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080 ある冬の一日

 うぅ、寒いと思ったら…。

 窓の外を見ると、辺り一面が銀世界です。

 年が明けてからは雪が降っていなかったのですが、月も半ばになって久しぶりに降ったようです。

 12月に雪が降った時には珍しさもあって喜びましたが、それがしばらく続けば嬉しさも無くなります。

 むしろ、生活にはかなり邪魔でした。

 だって少しならまだしも、融ける前に次が降って積もっていくのですから、多い時には1m以上もの雪が積もっているんですよ?

 お陰で家を出るにも雪掻きをしないといけませんし、冷えた朝には水道も凍ってしまいます。

 それが何日も続けば、そりゃ嬉しさよりも大変さの方が上回りますよ…。

 幸い、今日はまだ数cm程度しか積もってはいませんが、予想通り、水道は凍っていました。

 わたしは魔術が使えるからまだいいですが、他の人達はどうしているんでしょうね?

 そういえば、日本の寒い地方では水道が凍らないように少しだけ水を出しっぱなしにしているとか聞いたことがあります。

 もっと寒い地方では、水道管の方に凍らない工夫がしてあるのだとか。

 わたしも今夜から少しだけ出しっぱなしにしてみましょうか?

 とりあえず、まずは部屋の寒さを何とかしないといけません。きっと温度計があれば、室温も氷点下を指していることでしょう。

 わたしは魔具ストーブを作動させ、リビングの暖炉に火を付けました。

 あ、魔具ストーブは寒くなり始めたころに、冷凍庫を買った魔具屋さんに作って貰ったものです。半月ほどかけて完成したのですが、動力をかなり使うのでまだまだ改良の余地ありです。

 ですが、すぐに稼働して暖め始めることができるのは魅力的です。ストーブと言っていますが、ファンヒーターのようなものでしょうか?

 今は暖炉の火が大きくなるまでの繋ぎで使っていますが、もう少し燃費が良くなればこれがメインでもよくなるでしょう。持ち運びが容易なのも魅力的です。暖炉の無い部屋でも使えますしね。

 今度は魔具炬燵も提案してみましょうか?

 早速エルが魔具ストーブの前で丸くなっています。

 そしてわたしも、部屋が暖まるまでエルを抱いて魔具ストーブで暖まります。

「もふもふ~」

「に~」

 エルの毛並みに顔をうずめ、その温もりを堪能します。

 なんだかエルが嫌がっている気がしますが、そこはスルーしておきましょう。

 飼い猫にはもふもふされて肉球をぷにぷにされて、猫パンチで飼い主を和ませるというお仕事があるのです!このためにどんな我儘も許され、ご飯を食べさせて貰えると言っても過言ではありません!つまり、今のエルはお仕事中なのです!ただ、やり過ぎるとお仕事を放棄するので注意が必要です。

 ある程度エルを堪能したところで、部屋も暖まってきました。

 そこでようやく、朝食の準備を始めます。

 ちなみに、こんな雪の日は早朝のランニングなどはお休みです。無理に運動をして、滑って怪我でもしたら目も当てられませんしね。

 冒険者の方も同じような理由でお休みです。雪や雨の日は基本、ゆったりと過ごします。


 朝食が終われば掃除に洗濯、やることは沢山あります。

 まずは洗濯を済ませてしまいましょう。

 冬の洗濯は辛いです。氷のように冷たい水でじゃぶじゃぶと…。

 ……まあ、わたしは魔具を使ってお湯にしていますけどね!ぬるま湯の方が汚れも落ちやすいですし。

 洗濯機があれば便利なんですが…。二槽式なら魔具で作れないですかね…?洗濯と脱水を分ければ、出来ないこともない気がします。

 洗濯が終われば部屋干しです。

 唯一暖炉のあるリビングにロープを張り、そこに洗濯物を引っ掛けます。

 所狭しと洗濯物がぶら下がるのは、ある意味壮観ですね。

 しかしこんな部屋、他の人には見せられないですよねぇ…。


 洗濯が終われば次は掃除です。

 いつもは一階部分くらいしか掃除ができませんが、こういう時くらいは2階も掃除しておきましょう。

 しかし、掃除道具が箒にちり取り、はたきに雑巾くらいしかないのが辛いですね…。

 スチーム洗浄機とまでは言いませんが、掃除機くらいは欲しいと思います。

 魔具で作れませんかね…?機能としては強い風を起こしてそれを吸引力に変えるくらいですが、他にも機構としてフィルターなども必要ですし…。機会があれば考えてみるのもいいかもしれません。

 こうやって手作業で家事をしていると、日本は凄く便利だったと実感します。

 洗濯も洗濯機に放り込んでおけば勝手に洗い、すすぎ、脱水、乾燥までやってくれますし、掃除だってしつこい汚れもスチームで簡単に落とせます。掃除機があれば埃もすぐに集められますしね。

 今となっては無い物ねだりにしかなりませんが…。


猫には他にも家庭用ゲーム機のリセットボタンを押すお仕事や、いいところでコンセントを抜くお仕事などがあります。


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