第五話 平和に過ごせませんでした…
どうも、初瀬 美香です。
現在外出用に姉さんに服を用意してもらっている。
なぜかって?
ジャージとかを着るのを姉さんが全力で拒否。
その後、彼女からの交渉(睨みつける)に負けたため渋々待っているところだ。
我ながら情けないとは思っているのだか、子供の頃からあの恐怖を植え付けられている身としてはどうしても逆らえない。
しかたないので、覚悟して待っている。
あー、外出たくなくなってきた…。
そう弱音を吐いていると辛い現実は高速でやってくる。
「美香ー、帰ってきたよー♪着替えちゃってー」
超ハイテンションだ!?
姉さんはにこやかにとある布をを取り出す。
そう、下着だ!
「下着とかのサイズは最初に触った時に把握したけど、私に近かったわね。とりあえず、私のを着ておきなさい」
あの時…測ってたんだ…。
精神が崩壊しそうになりつつ渋々パンツをはいていると、いつの間にか姉さん後ろに回りこんでいた。
俺の胸がガシッと掴まれる。
「ブラは私がつけてあげるわ♪」
「ちょ…姉さん!? 強引すぎ…んんっ、ひゃっ//」
「何その反応!?可愛すぎるわ」
触り方、なんか上手くない!?
変な吐息漏れてきたかも…。
そうしてブラをつけ終わると
次は服である。
下はジーンズのようなパンツ、上は七分袖の薄手のチュニックシャツ。
着てみると意外とゆったりしていて心地よい。
姉さんも満足そうだ。
「靴は私のスニーカーで勘弁してあげる。さあ、行くわよ!」
俺が財布を持つと俺の腕を掴んで連れて行こうとする。
ああっ、鍵閉めさせてー!!
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現在15時。
俺と姉さんは隣町のショッピングモールにいます。
着いてから昼食を取った後、服やら靴を買わされました。
一応姉さんも資金は援助してくれていたのだけど、半年分の俺のバイト代が吹き飛びましたよ……泣いてなんかないんだからね?
可愛い子に可愛い服を着させるのは男としての責務だと思うんだ。
そう思いたい!!
え、下着を選ぶシーン?
さっき姉さんに弄られた部分で十分でしょ?
……ご想像にお任せします。
それよりも気になることがあるんだ。
「姉さん、さっきから周りの視線がきついんだ」
「あら、今更? あなた可愛いんだから見られて当然でしょ!」
姉さんも居るから更に酷くなってる気がする。
ナンパとかきたら嫌だなー。
「やっぱり男口調が気に入らないわ、女々しくしなさい。ネカマでしょ?」
なんで姉さんまで知ってるの!?
今まで誰にも言ってないのに…。
そう思いつつ命令を無視してると、また素晴らしい交渉(睨む)をされちゃいました。
分かりましたわ、お姉さま♪(泣)
調子にのって前も見ずに走ったのが運の尽きでした。
前から歩いてくる人にぶつかってしまう。
尻もちついちゃったよ、痛い…。
あ、ぶつかった相手は大丈夫かな?
「いたた、大丈夫で「若様ーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」」
うわっ、凄い大声!?
それに続いて黒服の集団が駆けつけてきた。
その中の中ボス的な人に睨まれて、
「おいそこの女ぁ、嵩月組の若様なにしてくれやがる!!」
うわああああああっ、ヤクザと遭遇しちゃったよ!?
気づけば黒服の集団に囲まれてる。
ヤバイ、死ぬんじゃね?
視線は慣れてるけど死戦は駄目だ!
今までに体験したことがない事態の筈なのに、姉さんは動じてない。
その肝っ玉、分けてくれませんか?
「こっち来てもらおうかぁ!」
「…姉さん、どうしましょう?」
「あなたにはどうにかする力…あるでしょ?」
…!!
そういえば、持ってたわ…あの力(重力制御)。
そうと決まれば、黒服たちの重力を強くするイメージをする。
そして魔力を流し込むっ!!
悪魔化は…してないね。好都合!
俺は右手を前に出して、魔力を流す。
「すみませんが、寝て下さい!」
通常の二倍の重力をかける。
いきなりの重量増加に倒れていく黒服達(ついでにぶつかった若様?)。
俺の力が解ける前に逃げないと!
「姉さん、逃げるよ!」
「いやー、凄かったわ!」
それどころじゃないって…。
ああっ、初日からついてない。
ぶつかった人大丈夫かな、結局見ることすら出来なかったなぁ。
服って結構重かったけど、重力制御つけると軽いね♪
こうして初の外出は終わったのでした。
前回の投稿前に書いたのでまだ、読みにくそうです。
イメージ湧いてきてるので頑張ろうかと思います。