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No.03:コーヒーブレイク

一仕事終えた後のコーヒーは格別だ。

それがたとえ缶コーヒーでもね。

 私はコーヒー好きである。だいたい一日に四杯は飲んでいると思う。

 しかし、私は「違いのわからない男」だ。

 我が家の平日の朝食はほとんどパン食だ。

 大抵の場合、目玉焼きの乗ったパンを食べつつブラックコーヒーを一杯飲む。

 コーヒーはレギュラーコーヒーをコーヒーメーカーで抽出する。

 コーヒー好きなのだがコーヒーの種類にあまりこだわりはない。

 コーヒーならインスタントコーヒーでも構わない。

 飲んでいるレギュラーコーヒーは某スーパーで298円で売っているものだし、コーヒーメーカーも同じスーパーで970円で購入したものを使っている。

 そんな低コストでインスタントコーヒーでは味わえないちょっとした本格さを味わっている。

 970円のコーヒーメーカーは、私にとってはこれまで購入した品物の中で一番コストパフォーマンスに長けている商品だと思う。


 コーヒーメーカーを使って淹れたコーヒーは、ステンレスボトルに入れて会社に持って行く。

 会社に出社して自分の席に着くと、ステンレスボトルに入ったコーヒーをステンレスボトルのキャップに注ぎ、ちびちびと飲みながら始業時間までの束の間の時間を過ごす。

 仕事中もタイミングを見計らってステンレスボトルに入ったコーヒーをちびちび飲む。

ステンレスボトルに入ったコーヒーは大体午前中で飲みきってしまう。

 そうなると午後は会社に買い置きしてあるインスタントコーヒーの出番だ。

 インスタントコーヒーの入った瓶から目分量でマグカップにコーヒーの粉を入れて、ウォーターサーバーのお湯でコーヒーの粉を溶かす。

 冒頭で自分の事を「違いのわからない男」と称したが、レギュラーコーヒーとインスタントコーヒーでは豆自体が違うので「違いのわからない男」でも味の違いはわかる。

 「今日もコーヒー飲み過ぎかな?」と思いつつもついつい飲んでしまう毎日を送っている。


 しかし、以前勤めていた会社で忙しかった頃の缶コーヒーの摂取量は半端ではなかった。

 緊張感を保つために朝から晩まで缶コーヒーを飲み続けていた。

 三度の食事を抜いても、缶コーヒー、タバコ、チョコレートで空腹を満たし緊張感を保つ日々を送っていた。

 あの頃に比べたら今飲んでいるブラックコーヒーは心が休まる一服の清涼剤だ。


 昨年、旧友と久しぶりの再会を果たし一緒に酒を飲んだ。

 旧友は将来カフェを開きたいという夢を持っている。

 私はその夢に賛同し、夢の実現に協力する事を約束した。

 十年後か二十年後、旧友の経営するカフェの片隅で旧友の淹れたコーヒーを飲みながら小説の原稿を執筆する私の姿を想像している。

 多分その頃も私は「違いのわからない男」のままなのだろう。


 今回はこのへんで。

 それではまた。

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