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バトル・NO7 心も身体も大掃除!

見つめられた瞬間、賑わう街の空気が止まった…。

お互いの動きは止まったまま…。彼の瞳が私の壁の理由を聞きたがってるのが分かる。

ドンッ!!

酔っ払いがぶつかってきた。とっさに彼は私の肩を自分の胸の方に寄せる。酔っ払いは『なんだぁ〜?』と言いながら歩いて行った。

彼の胸に寄り添う自分に気付き、我れにかえって彼から離れ…

『ごめんなさい。ここからは1人で大丈夫だから…。今日はご馳走様でした。』

とだけ言い残し、自転車を漕ぎ出した。彼の視線を背中に…。



『はぁ…。』

今日は何回目のため息だろう。昨日の事が走馬灯のように駆け巡る…。思い出しては頭を思いきり叩いて…。

今日は有り難い事に会社は休み。ちょっとは救いかな…。自分で昨日の大人げ無い対応に自己嫌悪。

『もうちょっと余裕持たなくちゃ…。』

一人呟き、ベッドに寝転んだ。ぼ〜っと天井を見てると、マンションの外で子供の無邪気な笑い声が聞こえる。その声に誘われるようにカーテンを開けた。

『うわぁ〜。良い天気!』

外は真っ青な青空!雲一つ無い。振り返って時計を見ると昼を過ぎてた。

このまま家に居るのは勿体ないので急いで化粧をし、七分袖のワンピースにジーンズを重ね着して首にはプチマフラーをし、自転車にまたがった。行く所は決めていた。美容室だ。駐輪場に自転車を置き地下鉄に乗り込み2駅。ちょっと歩くと…外観を赤レンガで覆われている店。入口には色々な花達。私はこの美容室の常連さんで担当も決まってる。

重めのドアを押し担当を探す。

『またお前は…。』

背後から太い声が…。

『びっくりするじゃん!石井さん〜!』

私は声の主に笑いかけた。

『お前が急に来るからだろ!』

頭を小突かれた。この人は店のオーナー。まだ31歳。ワイルド系で店も気ままに営業!サーファーだから波が良いと休むらしい。

『お前は毎回ついてるよ。』

真剣な顔して私の髪型を見てる。いつも髪型は任せっきり。彼の腕を信用してるから!

『じゃあ…今日は下の方が痛んでるから…ちょっとカットするか!』

私は黙ってうなづいた。


『今日の悩みは何だよ!』

髪を優しくすくいハサミでカットしながら鏡越しに聞いてきた。

『何で?』

私の答えに『はぁ?』と一言呟き手を止めた。

『お前は悩んでたり嫌な事があると店に来るだろ〜が!』

彼は笑いながら手を動かしだした。

『まぁ〜ね!』

最近あった事(昨日の事も含め)全部話た。

彼とは地元を離れ初めて出来た友人。

と言うか…兄貴?の石井和也さん。

独身で見た目はかなりワイルド系!話すと優しいんだけど…見た目は近寄りがたい感じ。ファッションセンスはさすが!美容師!かっこいい!!店で彼のファン?も見たりするから…モテるんだろう。彼との出会いは店の近所の喫茶店でバイトをしてる時に来てた常連さん。いつも暗い顔だった私に明るさを取り戻させてくれた恩人でもある。そして彼にも悲しい過去が…。

『めずらしく?良い話題だな!』兄貴はポンッと頭を叩いた。

『何が良い話題?!』

私は大声で叫んだ。店は今日は兄貴1人。だから何しよ〜が問題無し!!お客さんも今日は居ないし…。『ちょっと恋になりそうな予感がするしな!』

彼は仕上げのワックスを髪に付けながら笑った。

『何言ってんの?恋にはならないよ!』

フンッと鼻息荒く横を向いた!鏡越しに『やれやれ…。』と兄貴が呟くのが見える。

『まぁ〜喜怒哀楽が出てるお前を見たら安心したよ。ほら完成!』

長く軽めの髪に元々のゆるめのパーマが良い感じに仕上がってる!

『あ…ありがと。』

また大人げ無い対応した自分が恥ずかしく下を向いて御礼を言った。

そんな私に兄貴が

『お前これから暇??』

『暇だよ!』

私は苦笑いで即答。

兄貴は…ちょっとは考えてから言えと言う苦笑い。

『じゃあ!ちょっと付き合えよ!』

と言い残し店内を片付け始めた。


教訓その6…気分転換には美容室が1番!!!気持ちも身体もたまには大掃除!

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