『除霊遊戯士(エクソゲーマー)』世界観プロローグ
オリジナル作品『除霊遊戯士』の書き出し前の世界観サンプルです。
雰囲気は同じ方向性になる予定ですが
実際の本編とは異なります。
あくまで「世界観」を知るための「プロローグ」です。
あらゆる除霊方法が溢れた現代において
とある霊能力者が1つの答えに辿り着いた。
「幽霊がルールを指定できるなら、霊能力者がルールを指定する事も出来るのでは?」
誰かが気付いた。
「除霊とはお互いに同じルールで盤面に立つという事で、そのルールに従って戦った結果、勝敗で決まっているのでは?」
誰かが思い至った。
「呪術、儀式、あらゆる術式や式神は『自身の盤面を固める』行為だとすれば、具体的な名前、姿、攻撃方法を誰にでも認識できるようにすれば、それは儀式として成立するのではないか?」
後に「そうさくしゃ」として『操作者』と呼ばれる男はこう振り返る。
「私がやった事は単純です。人々の持つ『イマジネーション』を形にしたこと。そしてそのイマジネーションを『出力』出来るようにしたこと。」
彼の手に収まっていたのは、灰色の長方形に、中央が液晶画面になっている電子機械だった。
厚みは5cmほど、側面には大きな開口部があり、その中は空洞となっている。
空洞の中心は天面の液晶画面の真下のようだ。
「これは『操術機(そうじゅつき』。事前に組み上げた各自の『儀式』をカード化したものを読み込み、ホログラムで空間に投影するものです」
「皆さん、『儀式』と言えば難しく考えると思います。例えば、神社で行う厄祓い。建物を建てる際の地鎮祭。」
「確かにそれも重要な儀式です。ですが、実際はもっと身近な物です」
「例えば、嫌な相手が家に来た時、帰った後に『塩を撒く』。家を出て行く時に『火打石で無事を願う』。」
「それもまた立派な儀式なのです」
では…
そう言いながら男は少し笑みを浮かべる。
「もっと細かくしたらどうなるか?」
「『塩を撒く』は『邪気を追い払う』効果がある。『火打石を切る』のは『幸運を願う』。」
「それを儀式の1パーツとして小分けにし、さらにそれを自由に組み替えられたら?」
「そして、それらの儀式を『自動で解析し、データとして管理できる』ように科学で制御できたら?」
「それは『儀式科学』と呼べる、新しい『儀式』の形なのでは?」
「除霊士と幽霊が同じ『儀式』のルールを設定し、その中で勝敗を競う」
「勝者は敗者に対して1つ限りの命令を行使できる。敗者は勝者に従うか、ルールに従い逃げ去るか消滅を受け入れる」
『操作者』は短く笑い、それを押し殺すように低い声で呟く。
「そう、それこそが『除霊遊戯士』という、新しい時代の除霊の姿なのです。」
「人も、幽霊も、神も、悪魔も、いかな化け物も等しく争える」
「己の存在を、儀式を、強度を、そしてプライドを。それを賭けるだけで儀式として成立する『共通ルール(フォーマット)』」
「あぁ…流石にこの理論を思いついた時は、絶頂しましたね」
実際に書くかは分かりませんが、
書けたら嬉しいなぁ…という気持ちです。
タグとか使えるのかも分からないので
本格的に書く場合は文体から何から大きく変わります。
読切版に近いものとお考えください。