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第六話 平穏が遠のいてゆく…

あの壮絶な一日が終わり、今日は月曜日。

当然ながら仕事で姉さんはいない。

即ち、今日は平和!

だから、ごろごろ…………出来ないよねー。

食料調達も出来なかったし、それくらいは行かないとね!

昨日はコンビニ弁当でした…。

あ、あとバイトあるんだった。

認識どうなってるのかな…?

それも行ってから考えよう。

昨日買わされた服を適当に着て玄関に向かう。


今回の服装、薄手のスーツ風。

楽なんです、精神的に!!


今日は晴れですかぁ、気分が良いですねー。

そう思いつつバイト先に向かう。


「おい、あれ昨日の女じゃねぇか?」


「それっぽいな…若様に連絡だ!」


…………聞かなかったことにしよう。

とにかく、バイト先に到着した。


俺のバイト先は近所にあるパソコン・パーツのお店だ。

俺自信パソコンに興味があったのと、これを期にそれらしい専門知識等を手に入れられたらいいな…という思考で入ったのだ。

店長も気さくかつ出来る人で手が空くと俺や他のバイト店員を見てまわってくれている。

店長の名前は田崎(たさき) 彰宏(あきひろ)。27歳独身。24歳の時にこの店を開いてからはこの不景気溢れる世の中で結構な黒字を出している程の凄腕店長。現在の悩みは筋肉を多めにするかしないか。

その人のおかげか、俺のようなコミュニケーション力が不足している人でもやっていけていた。


女性になってからの初バイトなので、どういう風な扱いになるのか正直怖いです。

ミサが言ってた記憶の改ざんの具合というのも気になる。

ええい、気にしてもしょうがない、思いきろう。

開店前の扉に手を掛け開ける…


「おはようございまーす」


「おぅ、おはよ………?」


今返してくれたのが店長さん。

ちょっと変な顔している。


「初瀬、お前さんそんな顔だったかな? なんか違う気もするし前からそうだった気もするんだよねー」


「ははは…前からでしたよー」


とりあえず、微笑んでおく。

ふむ、俺から関係が遠くなればなるほど記憶の改ざんはテキトーになるのか…。

まあ、バイトする分には問題ないだろう。

奥に行き(女性用)、制服(女性用)を着る。

ちゃんと女性として配慮はしてあるみたいだな。

ミサちゃんってかなり真面目キャラ?


このまま普通にバイトが終われば良かったと思いました。

何が言いたいかって?

平穏が崩れ去ったのですよ……。

それは13時頃に始まった。

家の店に黒服の集団が入ってくる。

…はい昨日のですねー♪(泣)

昨日会った黒服(中ボス)さんがこちらを一瞥すると


「若様、昨日の女…確認しやしたぜ!」


「ああ、分かった…。今朝連絡した2人には感謝せんとな…頼むぞ?」


「ハッ…」


黒服達の開けた道を一人の男性が通ってくる。

身長は185かな?

細身でも重心はがっしりしてそうな体。

スーツをだらしなく着崩している。

髪は銀色の無造作ヘア。

瞳は空色で、眼力が凄い…。

年齢は20代前半くらい?

西洋のイケメンですね。

ケッ…野郎にゃ興味ねえよ。


「いらっいませ♪」


「おぅ、お前さん時間あるか?」


「すみません、無いですねー」


「どうにかならんか?俺はお前さんに今すぐ話したい用事があるんだわ…」


うーん、視線に関しては姉さんに鍛えられてるから大丈夫だけど、良くないねぇ…。

でも、このままだと店の儲けがどんどん減ってしまう…。


「労働力を私一人分置いてくれるなら今日一日割きましょう」


「はははっ…俺に凄まずにそこまで言うなんてなぁ…」


そのイケメンは豪快に笑う。


「分かった、一人無口なのを置いていこう」


その後店長の方を向き。


「時間割いて悪かったな。あの赤いノーパソ…売ってくれ。メモリは6ギガでグラボ良いの積んどけや、俺はネトゲが好きなんでね」


「ありがとうございます、細かいことは置いていく店員に聞けば良いですね?」


「ああ、そうしてくれや」


俺は奥に行き迅速に私服に着替えて荷物をまとめる。

イケメンのところに向かうと車に乗れやと言われた。

うわぁ、トヨタのなんだったかな…センチュリー?

ご丁寧にヤクザ用に違法にスモーク付けてるし。

その車にイケメンに続いて乗り込む。

正直、罠かなと思いつつなるべく平静を保つ。

結構すわり心地いいな…。


「いきなり呼んじまって悪かったな、普通は一般人を巻き込むことはしないよう務めているのだが」


「…昨日の件ですね?」


「ああ、そういう事だ。俺の力でも抑えられなくてよ…」


あ、少し悔しそう。

彼としては一言言うだけで噂が出ないくらいに出来るようにしたいのだろう…完璧主義者なのかな?


「私の名前は初瀬 美香です。名乗ってた方がいいでしょう?」


「はははっ…、気が利くな。俺の名前は嵩月(たかつき) 拓斗(たくと)だ」


拓斗が手を差し出してきたので握手をする。

意外と友好的だ。

見た目西洋顔なのに日本風の名前だ…ハーフかな?

そう思考にふけっていると拓斗が声をかける。


「すまないが、これから長くなるぞ」


「ははは…手早く済ませたいですね、姉さんが心配します」


それっきり拓斗はじゃべらなくなった。

これからどうなるんだろう…。



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