7/19
文化祭
文化祭前日。最終チェックのために俺と紗蔵は残っていた。
分担して見回ると紗蔵が珍しく困った表情をしていた。
「なんかあったのか?」
「いや…大丈夫だ。」
お前には関係ないとばかりに一人で再び中に入って行くと凄まじい音がした。
「おい、大丈夫か!?」
「申し訳ない。助けてくれ。」
彼女は机に埋もれていた。急いで助け出す。
「怪我は?」
「大丈夫だ。」
彼女の細い腕には机に当たった後があったが、幸いそれ以外は大丈夫そうであった。思い立って鞄を探る。
「手、出して。」
「?」
「ほら。」
部活で怪我した時に使えるように湿布を携帯していたのだ。
「あ…ありがとう。」
ほんのり笑顔を浮かべて恥ずかしそうに言った。
その顔が本当に可愛かった。
もっと見たい。近くで…俺に他の顔をもっと見せてくれ。
恋の始まりだった。




