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後退した世界-序章-  作者: Raye
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蘇る平安時代

処女作で下手くそな文章ですが、楽しんでいただけたら幸いです。

いつの時代だろうか。



力を求めるべく修行の旅に出ていた福井という青年がいた。


その旅の途中に謎に包まれた組織のメンバーの一人、マティーニに誘拐され、脱出するもその組織に目をつけられてしまい、命を狙われる身となった。


その後にマティーニ…本名柯槏の姉、十六夜と知り合い、共に行動し、協力し合うようになる。


だが彼らは一度別れ、深い霧の中、福井は例の組織と関係がある可能性が高い上に数多くの伝説が残されているという森に来ていた。


奥に進んで行くとかなり立派なお寺があった。そのお寺の名は瑠璃光寺という。


瑠璃光というので薬師如来様を祀っているお寺なのだが、【瑠璃】という名の弓の名手を裏で祀っているという。


その瑠璃が例の組織に関わっていて、組織の初期メンバー…そして弓の名手と言う時点で怪しい気はしたが、どうやら柯槏…マティーニの前世だと言うではないか。


「前世だという事は…当分昔に死んだのか」


福井はお寺全体を見回すと、山門を通り抜けた。


すると、いきなり肩が重くなるような感覚がする。


(まさか…!?)


なにかが取り憑いた可能性は否定できない。


それにどうも嫌な感じがしてたまらない。わざわざ霧が濃い日を選んだのは霧が降りると除霊しやすくなるためなのだが、少しずつ薄れていっている。


「お前、何者だ」


後ろから声がして、恐る恐る振り向いてみると、8歳くらいの幼女が立っていた。


だがその睨みは大人顔負けで、言葉もきつく、武道をやっているのか筋肉も普通の幼女より何倍も発達していた。


「人間がここに来るなんて、あの巫女以来だな」


また別の幼女が現れて、そう言う。するとそれを合図にしたかのように周りからどんどん幼女が現れてきた。そして福井を取り囲むと、皆一斉に福井を睨みつける。


……どうやら、歓迎はされていないようで。


でも福井は数秒後にその正体を暴くことができた。これもまだまだ浅いが、今までの修行で培ってきた目だろう。


「式神……」


福井がそう呟いたことにより、その幼女たちはみな目を見開き、驚いた。


「見破られた!?」


一人の幼女…いや、式神がそう言うと、皆がその式神に視線を合わせてアイコンタクトを取った。


どうやらその式神が指揮担当らしい。


そして皆で頷くと、式神達は跡形もないように消える。


するとかなり年老いた神主が出てきて、「どうぞこちらへ」と言いながら奥を指さした。


福井は神主の意図を悟ると、神主の案内のままに動いた。



神主に案内されて着いたのは、本殿だった。


そこには薬師如来像が堂々とそびえ立っている。


だが、神主がその像に呪文のように「オンコロコロセンダリマトウギソワカ」と唱え続ける。


これは薬師如来の真言で、人々の願いをたちどころに叶え、病気だけでなく、総ての人間生活を豊かにして円満にして現世に大きな功徳を施されよという意味だった。


それをちょうど二十回唱えると、地鳴りが聞こえ始めた。


その地鳴りは次第に強くなっていき、砂が上から降ってきてさらには揺れも感じ始めた。


福井は重心を安定させようとして肩幅に足を開いたが、その時に薬師如来像が横に移動し、さらには奥から隠し扉のようなものが出てきたのだ。


横を盗み見ると神主は慣れたようにしていたが、その表情はどこか硬かった。


完全に地鳴りと揺れが治まると、神主はその扉を開く。


その扉は年月が経っている上、かなり重いだろう。ギィーという音が本殿全体に響いた。


「こちらでございます」


神主の視線の先には、大量の水晶のさざれ石の上に一つ、綺麗に光り輝くラピスラズリが置いてあった。


かなり厳重に管理されてきたのか、この本殿自体老朽化がかなり進んでいるのにこのラピスラズリ周辺は綺麗なままだ。


福井はラピスラズリの近くに行くと、しばらく眺める。


そしてある事に気が付いた。


(ラピスラズリは英語でスペルは『lapis lazuli』…これを日本語に直訳すると、『瑠璃』…例の弓の名手は、この中に…!)


そう考えると、今までの厳重な警備とこのラピスラズリの周りだけが綺麗だということのつじつまが合う。


福井は全てを察すると、ふっと笑い懐から純粋な水晶玉を取り出す。


そしてそれを念力で粉々に砕くと、そのラピスラズリを埋めるようにしてさざれ石となった水晶玉をかけた。


神主はなぜ知っているのかと言わんばかりの表情。


すると本殿が眩い青い光に包まれる。


その時唯一見えたのは、女の人影が奥から歩いてきていたことだけだった。


そこ以外は全て光に包まれていたため周りを見渡していると、後ろから中性的な声がして福井は即座に振り向く。


「俺を呼び出したのは……神主ではなく、お前、なのか?」


その女は巫女服を着ていて、顔や見た目は普通に女だが性格はそこまで女っぽい訳ではなかった。……やはりはっきり言おう。男っぽい。


「ああ…

お初にお目にかかるな。俺は福井だ…」


福井は少し緊張したような声で名乗る。


瑠璃…そいつは過去の人のはずだった。


だが、体が透けている訳でも声が聞こえない訳でもなく、その逆で圧倒的な存在感を放っている。


それは今までの修行で人間の威圧すらもろともしなくなった福井が圧倒される程。


「お前が福井か…噂は式神たちから聞いていた。


奴らを見破ったそうだな?」


瑠璃はクククと楽しそうに笑う。


「……ああ」


そう返事はするが、福井からしたら瑠璃は敵なのか味方なのか分からないため厄介な存在だ。


「そんなに敵対視するなよ。お前に危害を加えるつもりは無いんだ……」


口ではそう言うが、それとは反対に弓矢を構え始める。


目付きもどんどんきつくなっていく。


福井は何歩か後ずさりすると、疑念の目で瑠璃を見た。


するとそのまま福井や神主を置いて入口に向かっていく。


(全く…行動が読めない奴だな…)


そう思いながらも福井達は瑠璃を追いかける。


すると目の前には物怪……メデューサがいた。


だが現に心臓部分を矢で一突きされ、動きもしない。


そんなメデューサの目の前には弓矢を構えたままの瑠璃がいる。


メデューサは髪一つ一つが毒蛇で、見たものを石にする能力がある。


だがこの状況から読むとメデューサが石にするよりも早くに矢を撃ったということになるだろう。


瑠璃の実力は本物らしい。


福井がそう思った時にちょうど瑠璃がこちらを振り返って、


「悪いな、驚かせてしまった。


改めて自己紹介しておこう。知っているとは思うが俺は瑠璃…平安時代の巫女さ」


平安時代…今は安城時代であって、それはもう何千年も前だ。


平成時代は大体八百年前で、その二百年後に何千年ぶりの物怪が現れた。そんなことを予想していなかった人類は建物を壊され、沢山の人々を失い、物怪が起こす揺れで津波が起こって瓦礫や人を飲み込んでいく。最終的には復興しても町並みも科学技術も平安時代のように戻ってしまった。


平成時代には沢山並んでいたビル等の建物も全て無くなり、当時の教科書で見たような平安時代そのままの街が広がっている。


結果『東京』や『大阪』などの地名はすべて無くなり、廃藩置県で無くなったはずの『江戸』や『浪速』という名前がまた使われていた。


要するに、時代はかなりのスピードで後退している…


他の国はもう日本は救いようがないと思ったのか、和親条約や通商条約などの日本と結んでいた条約を全て廃棄し、日本との繋がりを捨てた。


今となれば「技術の日本」という称号は夢のように消えたと言ってもいいだろう……


福井は昔学習した歴史を思い出すと、悲しそうに笑った。


(太平洋戦争の……悲しい現実も、こいつはその目で、全て見たのか…)


無意識に福井は下を向く。


だがそんな時に、神主が慌てた様子で瑠璃に話しかけた。


「瑠璃様、平安京が物怪に襲われたそうです…… 」


すると瑠璃も慌てる。平安京に何か思い入れがあるのだろうか…


「なにっ!?平安京……【ヤツ】がいる!


ここは浪速…すぐ近くだ!馬で向かおう!」


瑠璃がそう言うと時代が後退したせいで車なんてものはないため、神主は笛らしきもので馬を呼ぶ。


すると馬が三体、神主の前に集まった。


「福井、悪いが話は後だ…


平安京には大切な人がいる。大丈夫だろうが一応向かいたいんだ。お前も来てくれ」


さっきまでの焦りはどこへ行ったのか、冷静になった瑠璃は福井にそう言う。


「ああ」


福井が快く了承すると、皆馬に乗り、平安京に向かった。


……平安京


平安京に着いてまず見えたのは、燃え盛る炎だった。


炎を出す物怪なんて、珍しいものだ。今まで見つけてきたものとは違う、異種だという可能性がある。


だがそれだとかなり厄介になるのは分かりきっていたため、異種ではないことを願いながら福井たちは馬を走らせる。




【ただいま執筆中です!もうしばらくお待ちください!】

楽しんでいただけたでしょうか?現在執筆中ですので、もうしばしお待ちください。

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