第3話・俺、強化合成用素材になりました!【絶望】
「んで、これからどうするんだ?行くあてもないし、なにをすればいいかも、わからんぞ。」
俺は、レビアに、問いかけた。
あたりは、広い草原しか見えないので、建物も一切見当たらないし、
どこも行くあてがない………。
「まず、あなたには、職業を決めてらうわよ!まず、魔法職、剣職どちらになりたい?」
と、レビアはなにか楽しそうに聞いてきた。
は?と、俺は言いたくなった。職が2つしかない笑。わらっちゃうね。
なんですか、オンラインゲームのβテストかこれは!!
「ちょっとまて、職が2個しかないって、お前さんなりの冗談だろ?」
「いや、本気なのだけど……。」
………………うん、なにこのクソゲー。
まぁ、ないものは仕方ない、どちらを選ぶかだ。
剣職は前線で戦って、周りからチヤホヤされるだろう。
ただ魔法職も、サポートに回れたりして注目されることは、間違いない。
俺の選択理由はただ一つ、
どちらがモテるかだ!
散々考えたあげく、剣職にした。
理由は簡単だ、以前読んだ、仮想世界に閉じ込められる物語で、周りの女子ヒロインからモテていた主人公が、剣士だったからだ。
「それじゃあ、剣職で頼む。」
「じゃあ、目をつぶっていてね。」
と、レビアは言った。これあれだろ、キスとかそういう展開を期待してもいいんじゃないのか?
俺は、目をつぶりながら、ないとは思うが、そんなことをどこかで期待して目をつぶっていた。
「もういいわよ。あなたは剣職よ!まあ剣士って言ったほうがカッコいいわね。」
「これでもう完了…?」
「そうよ、なにか問題でも?」
「いや、なんでもない。」
ちくしょう、やっぱそういうお約束展開は、アニメや、小説だけか。
期待しか俺がバカだったな。
ともあれ、これで戦闘はできるはずだ。
「なあ、レベルとか、スキルとか、この世界にはそういった概念はないのか?」
さきほどから気になっていたことだ。こういう世界には、必ずと言っていいほどレベルや、スキルなどが存在する。
レビアはまってました!というような顔で、答えた。
「よくぞ聞いてくれたわ!もちろん存在するわよ………」
レビアの話はこうであった。
レベルがあがると、ステータスもあがると。そして、スキルはすべて固有、自分のオリジナルってわけだ。
職は2つしかないが、幅広く言えば、職はほぼ無限にあるということだ。さらに、レベルが上限値を超えると、ジョブアップ、つまりさらに強くなれるということだ。
これはかなり面白そうではないか。固有スキルとかワクワクでしかない!
かと言って、固有スキルというものは、無敵のようなスキルを使えるわけではない。
レベルによって、覚えられるスキルの強さが違うらしい。まあ当たり前だろう。
「肝心のレベルとやらは、どこでみるんだ?」
いきなり、レベルMAXとかないだろうか……。
「見たい時は、私に言ってね、表示できるのは私だから。」
「なんだよそれ、とりあえずみせてくれ。」
「わかったわ。」
レビアが手を広げ、俺のほうに向けてきた。
すると文字が俺の目の前に浮かびあがってくる。
どれどれと、俺は目をキラキラさせながらステータスを見た。
…………。
絶句しかなかった。
レベルと書いてある所にLV1と書いてあった。ここまではいいのだが、その隣に(最大LV1)と書いてあった。さらにだ、職業と書いてあるところに、遊び人と記されていた。
「ん?なにこれ、聞いてないんだけど。」
「…………。」
レビアから返答が返ってこない。
「今度こそあれか!サプライズーみたいな落ちだろ?なあレビア、口あけたまんま固まらないでくれよ、冗談じゃないと思っちまうじゃねーか。」
「ごめん……私にもわからないわ……。」
「え、じゃあこれホントなの!?職2個しかないんじゃないの?てか最大LV1ってどこのゲームの強化合成用素材だよ!!」
「なあ、頼むから冗談って言ってくれよ!」
「冗談でも何でもないわ…私もこんなこと初めで…驚きよ…。」
と、レビアは深刻な顔で俺に言ってきた。先程のワクワク感もきえ、絶望しかなかった。
「なんなんだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!。」
Tobecontinued……。
「なあ、俺の出番って、1話の最初だけだったりする?」