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074 お祭り

 あれから5年後。

 わたしの身長は165cmまで伸びました。

 胸もDまで大きくなりました。

 いえ、もうこれは胸では無くおっぱいと呼ぶべきですね!

 お尻だって、程よくお肉がついて、なのにきゅっと引き締まっています。

 生来のお肉がつきにくい体質のせいか、もしくは冒険者として毎日身体を動かしていたせいか、わたしの身体には贅肉がほとんどありません。

 つまり、理想のプロポーションというわけですよ!……もう少し胸は大きくなっていてもよかった気もしますが、贅沢ですね。

 立派なレディに成長したわたしは、もう昔のように子供だとか小さいだとか言わせません!

 ふふふ、わたしはもう、誰がどこから見てもオ・ト・ナなのですよ!

 あの神様を名乗る禿爺さんの呪いも大したことありませんでしたね!!

「ああ、サクラ…。君はなんて素敵な女性なんだ…。どうか私の妻になってくれないだろうか?」

 このようにおっぱい星人の王子から求婚までされるほどです。

 そう、これからはわたしの時代なのです!






「という夢を見たんですよ」

「にゃ~」

「これはきっと正夢に違いありません!何と言っても初夢なんですから!」

「にゃ~」

「ちょっとエル、聞いていますか?」

「に~」


 今日は1月2日。新たな年が明けた2日目です。

 世間は祭り一色で、今も朝早いと言うのに大通りの方からは喧噪が聞こえてきます。

 明日までは王都の大通りは屋台や催し物で一杯です。

 昨日はお城では王族総出での新年の式典がありましたし、今日はパレードもあります。それに今日はガラムさんが出品している品評会もあります。

 そして明日には剣術の大会もあるそうです。

 お店をやっている人はこの3日が稼ぎ時で、それ以外の人はこの3日間、毎日大騒ぎをするのです。

 え?わたしですか?わたしは…。

「あ、いらっしゃいませ!」

「ん?子供がやってるのか?なんだ…、美味いって聞いてきたのにこれじゃ期待できねぇな…」

 む、いきなり失礼ですね。しかし今日のわたしは寛大です。夢見が良かったですからね。しかも初夢ですよ?ふふ、少しくらいの失礼は見逃してあげます。

「その台詞は食べてから言ってください。美味しくなければお金は返しますよ」

「やけに自信があるみたいだな。いいだろう、一本貰うぜ」

「はい、一本6ゴルシュです」

 え?何をしているのかって?焼鳥屋さんですよ。もちろん、素材は吟味して選びましたし、タレもわたし特性の塩ダレです。屋台もギルドのツテで借りました。

「……美味い!なんだこれは…!?こんなに美味い物、初めて食べるぞ!!」

 ふふふ、そうでしょう。美味しいものは万国共通なのです!美味しいは正義なのです!

「すまねぇ、さっきの言葉は取り消す。だから後10本、売ってくれ!」

「すみません、お一人には5本までとしているんです。ですからお客様に売れるのは後4本です」

 これは最初のお客様が、大量に買って行こうとしたので慌てて決めたことでした。売れればいいと思いますが、いきなり100本とか言われると、すぐに店じまいになりかねなかったからです。なので、お一人様5本までと決めたのです。

「そうか…、残念だが仕方ないな。じゃあ4本でいいから頼む」

「はい、ありがとうございます。24ゴルシュになります」

 昨日は思った以上に売れ行きが早く、お昼すぎには用意していた分が無くなってしまったので店じまいになりました。

 なので今日は多めに仕入れていたのですが…。

「お嬢ちゃん、5本頼む」

「はい、30ゴルシュになります」

 ほぼ途切れることなくお客様が買っていくので、かなり多めに用意した分もどんどんと無くなっていきます。

 まだお昼前だと言うのに、すでに半分近くが無くなっていました。

「すみません、このタレのレシピを教えていただけませんか?」

 たまにこういったお客様も来ます。もちろん、教えませんけどね。

「タレは秘密ですので…。どうしても知りたいのなら、ご自分の舌で調べて下さい」

 タレは商売のタネですよ?まあ、大したレシピではありませんけども。

 しかしこの人はそれで引き下がりませんでした。

「謝礼なら支払います。ですからどうか教えてもらえないでしょうか?」

「無理です。謝礼とかの問題では無く、これはわたしの味です。貴方も料理人ならわかるでしょう?」

 そこ、いつからお前は料理人になったんだって突っ込みは禁止ですよ?

 まあ、味を広めるのはやぶさかではありませんが、それはそれぞれが創意工夫をして求めるものです。お金を払って簡単に手に入れようというのが間違いなのです。

「それだけですか?何も買わないのならお帰り下さい。他のお客様も待っていらっしゃるので」

 その言葉通り、お昼が近くなったせいもあってか屋台の前にはかなりの人が行列を作っていました。はやく捌いて次の串を焼かないと…。

「……わかりました…。5本買います」

「はい、30ゴルシュになります」

 さて、次の人っと…。


感想についてのお願いを活動報告に載せました。

そちらの方も読んでいただければと思います。


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