バトルNO.5 バトル勃発!!
今日もまた普通の一日が始まるはずだった…。けたたましいヒールの音が近付いてくる…。
カツカツカツカツ…ピタッ。私の席の横で止まった。
パソコンを打つ手を止めて横に立つ人を見る。そこには恐ろしい形相のゆかりちゃんが…。
『どぉ〜言う事ですか?』
さすがに今日は語尾が延びてない…。私はゆかりが怒ってる意味が分からないし…。
『だから…』
分からない顔をしてる私にイライラしてるらしい。
『ごめんなさい…。何かしたかしら?仕事にミスでも…?』
それを聞いてはぁ??とバカにしたように見た。
『昨日…妃河さんと街を歩いてて喫茶店入ってましたよね!!』
そこまで言って腕を組んだ。
私は別に変な事も無いから正直に話す…。
『えぇ。偶然会って駅まで送ってもらう途中でコーヒーを飲んだだけですけど。』
何も無いから冷静に話す。でも…その対応が彼女の怒りをパワーアップさせてしまったらしい…。
『はぁ?彼に興味無い振りしといて実はそれって作戦だったんじゃないんですか?』
腕組みした手を外し巻き髪を指に絡ませ出した。
さすがの私もムッとする。妃河君が居ないのを良い事に言いたい放題。
『だから…私は正直に…』
次を言おうとして制止された。
『椎原さんは本当の事を言ってるよ。』
天の助けを差し延べてくれたのは樋口さんだった。
『えっ…』
ゆかりはアンタ誰?って顔してる。
『椎原さんは俺と彼女と3人で食事した帰りだったしね!』
樋口さんは笑顔でこっちを見た。
『そう。なら良いです!』
ゆかりは何も言えなくなったらしく大人しく去って行った。
私は樋口さんを見た!
『俺に御礼を言わなくて良いよ!礼は優介にしてもらうから!』
そう言って誰かにメールをうち出した。
すぐ返信メールが…樋口さんは見て、私にも見せてくれた。
『樋口先輩。本当に助かりました!お礼に酒でも飲みましょう!』
『椎原さん。ご迷惑かけました。今度、飲みに行きましょう!みんなにゴチりますんで許して下さい。』
妃河君からのメールだった。
ちょうど、妃河君に会いに来た所でバトルを耳にして飛んで来てくれたらしい…。
『はぁ…気つかったぁ!優介さぁ〜モテるからね…。巻き添えはコレで終わりにして欲しいね!楓ちゃん。』
私は黙ってうなづいた。
教訓その4…モテる男には近付くべからず。