バトル・NO9 偶然のいたずら??
一度店に戻り車を置き歩いて近くの居酒屋に着いた。
『久しぶりだね!ここ』
この居酒屋は馴染みの店で結構利用してた。最近はちょっとご無沙汰だったけど…。
『変わらないね…。』
バイトをしてた一年前までは、ほぼ毎日通った場所。すごく懐かしい…。
ただ店内に入ると1つ変わった事…店が満員状態。
『久しぶりだね!!楓ちゃん。』
ニコニコ顔の親父さん(おやじさん)(店長兼料理人)が声掛けてきた。親父さんは私と兄貴の事はよく知っている。(かなり通ってたから!)
『こりゃ…無理っぽい。』兄貴が周りを見て呟く。店内は大賑わい。そんなに広く無い(失礼?)店内に鮨詰め状態!二人で顔を見合わせた。
『おやっさん!また来るよ。席無いだろ?』
私も同じ意見。席が無い以上はどうしようも無い…。『あぁ〜!奥の座敷なら空いてるぞ!さっき予約入ってたのが明日に変更になったから!』
『本当?タイミング良い!!』私の言葉に兄貴も微笑んだ!
奥の座敷は二組分のテーブルが有り、まだ一組分が空きになってる。
兄貴は豪快にビールを流し込みながら
『あの美菜がね〜!』
美菜の結婚のいきさつを聞いて嬉しそうだ。
美菜は私の紹介で兄貴の美容室に通ってる。二人は意気投合し、今では兄貴にとって私達は妹分みたいなんだろう。
『相手の人、すごい良い人だよ!』
串を頬張りながら兄貴に微笑んだ。
『お前も、早く幸せになれ!』
『はぁ?私だけじゃないでしょ!!二人で幸せになろう〜。かんぱ―い!』
『おいおい…何回乾杯するんだよ。烏龍茶とビールで!まっいいかぁ!じゃあ〜二人の幸せを願って!』
兄貴と私は大笑いしながらジョッキとグラスを合わせた。
『お〜い!盛り上がってる所悪いが入るぞ!』
親父さんが二人分の箸とおしぼりを持ってきた。お客さんが来るらしい。
『ど〜ぞ!準備出来ましたよ!こちらへ…』親父さんの元気な声を後ろに烏龍茶を飲みきった。
兄貴はおじさんに『焼酎茶割り!!』とオーダーをしてる。私もメニューを見て振り返った。親父さんはまだ後ろに居たから。
『おじさん〜!ウ―ロン…』
私は言葉が出なくなってしまった…。
『いやぁ〜ん!椎原さんじゃないですかぁ??』
だって!!後ろに居たのはゆかりと…
『こんばんは…。』
妃河君だったから…。
『楓ちゃん?烏龍茶一杯追加かい?』
私はおじさんが聞いてるのを頷くだけしか出来なかった。
教訓その8…着信ありには早めに対応!対応しておけば未然にふせげる可能性が…!