第四十四話 泳ぐ!
天音が奮闘の中、カリーナ戦が始まった。余裕そうな顔のカリーナと不敵に笑うメフィスト…。
「そろそろ始めてもいいわよぉ?」
「余裕たっぷりだね…」
魔王を前にしても余裕を崩さないカリーナに軽く嘆息したメフィストだったが、それだけの何かがあることを考えて身構える。
最初に動いたのはメフィストだった。カリーナの周囲とメフィストの目の前に陣を展開した。間髪入れずに、目の前に展開した陣にビームを放つ。すると、カリーナの立っている横の陣からビームが出てきた。
カリーナはそれを余裕そうな顔を崩さずに躱す。
「これで終わってくれると楽だったんだけど、そうはいかないよね」
「あらあら、私をそこら辺の雑魚と一緒にされてはこまるわぁ」
メフィストの言葉に返す目は笑っていなかった。気づくとカリーナの姿はスキュラに変わっていた。
「これは驚きです。かの有名なスキュラと手合わせ願えるとは…!」
「ふふふっ、余裕たっぷりですのね? じゃあ、こちらからいくわねぇ!」
楽しそうな笑みになると同時にカリーナの腰回りに陣が6つ展開された。その瞬間、メフィストの前に狼の顔が現れた。躱して狼を観察すると、陣から顔を出していたらしい。カリーナ腰回りの狼を届かせる為に会得したのだうか。
「まだまだいきますわぁ!!」
その言葉とともにメフィストに狼の連撃が繰り出される。何とか躱しつつ、魔獣を召喚して放つもカリーナはそれを紙を裂くように狼で八つ裂きにしていく。巨大な魔獣を召喚しようにも、カリーナの連撃がそうはさせない。メフィストは召喚を諦めて、法撃での攻撃に変えた。出現させた陣に法撃を通し、予期せぬ角度から当てようとしたのだ。しかし、それも躱される。
それどころか…
「あらあら、こんな所にちょうどいいものが♪」
そう言ってカリーナは法撃が放たれた陣をくぐって目の前に現れた。
「なっ!?」
「捕まえたぁ」
唖然としている中で体を掴まれる。必死に逃げようと体をひねって見るも、カリーナの力が強すぎて抜け出せない。
「私が陣を泳げることを知らなかったことが敗因ねぇ」
「完敗だよ…」
「ふふふっ」
カリーナの体は美しかった。逃げられないと悟ったメフィストはふと、そう思ってしまった。そのすぐ後に視界は狼の群れだけになる。体中に痛みが走り、肺から空気が抜けきる。骨も幾つか折れたかもしれない。そして頭に酸素が回らなくなり………意識が飛んだ。
だらりと垂れ下がったメフィストを見てカリーナは狼を止めた。
カリーナが勝ったのだ。
「魔王っていうのは思いの外弱いのねぇ。少し意表を突くとやられちゃうなんてぇ…」
残念そうにボロボロのメフィストを放り投げる。メフィストには食いちぎられた痕が何故かなかった。
カリーナVSメフィスト……………カリーナの圧勝
今回はちょっと短めかな?
カリーナには余裕な戦闘が似合うと思いました。
あと、誤字を幾つか修正しました。あれがまだあるのかと思うと…。
頑張ります!




