の生えた雑木林の中までやってくるとユーリは足を止める。

「天使様、愛天使、ラブエル様」

 人気の無い雑木林の中で、ユーリは呼びかける。ほどなく、一本の木が風も無いのに木の葉を揺らし、樹上に一人の男の天使が姿を見せる。細マッチョの身体にゆったりとした布を纏い弓を持った、愛天使ラブエルその人である。

「ユーリさん。今日も、手伝ってくださるのですか」

 ひょい、と身軽にラブエルが枝から飛び降り、ユーリの隣へと立った。

「ほえ。そのつもりです、ラブエル様」

 風に布をはためかせながらの天使の降臨に、ユーリは目を輝かせながら言った。

「ありがとうございます。きっと、あなたにも神が良き運命をもたらしてくれるでしょう」

 にこりと微笑むラブエルに、ユーリは顔を俯かせる。

「ほえ……もう、運命は訪れてます……」

 ユーリの呟きは、雑木林の木々のざわめきに消え入るほどに小さい。

「何か、言いましたか?」

 聞き返したラブエルに、ユーリは顔を上げて首を横へ振る。

「い、いえ、何でもありません! さあ、今日こそシャイナの心臓に、恋の矢を!」

 ユーリの言葉に、ラブエルが力強くうなずく。

「ええ。運命の一矢、必ずや届けて見せましょう」

 弓弦を引き絞り、ラブエルは矢を番える。精悍な横顔の上で、風に揺れる黄金の髪を見つめながら、ユーリはそっと息を吐く。

「シャイナ……ごめんね」

 胸の中で呟いたとき、ラブエルの弓から矢が放たれた。放物線を描き、矢は彼方の空へと飛んでゆく。手で筒を作ったユーリは、その矢の行方を追った。


 馬車の御者台で、シアは浮かない顔をしていた。隣で手綱を握るシャイナもまた、不安げな表情を浮かべている。

「ユーリ……大丈夫かしらね」

 ぽつりと漏れた呟きに、シアはこくんとうなずく。

「うむ。ユーリなれば、この程度の相手に後れを取ることは無いと思うのだがな……」

 飛来した矢を、シアはつまらなそうにつかみ取る。ハートの矢じりを持つ矢が、シアの手の中でぼろりと崩れ落ちる。

「また、飛んできたの?」

 シャイナがシアに問いかける。シャイナには矢は見えていないので、シアのハエを払うような動きでしかそれを察知することはできないのである。

「相も変わらず、心臓狙いの一点張りだ。風を読んだ良い一矢ではあるが、狙いがわかっていれば赤子でも防げよう。奴ら、一体何がしたいのであろうな」

「奴ら? 魔王様には、敵の正体が判っているのかしら?」

 首を傾げるシャイナに、シアはうなずく。

「うむ。矢に込められた神聖力からして、十中八九これは天使どもの使うものだ。忌々しい神の尖兵に心臓を狙われるとは、お前は、一体何をしたのだ、シャイナ?」

 言いながら、シアはまた手を払う。魔力を込めれば、触れるだけで矢は塵と化した。

「神様に関わった覚えは……私には、無いわね。少し前に、ユーリが宗教にかぶれてしまっていたくらいかしら」

 シャイナの答えに、シアは肩をすくめて息を吐く。

「まあ、奴らの考えることなど、余にはわからぬ。だが、余が守り続ける限り、お前には一矢たりとも届かせはせぬ。心安らかに、旅を続けるが良い」

「心強い限りね、魔王様。ユーリとのこと、少しは応援したくなってきたわ」

「そちらは、順調に進んでおる。お前に気遣われるまでも無い。何しろ、余は今ユーリに頼られているのだからな」

 シアは言って、小さな胸を張る。

「……順調、かしらね。幸せそうで羨ましいわ」

 眩しいものを見つめるように、シャイナがシアへ目を細める。

「クク……妬いておるのか? 案ずるな。すぐに、余はお前よりもユーリと仲良くなり、そして結ばれる」

「……頭撫でても、良いかしら」

「無礼な。余は、魔族の長たる魔王ぞ」

 そんな言葉を口にしながらも、シアは笑みを浮かべる。

「それは失礼。そういえば、魔王様は嫉妬、することはあったのかしら?」

「ふむ、それはまた、唐突な問いだな」

「ユーリと一緒にいて、仲良くなりたいなら……いずれは通る道だからよ」

 シャイナの言葉に首を傾げ、シアはしばらく考える。飛んでくる矢は、もう手を出すまでもなく魔力結界だけでかき消してしまえた。

「……思えば、余は嫉妬をしたことが、無いのやも知れぬ。そもそも、羨むほどの相手がいない。余は十全にして、万能の魔王であるからな。それに、ままならぬことに腹を立てるほどに、子供でも無い」

「……姿かたちは幼女でも、あの子よりずっと大人なのね、魔王様は」

 感心したようなシャイナの言葉に、シアの脳裏にほやんとした笑顔のユーリが浮かぶ。

「そして、欲しいものは何としても手に入れてきた。今までも、そして、これからも、だ」

 御者台で立ち上がり、シアは背中の翼を展開する。

「あの子の所へ、行くの?」

 不安そうな面持ちのシャイナへ、シアはうなずく。

「うむ。何をしているのか、気になってな。案ずるな、結界を張ったゆえ、ひと月程度であればお前を害するものは防げよう」

 シアの視界の中で、時折飛来する矢が塵となって消えてゆく。問題は、無さそうだった。

「ユーリのこと、お願いね」

 漆黒一対の翼を広げ飛び上がるシアの背中に、シャイナが言葉をかけた。

「お前に、言われるまでも無い」

 翼をはためかせ、シアは空へと飛び上がる。前方に見える、雑木林へと向かって。

「クク……ユーリよ、待っていろ」

 呟いた言葉が聞こえる頃には、既にシアの姿はそこに無い。それは音の速さを、超えていたからである。


 雑木林の中で、がっくりとうなだれるラブエルの肩へユーリはそっと手を置いた。

「ほえ、ラブエル様……」

「わ、私の力では、あの、禍々しい魔力を破ることはできません……くっ、これでは、恋の運命を告げることができない……私は、どうすれば」

 目をぎゅっと閉じ、苦悶の表情を浮かべてラブエルが呻く。ずきん、とユーリの胸が痛んだ。何とか、この愛天使の折れた心を持ち直してあげたい。その一心で、ユーリは背中からリュートを取り出し構えた。

「大丈夫ー、大丈夫ー、次こそ絶対、上手くいくー」

 優しいメロディラインと共に、陽気で美しい歌声が雑木林に拡がってゆく。ラブエルは顔を上げて、じっとユーリを見つめ始めた。

「ほら弓、構えてー、ぎゅっと絞った恋の矢を、待ってる人に届けてあげてー」

 歌うユーリの身体から、白い光が立ち昇る。それはラブエルへと注がれ、その弓が虹色の輝きを放ちだす。

「おお……この力は、あなたの? これならば、もしや!」

 力強く、ラブエルが弓を引く。弦の間に現れた恋の矢が、淡く虹色に輝く。

「さあ今、届け彼方の、恋人たちへー」

「せっ!」

 歌声に合わせ、ラブエルが矢を放つ。虹の光の尾を引いて、矢は馬車へと向かって飛んでゆき、そして消滅した。

「ほえ……」

 結果を見て、ユーリは顔を曇らせる。その目の前へ、ハート形の矢じりが突き出された。

「ユーリさん。今度は矢にも、祝福を与えていただけますか? それならば、上手くいくと思います」

 にっこりと、笑顔のラブエルが言った。

「ほえ! わかりました! 全力で、愛を込めて歌いますね!」

 受け取った恋の矢を抱きしめるように持ち、ユーリは満面の笑みでうなずく。そのままリュートを引き寄せて、弦を爪弾こうとしたその時、雑木林の木々がいきなり弾け飛んだ。轟音と、土煙が上がり周囲にたちこめる。

「ほえ、な、何?」

 懐から大きなうちわを取り出し、ユーリは煙を扇いで払う。すっかりと晴れた煙の向こうに、黒いゴシックロリータのドレス姿の幼女がいた。

「シ、シア?」

 地面をえぐり、形作られた小さなクレーターの中心で、シアがゆっくりと立ち上がる。

「勢いあまって、木の二、三本も吹き飛ばしてしまったか。まあ、良い。ユーリよ、余が来たからには、もう大丈夫だ。何も心配することは無い」

 吹き飛んだ木々を一瞥し、シアがユーリへと顔を向ける。その表情は、不敵な笑みに彩られていた。

「ほえ、どうして来たの? シャイナを、守ってくれてるんじゃ……」

 目を丸くして、ユーリはシアを指差した。

「クク……あの程度の矢なれば、結界を張れば容易に防げる。心配は無用だ」

 小さな胸を張って、シアが言った。

「結界って……」

 ユーリが言いかけたとき、側でラブエルが身を起こした。シアの着地の衝撃を天使の羽根でもろに受けてしまい、転倒していたのだ。

「い、今のは一体……なっ、悪魔!?」

 頭を振りながら起き上がったラブエルが、シアを見て息を呑む。

「クク……御機嫌よう、神の尖兵。そして、さらばだ」

 言ったシアの身体が掻き消え、瞬時にラブエルへと肉薄する。振り上げた腕には、禍々しい魔力が込められている。

「ほえ、ダメっ!」

 声とともに、ユーリがラブエルとシアの間に身を入れて両手を伸ばし制止する。振り上げられたシアの腕が、ぴたりと止まった。

「……何をしている、ユーリ?」

「ラブエル様を、傷つけないで!」

 きょとん、としたシアを睨み付け、ユーリは言った。

「ユーリさん、駄目です。逃げてください」

 ユーリの背後から、切迫したラブエルの声が聞こえてくる。首だけ振り向いたユーリは、ラブエルに向けて微笑んだ。

「ほえ、大丈夫です。ここは私が、何とかしてみせますから」

「しかし……」

「お願いします。あと、できれば目を閉じて耳を塞いでてくれませんか? 私がいいって言うまで」

「ですが……」

「い・い・か・ら! 言う通りにしてください!」

「あっ、はい……」

 笑顔のまま見せたユーリの迫力に負けたのか、ラブエルが大人しく目を瞑り、耳を両手で塞ぐ。その姿を確認してから、ユーリはシアへと顔を向けた。

「ほえ、お待たせ、シア。それで、どうしてここへ来たの?」

 問いかけるユーリに、シアが優しく微笑む。

「もちろん、お前が心配だったからだ。昨日も、熱を出していたようであったし、な。だが、来てみれば何とも妙な成り行きよ。矢の射手とお前が、どうして一緒にいるのだ? そこな天使に、何か弱味でも握られているのか?」

 逆に問いかけてくるシアへ、ユーリは首を激しく横へ振る。

「ラブエル様は、そんなことしないもん!」

「ラブ……エル? その天使の名前か? まあ、どうでも良いことか。そこをどけ、ユーリ。お前の親友に矢を射かける無礼者の、腕を千切り捨ててやるゆえ」

 そっと伸ばしてきたシアの手を、ユーリはさっと払いのける。

「……ユーリ?」

「そんなこと、させない! ラブエル様を傷つけようとするなら、私が相手になるんだから!」

「……それは、本気で言っているのか?」

 ユーリの目の前で、シアの魔力が膨れ上がる。その力は魔王の名にふさわしく、あまりに強大で、そして禍々しい。ユーリは思わず、じりりと後ずさる。

「ユーリさん。もう、充分です。あなただけでも、逃げてください」

 震える声が、背後からかけられた。振り向けば、ラブエルの全身には冷や汗が流れ、小刻みに身体が震えている。

「ラブエル様! シア、何をしたの!?」

 震えながらも目を閉じ耳を塞ぐラブエルを一瞥し、ユーリはシアへと視線を戻す。

「愛しいお前に、手を出せる筈も無かろう? だから、魔力を素通りさせて、そいつを直接威圧したのだ。この形態でいてさえ、余とそいつの間には、天と地ほどの実力の差がある。余がその気になれば、触れずしてそいつを再起不能にも出来るのだ」

「やめて! ラブエル様に、酷いことしないで!」

 声の限りに叫ぶユーリへ、シアが不思議そうな顔を見せる。

「ユーリよ、どうして、お前はその天使のためにそこまでできるのだ?」

 シアの問いかけに、ユーリは黙り込む。

「そうです。どうして、私のためにそこまでしてくれるのですか」

 背後で、ラブエルの震える声も聞こえてくる。前門の魔王に、後門の愛天使である。ぐ、と咽喉の奥を鳴らしたユーリは、勢いよくラブエルへと振り向いた。

「あなたが、好きだから、それだけです!」

 ユーリの言葉に、シアと、そしてラブエルが大きく目を見開いた。

「なん……だと……」

 シアの口から、信じられない、といった響きの声が漏れる。一方でラブエルは、ユーリに向けて困ったような笑顔を見せる。

「ユーリさん……私たち、愛天使は恋を運ぶ天使です。誰かに恋をすることは、許されないことなのです」

 ラブエルの言葉に、ユーリの中で育っていた熱い思いが灼熱の息吹を上げる。

「でも、それでも……好きになっちゃったものは、仕方ないじゃないですかっ!」

 そう言って、ユーリは手にしていた恋の矢をラブエルへと投げつけた。ほとんど無意識の、行動だった。運命を告げる恋の矢は、ハートの矢じりをラブエルの心臓深くへと突き立てる。ラブエルの身体がびくんと跳ねて、のけぞる。その胸から、恋の矢は光の粒子となって消えた。

「ユーリ……さん……」

 胸を押さえ、ラブエルが苦しげに呻く。

「ラブエル様!」

 駆け寄ったユーリの目の前で、ラブエルの身体がピンク色の光に包まれた。眩しさに、ユーリは思わず目を閉じる。光はすぐに収まり、ユーリは恐る恐る目を開けた。

「ほえ……ラブエル様、羽根が……!」

 いかなる奇跡が起きたのか、白鳥を思わせる純白であったラブエルの天使の羽根が、濃いピンクに染まっていたのだ。目を丸くするユーリへ、ラブエルが優しく微笑んだ。その笑みは、ユーリが目にしたことの無い、とろけるような感情のこもったものだった。

「……ユーリさん。あなたは、困った人ですね。恋の出来ない私に、真っすぐな気持ちをぶつけてくるのですから」

 ユーリの顔へ、ラブエルがそっと手を伸ばす。

「ラブエル様……あっ!」

 その手を取ろうとしたユーリが、声を上げた。ラブエルの手はうっすらと光り、指先から虚空へと消えてゆく。

「愛天使が、恋をすることは天界の禁忌なのです。だから私はもう、地上にはいられません。ユーリさん……」

 ラブエルの腕が、足が、光となって失われてゆく。

「そんな、ラブエル様っ!」

 消えゆく胸に取りすがるユーリへ、ラブエルが慈愛に満ちた笑顔を見せる。

「もしも、私を好きだと言ってくれるならば、共に天界へ……」

 ラブエルの身体が完全に光となり、天へと伸びる一本の柱となる。

「はい……」

 その柱へ、ユーリは足を踏み出した。

「ダメだ、ユーリ! 行くな!」

 ユーリの身体を、強い力が引いた。シアの小さな腕が、ユーリの身体を抱きかかえ、光の柱から引き離す。

「シア! お願い、行かせて!」

「馬鹿者! その柱の中へ行けば、お前は死んでしまうのだぞ!」

 シアの叫びに、ユーリははっとなって全身を硬直させる。シアに引かれるままに離れたユーリの前で、光の柱は細くなってゆき、やがて消えた。

 ぺたん、と力なく、ユーリはその場へと座り込む。風が、ユーリの頬を優しく撫でるように吹き抜ける。

「ユーリ……大丈夫か?」

 差し出されたシアの手を、ユーリは呆然としたまま取って立ち上がる。

「帰ろう、シア……」

 精気を失った声音で、ユーリが言った。

「ユーリ……」

 気遣わしげに名を呼ぶシアの声は、ユーリの胸の中を空しく通り過ぎていくばかりだった。


 夕刻になるまで、シアはユーリと手を繋いで歩いた。空虚な目をしたユーリには、どのような言葉をかけようとも返答は無い。ために、シアも無言になってただ歩いていた。やがて、キャラバンの馬車が見えてくる。

「ユーリ! 魔王様!」

 御者台から、シャイナが声をかけてきた。繋いだユーリの手が、ぴくりと動く。

「……ユーリ?」

 シアが声をかけても、反応は無い。馬車を停めて、御者台から飛び降りたシャイナが二人の前へと駆け寄ってくる。

「大丈夫だった、ユーリ?」

 ユーリの変わった様子が、判ったのだろう。シャイナが心配そうに、ユーリを見やる。そのとき、ユーリの手がシアの中からするりと抜けた。

「ほええええん!」

 ユーリがシャイナに飛びつき、抱きついた。よろけながらも受け止めたシャイナの胸の中で、ユーリが泣き声を上げる。

「一体、どうしたのよ、ユーリ?」

 問いかけながら、シャイナがユーリを抱き返し背中を優しく撫でる。その光景を見つめるシアの胸に、何かがちくりと刺さるような感覚があった。

「……事の仔細は、ユーリから聞け。余は、もう帰る」

 言って、シアは即座に転移の魔法を発動させた。街道の景色が移り変わり、瞬時に見慣れた自室が現れる。窓の外には暗雲が垂れ込め、稲光が窓際の植木鉢を照らし出す。

 重い息を吐いて、シアはベッドへ飛び込み横になった。ぽすん、と枕へ顔をうずめ、傍らに等身大ユーリ人形を置いて見つめる。

「……余は、どうして帰ってきてしまったのだろうか。あのような様子の、ユーリを置いて」

 ぽつり、と漏らした呟きに、答えを返す者は誰もいない。かすかに残る胸の痛みに顔をしかめ、やがてシアは眠りについた。


 青空の下を、連なった五台の馬車が進んでゆく。行く手には、小さな町が見えていた。

「今日も今日とて絶好調ー、今夜は酒場で飲み明かそー」

 幌の上でリュートを爪弾きながら、ユーリが陽気な歌声を上げる。

「酒場……あったかしら、あの町」

 御者台で、シャイナが首を傾げつつ相槌を打つ。

「無ければ、魔王城へと来れば良い。お前のために、いつでも宴を催す準備は出来ているぞ、ユーリ?」

「ほえ、やーだー」

 腰へと手を回し、くっついて来ようとするシアをユーリはすげなく払いのける。こうして、ユーリの旅は続いてゆくのであった。


 なお、地上で恋を知った愛天使は天界へ戻され、罰として永く幽閉されてしまうのであったがそれはユーリの、知らない遥か天上の話なのであった。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。

お楽しみいただければ、幸いです。

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