第十話 あの日、ですか…
頭首決定戦で決着が着きました。
怪我を負っているにも関わらず、圧勝してしまったのが大きな要因となったようだった。
拓津さんの方は洗脳されていたが記憶は残っているようで、元はかなりの善人の彼としては快く譲りたいとのこと。
天音さんとの出会いは町中で偶然見かけた拓津さんが一目惚れして告白してきたところをやられたみたい。
あれ以来拓津さんは結構トラウマになったらしい。…立ち直れるといいね。
天音は意識は取り戻したようだけど、当分は療養するようだ。
…今度様子でも見に行こうかな?
頭首の様子はというと今回の騒動を楽しんで見ていたと聞いている。
あんまり説得力無い気がするけどねっ!
あの大笑いの後、新頭首への任命式を行うことになりました。
私は悪魔っ娘のまま(私服が燃えたので)参加。
さっきの一戦の影響か、ニコニコしていると周りの黒服達がかなり怯えていました。
任命式が終わると頭首から
「拓斗をよろしく頼む…」
と言われたので
とりあえず、ニコッと笑みを浮かべると凄く満足そうにしてました。
あと、俺の扱いについてだが…基本的に好きにしていいそうだ。
少しずつ慣らしていく方がいいだろ?という拓斗のはからいと聞く。
そのはからいを十分に堪能させてもらいましょうか。
それから服を用意してもらい家に帰ってベッドに潜りこみ、今に至るわけです。
もちろん人間になってるよ!?
というのが昨日の話の続き…。
もっと話すべきなのだろうが今の俺にはそんな余裕これっぽっちもない!!
それは何故か?
俺のベッドのシーツが真っ赤だからだ!!!
今まで男として生きてきた中で体験したことのない状態に頭の中は真っ白。
…なんかお腹いたいし。
と、とにかく姉さんに報告だ!
電話をかけるとすぐに姉さんがやってきて優しく対応してくれた。
俺はいつの間にか着替えさせられ、シーツは洗われている。
姉さんはひと通り済ませると。
「やっときたわね……生理が!!」
拳をつくって喜んでいる。
「以前の説明から来るとわかっていたけど、美香!これであなたは子供を産めるっていうことが証明されたわ」
そいう言うと、机にドサッと生理用品を並べる。
「こ、これって…」
「そう、生理用品!今から使い方を教えてあげるから覚悟しなさい」
そういった後、思い出したように
「美香、あなた心のなかでまだ俺なんて一人称を使っているんじゃないでしょうね?」
!?
何でわかる!?
エスパーか!?
「その様子だとまだ使っているみたいね……そこも教えないとねー」
寄ってくる姉さんに俺はただ怯えるしかなかった。
今回は嵩月組騒動の締めの回にしようかと思いかなり短めです。
昨日投稿してから朝見ると評価が跳ね上がってて驚きました。
これを原動力に頑張りたいと思います!




