第二十三話 隷属
どうも、美香です。
簡単なお仕事な筈がとんだ事態に陥ってしまいました。
神父を始末し、終わろうかとしていた時に事が起きました。
騙されていた天使さんに事実を見せたのはいいけど……堕天しちゃいました。
彼女は髪を血のような赫に染め、漆黒の翼を広げて笑っていた。
「えっと、シャーリーさん?」
「くふふっ…」
アメジストのような瞳をギロリと私に向けて嬉しそうにする。
「私、今凄く気分が良いの! 何か重いものが吹き飛んだような、そんな感じが!!」
黒ずんだ槍を私に構えて言った。
「あなたなら私を心地よくさせてくれる。そんな気がするわぁ!!」
一気に突進してくる。
堕天するよりかは迷いがなく怖い一閃。
「くっ……」
ありったけの反応速度で避ける。
マントの端っこが破れていた。
手加減してると刺されそう…。
そうして考えている間にも彼女は…シャーリーは迫る。
今度は跳んで躱すが…………後ろに引っ張られて壁に背中から激突する。
「ぐっ……」
「くふふっ…まだまだ始まったばかりだよ?」
足を見ると黒い鎖が絡みついていた。
武器を変化させる力があるんだった!
こんどは私が鎖を引き寄せる。
シャーリーは抵抗せずに寄ってくる。
「せいっ…!!」
私がお腹めがけて拳を繰り出す。
しかし、シャーリーは躱さない。
ドゴン…
綺麗に当たった。
シャーリーの口元から血が溢れるが笑っている。
「くふっ、やっぱりいい一撃…受けた甲斐があるわ」
「死ぬ気なの!?」
今度は鎖をナイフに変化させて切り込んでくる。
切っ先を指で受け止めて蹴り返す。
傍から見ると有利に立っているようだが、不気味なくらい元気そうだ。
「私はもう、居場所がない。堕天もしてしまったわ…だからここで死ぬの!」
私の拳を受け止めると周りにかなりの量のナイフを出現させる。
!?
避けきれない!?
「あなたなら殺してくれると思ったのに…」
寂しそうな顔をして呟いた。
それと同時にナイフが美香めがけて殺到する。
カチリ…
しかし、刺さらなかった。
「なにを!?」
動揺を隠せないシャーリーうを無視して、頭を切り替える。
さっきまであった傷は既に癒えた。
「さっきから好き勝手言っておいて、ただで済むとは思ってないでしょうね?」
メディの件でイライラしてたのに加えてシャーリーの行動で爆発した。
背中に生えた翼を広げ、魔力を爆散させる。
シャーリーの体が微かに震えるのがわかった。
「とりあえず、止まりなさい!」
手をかざしてシャーリーの体を壁に張りつかせる。
近くに寄り、顔をじっくりと眺める。
「まったく、この姿を晒したくなかったのに…」
赤い瞳をシャーリーに向け、彼女の腹部を殴り始める。
一発一発が魔力を込めているために、当たる度にシャーリーの口から血が溢れる。
泣き叫んでも止めずに寧ろ笑っている姿は悪魔そのものでした。
5分経っただろうか、シャーリーは動かなくなった。
自棄の暴走した感情は収まり恐怖が勝ち始めたのだ。
「居場所がないって、簡単に言うんじゃないわよ!?」
更に一発入れる。
目が虚空を見つめるシャーリーの顎を掴んで目を見る。
「居場所なら私が与えるわ。嫌なら死になさい…」
「……居場所、くれ…るの?」
「ええ、下僕になるならね?」
「…なります」
そう答えたシャーリーの顔は嬉しそうだった。
その時、美香の体が赤く光ったが気づいた人は居なかった。
どうにかまとめないと(汗)




