表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に出戻りしました?  作者: のしぶくろ
番外編とか後日談
109/149

番04:結婚式

「神の御前で、誓いの口付けを以って二人を夫婦と認めます」

 結婚式のクライマックスです。豪華な祭服を着た神父様の言葉で、新郎と新婦が向かい合います。そして見つめ合い、ゆっくりと二人の顔が近付いて…。

「誓いは成されました。二人に神の祝福を!」

 その声を合図に、参列者から拍手が溢れます。もちろんわたしも、立ち上がって拍手をします。

 幸せそうな二人を見ると、なんだか見ている方まで幸せな気分になります。


 式が終わって今は神殿前で新郎新婦が出てくるのを待っています。この後、二人は馬車で一足先にパーティ会場へ向かいます。参列者はそれを見送った後にそれぞれでパーティ会場へと向かうのです。

 ワアァァァ!!

 歓声に顔を上げれば、神殿の入口から出てくる二人の姿が見えました。幸せそうに寄り添う姿は絵になりますね。

 入口に続く階段の下に、女性陣が集まります。ブーケ・トスのようです。こういったことに騒ぐのは、貴族でも変わらないのですね。

 わたしですか?わたしは眺めている側です。さすがに貴族様の中に入っていく気は起きませんからね。隣から王子の視線を感じますが、無視させてもらいます。

 ちなみに一部ではガーター・トスの風習もあるらしいですが、あれってどうなのでしょうね?ブーケ・トスが女性に対するものなら、ガーター・トスは男性に対するものらしいですが…。いえ、それ自体はいいのですが。ですが、新郎が花嫁のスカートに潜ってガーターを外すというのはどうかと思うのですよ。夫婦なのだからいいと言えばそうなのですが…。

 おっと、余計な事を考えている間に始まるようです。

 待ちわびる女性に背を向けて、空に向けてブーケが投げられました。気が早い女性達は、まだ届きもしないのに必死に手を伸ばしています。

 微笑ましい光景を眺めていると、強い風が吹き抜けました。

 突風ともいえるほどの風に思わず目を閉じてしまいます。風は一瞬の事で、すぐに止みました。

 目を開いた瞬間、わたしの前に何かが落ちてきました。反射的に手を出し、それを受け止めます。


 ぽすっ


 軽い音とともに、腕の中に落ちてきたものが収まります。

「……え?」

 それを見て、誰かが間抜けな声をあげました。

 ええ、わたしもびっくりです。落ちてきた物はシフォンさんの投げたブーケでした。

 どうして手も伸ばしていないわたしの所へ来るのですか!?あちらに欲しがっているお嬢様方が沢山いるじゃないですか!ほら、取り損ねたお嬢様方の視線が怖いですよ!?

「良かったですわね、サクラちゃん。次の式はサクラちゃんですわよ?」

「ええっ!?」

 そりゃ、ブーケ・トスの言い伝えから言えばそうですが…。ですが、相手すらいないのに結婚なんて言われても…。

「お相手は誰なのかしら?ねえ、お兄様?」

 頭越しに会話をする王子とアリア様を横目に、わたしはブーケをどうしようかと考えていました。


短いですが、話の都合で区切ります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ