第三話 天使からの説明編
瞳の色って、悪魔っ娘化すると黒から赤になるんですね…。
身体的変化も終わったようなので、ついに本題に入れるわけです。
「どうしてその姿にしたか話すね」
ミサの表情が真面目になる。
今度こそ大丈夫だよね?
「あなたは魔族とかファンタジーものって信じてる?」
「まあ、あったらいいなーくらいには信じてますけど…」
しかし、今起きている現状からはそういう生活が待っていることは期待せざるをえない。
だって魔法だよ?ファンタジーだよ?…期待しちゃうでしょ?
「あなたは知らないでしょうけど、昔からそういう魔族とか妖怪の類は存在してたの」
ここにきて意外な真実発覚!居たなら交流したいなー…
「でも、文明が進歩するにつれてその数は減少していってね…」
そういうのってファンタジーものとかでよく聞くよね。
実際にあったって聞くと驚きが隠せない。
「そして半年前になるのかな?…あなたが今なっている魔族の種が完全に消えちゃったのよ」
「……それで私ですか」
「そう、あなたにはその種を長く持たせて欲しいの」
なるほど、それで人を魔族化させることを選んだってことか。
でも、気になることがある……どうして俺が選ばれたってことだ。
「どうして俺が?みたいな顔をしてるわね」
「いや、だってそうでしょう?俺はいたって普通の一般人。しかも、就職戦線も負けちゃうような人なんですよ?」
言ってて、涙出てきた…。
だがミサは嬉しそうに…
「それだから選んだの!」
???…意味がわからない。
ぽけっとした顔の俺を見たせいなのかミカは呆れたような表情になり話を続ける。
「魔族ってあなたの世界では見たことも聞いたこともないでしょ?」
「…うん」
「いきなり”魔族出ました”って公表してみなさいよ?ろくな生活がおくれないわ」
……確かにそうだ。
存在としてはUMA扱いになるよね。そうなると捕まって解析されたり、最悪の場合解剖されたりするかもしれない。
「そこであなたって事!あなたは社交性少ないし根暗でしょ?しかも、純情そうな童貞君だ!」
ぐふぅ…。俺のライフポイントはゼロだよ…
「そんなに大逸れたこともしたくないあなただからこそなの」
ミサは自信満々に言ってくる。
もう勘弁して下さい…
「理解した?」
ミサはニコニコ笑っている。ちくしょう、可愛い。怒れないじゃないか…。
「はい、もういいです…悪魔っ娘として過ごしてやりますよぅ…ハハハッ」
それを聞くとミサはホッとしたようにこう言った。
「良かった、もう戻せないから拒否されたらどうしようかと…」
!?
拒否権なしだったの!?
「次に、その体の仕様と能力について言うねー」
うあああっ…置いて行きやがった!?
「今のあなたの体は魔族になった事で魔力を感じることが出来るようになったわ」
ふむ、悪魔っ娘化してから感じていた周りにふよふよする感覚がおそらくそうであろう。
「魔族はそれを使うことによって、人知を超える力を使ってきたの。とりあえず、あなたの姿を人間の状態にするところから始めるね」
戻せるんだ…。
それが出来なかったら目立つよね…。
「今魔族の状態が、体から魔力を少しづつ発散させている状態。それを体の中心に閉じ込めるようにしてみて」
そう言われて、従ってみる。
ふよふよする感じを押し込める……。
体が強く光りだしてきた。
それが収まると、元の姿に!……なるわけでもなく悪魔化するまえの美少女に戻りました。
ですよね、俺も両性類とか遠慮したいし。
「うん成功ね、悪魔化する時は魔力を体に纏うイメージでね」
それに従うと、また悪魔っ娘になる。
ちょっと癖になりそうな感覚…。
こうトロッとしてふわっとする感覚かな?
「よし、これでひと目に魔族はなるべく晒さずに済みそうね。次はあなたの能力についてね」
気になるワード頂きました!
どんな能力がくるのでしょうか!
「なんと重力制御です!凄いでしょう?」
おお!結構カッコイイのきましたねー。
使ったら目立ちそうだけど…
「女性だからねー、襲われても大丈夫なようにと上からの配慮よ?」
「使い方はどうすればいいんですか?」
少し興奮気味になってしまいました。
絶対に使いこなしてみせます!!
「特に難しいことは無くてイメージして、魔力を流せば重力関係ならいじれちゃうから」
「結構かんたんなんですねー」
「そうでしょ?」
…少し拍子抜けしちゃいましたが、ありがたいです。
便利に使わせていただきましょうか♪
「あとは普通の女の子だから。違うっていったら生まれてくる子がきっちり魔族になってることぐらいね。ああ、親の顔にはちゃんと似るから安心して」
そうですか、はははっ…。
正直情報が多すぎて頭がパンク寸前だよ…。
そうして頭を悩ませてるとミサは俺に一枚の紙を突きつけた。
「最後にあなたが人間として過ごせるように配慮しておいたわ」
紙を見てみると、住民票でした。なになに…初瀬家家族一覧…
それには俺の名前”初瀬 大輔”ではなく”初瀬 美香”になっている。
「住民票は変えといたから、あと記憶も都合がいいように変えておいたわ、お姉さん以外」
「どうして姉さん以外!?」
「便利じゃない?女の子の事いろいろ教えてくれるフォロー欲しいでしょ?」
そう言うとミサは席を立つ。
「そろそろ帰るから頑張ってねー」
「ああっ、ちょっ…」
そうしている間にミサは粒子になって消えてしまった。
俺の魔物っ娘ライフが今、始まったのでした。
今回は文字数が多く、設定を付ける回なので少々読みにくくなってるかもです
お姉さんが次回に現れます。




