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第三章「ジオ流剣術」

八歳になりいよいよジオ流剣術をならい始める

八歳になり、いよいよジオ流剣術をならい始めることとなった。

ジオ流剣術とは、あとから手に入るスキルである。

そもそもスキルは大きく二種類に分けられる。

生まれた時点で既に持っているもの、そしてあとから手に入るスキルである。


生まれた時点で持っているスキルはあとから手に入れることが出来ないと昔信じられており、それを持っている者を象徴するスキルであると思われていたため、その名残で象徴スキルという。

象徴スキルにはスキルレベルが存在せず、生まれた時点で変わることがないため、持っている者によって大きく変わるスキルである。例えば同じような象徴スキルでも、倍率や消費するものや量、クールタイムや制限がことなったりする。

また、あとから手に入るスキルを象徴スキルとして保有している場合もあり、そのとき同じスキルを獲得するとこは出来ず、生まれた時点でスキルが成長することはないため、それがメリットになったりデメリットになったりする。例えばあとから手に入るスキルの最大レベルよりつよかったり、レベル1より弱かったりもする。


あとから手に入るスキルは大きくわけて三つあり、どれもスキルレベルがあり、成長したり進化しうるが、本人の素質次第である。

一つ目は技巧スキルで、ジオ流剣術はこれに該当する。同じことを繰り返し、慣れることで獲得出来る。例を出すならスキル「料理」「速読」「剣術」「詠唱短縮」である。

武術には様々な流派があり、その流派の武術が一定水準を超えるとスキルとなる。人気かどうかは関係なく、武術の完成度によってスキルになる。

二つ目は耐性スキルである。名前の通り耐性のスキルで攻撃を受け続けると獲得出来る。

レベル1~10まであり、10を超えると無効スキルへと進化する。

三つ目は特殊スキルである。ある特殊な条件下(スキルブック使用等)において獲得することが出来る。


ジオ流剣術は13つ技によって構成されており、スキルレベルアップ条件はそのレベルアップに該当する技と「剣術」のレベルである。「ジオ流剣術」の最大レベルは13であり、初代当主シン・ジオを除いた最高レベルは10で現当主のレベルは9であり、歴代最高の11以上に到達するとこを期待されている。当主になるにはレベル7必要と言われている。訓練生卒業に必要なレベルは4であるが、教官はレベル6で教え方も上手いため残るものが多い。


本格的なジオ流剣術の訓練が始まり、今まで以上の地獄であった。

意外にも僕は3ヶ月という短い期間で「ジオ流剣術」レベル1となった。おそらく兄さんの練習をこれまで見続てた結果だろう。スキル「ジオ流剣術」は基礎的な身体能力の向上、剣の威力上昇、13つの技の威力上昇というてんこ盛りな効果により同年代最下位からトップへと成り上がった。今までバカにされ続けたが努力が報われた気がして嬉しかった。

しかしその2ヶ月後元トップであるハガダ・ノ・ジオがレベル1を達成し、「ジオ流剣術」を持ってない者とレベル1は不公平ということで、実践訓練ではハガダと僕が組まされ続け、同じ土俵にたった今スキル「剣術」のレベル、肉体、技術力全てにおいて劣っている僕が勝てる訳もなくどころか実力差がありすぎて試合と言えるかも分からなかった。そこまで差があるとは考えられないだろうが「剣術」には、剣術による威力上昇、剣術の理解度アップにより肉体的な強さと技術的な強さの差を広げられるのである。その後4ヶ月ほと経った頃2人が「ジオ流剣術」レベル1を達成、これでこの地獄から解放という訳もなく、ハガダが強すぎるというのは確かにそうだが、僕は同年代最下位と言えるほどの実力すらなく、その2人は元トップ3であり、その2人に対しても試合になることはなかった。

習い始めてから1年が経つ頃には同年代全員が「ジオ流剣術」レベル1を達成し、僕は無事同年代最下位に戻った。

しかしそのすぐ後に「ジオ流剣術」レベル2を達成し、また同年代トップに返り咲く……なんてことはなかった。レベル2に上がったすぐあとの事だ。

「ハガダ勝負しようぜ」

「いいけど、どうした急に……まさかお前!?」

「ふっふっふ、気づいたかレベル2になったんだよ」

「なん……だと」

ハガダはやっぱりノリがいい奴だ。

「またトップは貰っていくぜ」

剣の音が夜の訓練所に鳴り響く。

…………ん?おかしい、ハガダはレベル1、僕はレベル2だ。

「?」

「?」

顔を見合わせる。勝った方も負けた方も驚いている。ハガダは自分が勝つと思っていなかったのだろう。僕も負けるとは思っていなかった。

「たまたまかもしれん、天文学的数字を引き当てたのかもしれない、もう1回やろう」

「そう…だな、俺の運が良かっただけかもな、やり直そう」

またもや剣の音が鳴り響いた。

……また負けた。

「本当にレベル2なんだよな」

「二人ともこんな時間に何してるの」

女の声が聞こえ、見ると長髪の女が立っていた。暗くてよく分からないが聞き覚えのあるこえだ。

「桜か」

桜とはジオ家傍系で東の方の国の血が混じってるらしい地理はよく分からん。

「桜、夜更かしは肌に悪いよ、お母さん心配よ」

「うるさくて寝れないのよ。あとコレカの娘になった記憶はないんだけれど」

「ハッハ、コレカに勝負を挑まれて試合してたんだ」

「何それ、この時間なら勝てるとでも思ったの?ちょっと休んだ方がいいんじゃない?」

「桜、お母さんの心配してくれるの、あらやだ涙出てきそうだわ」

「そっか良かったね」

「おい諦めんな」

「相変わらず仲がいいな二人は」

「ハガダが俺たちお似合いだって、どうする?」

「じゃあやろっか、一戦」

「ふっ、負けても泣き言言うなよ」

「それは無いでしょ、ハンデ欲しい?」

「その油断が...あれだ...その...あれ、あれよ」

「命取りじゃね?」

「そう!命取り!だぜ!」

「もうちょいかっこよく決められないの?」

「締まらんなぁ、じゃあ俺が立ち会い人やるから、両者準備OK?」

「いいわ」

「桜は僕に負ける準備できた?」

「……」

「はじめ!」

ハガダの開始の合図で始まった。最初は両者互角でった、それに桜は驚いていたが次第に僕が優勢になっていった、「ジオ流剣術」レベル2様様である。そして最終的に勝つことが出来た。まあこの勝ちは桜の初めの油断があったからこそ生まれたものだから価値が高いとはいえないがハガダに負ける訳ないと思って挑んで負けたメンタルのダメージは回復出来た。

「どういうこと、私が負けるなんて」

「どうしたどうした、意気揚々と挑んできて「ハンデ欲しい?」とか聞いてきたくせに」

「落ち着け落ち着け」

どうしたのかと思い、ハガダの方を見ると剣を持った桜をハガダが止めてくれていた。俺の桜のモノマネが効いたらしい。これは!と思い、

「それは無いでしょ、それは無いでしょ、それは無いでしょ、それは無いでしょ、それは無……おいおいおいハガダ何やってんだ」

「これはもう庇えんよ」

ハガダはあの(血に飢えたケモノ)を解放しやがった。

「ハガダお前ふざけ...やばいやばいやばい、覚えてろよ!」

僕は普段使わない残ったオーラを足に集中させ、全力ダッシュで部屋に戻り、その晚は角で縮こまっていた。


「もう追わなくていいのか」

「うん、どちらかというと私に勝てた理由を知りたいんだよね」

「油断だろ」

「確かにそうだけど、いつもなら試合にすらならないじゃん」

「そのことか、レベル2になったらしい」

「凄!もしかしたら歴代最速…はないね」

「そうだな、アサノ様がいるからな」

「レベル2でハガダに負けたの?」

「そうだ、互いに予想外で驚いていた」

「やっぱり0と1の差は大きいんだね」

「他がレベル2に上がるまでトップ3入りするかもな」

「そうだね、私も勝てるか分からないし」

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