アリッダ姫の奇跡の恋
アリッダ姫はまもなく国のためにまだ会ったこともないどこの誰かもわからないどこかの国の王子様と結婚させれる予定だ。。。
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王様「お前もそろそろ国のために結婚をしてもらうからな!」
アリッダ姫「どうして、知らない人と結婚しなきゃいけないの!私は絶対に嫌よ!!」
王様「わがままを言うな!結婚式は1ヶ月後に執り行うこととする!」
アリッダ姫はそのまま自分部屋に閉じ籠った。
もう、こんな国嫌よ!私には自由なんてない。結婚だって好きな人とできないなんて。。。私はなんのために生きてるんだろう。。。
アリッダ姫はその夜、泣き明かした。。。
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次の日、アリッダ姫は召し使いの目を盗んでお城を飛び出したのだった。。。
1人で街に出たことのないアリッダ姫は少しドキドキしていた。
街の人がすごく自由に見えたのだ!
恋人と思われる男女が仲良さげに手を繋いで買い物をしていたり、子供たちも自由に遊び回っている。。。
アリッダ姫は友だちすらいなかったので、普通の町の当たり前の暮らしがすごく新鮮に見えていた。
しばらく町を歩いているとアリッダ姫に話しかけてきた男がいた。
「なんて無礼な人なの?」と言ってその場を去ろうとすると、男がアリッダ姫の手を掴み、「高嶺こいてんじゃねーよ!」とひっぱたこうとした!
その時、キレイな顔をした男性が「なにやってるんだ!女性に手を上げようとするなんてなに考えてるんだ」と言って男の手を振り払った!
男は「バカヤロー」と言い放って逃げていった。
「大丈夫ですか??お怪我はありませんか?」
アリッダ姫は自分の鼓動の高鳴りにビックリしていた。。。
これは怖かったからなのか、それともこの気持ちはなんなんだろう。。。
そう思いながら。。。
「大丈夫です。あぶないところを助けていただいてありがとうございます。よろしければお礼をしたいので住んでいる所とお名前をお聞かせください。」
すると、そのキレイな顔をした男性はこの近くに住んでいるそうでレイと名乗った。。。
「お嬢さんはこの辺では見かけないようですが、どこか別の国から来られたのですか?」
アリッダ姫は自分がこの国の姫だと言うことは知られたくなかったので嘘をついた。
「私は隣の国から来ました。アリと申します。。。」
「そうでしたか。。もしよろしければ私が街を案内致しましょうか?」
アリッダ姫は小さくうなづいた。。。
それからレイは街を案内してくれた。
レイはとても紳士的で優しくてアリッダ姫はどんどん引かれていったのだった。
そんな中、この国ではアリッダ姫が行方不明になったと大騒ぎになっていた。
レイ「この国のお姫様が行方不明になっているそうですがどんな方なんでしょう。。。」
アリ「さぁ?!この国のものはだれもお姫様を見たことがないので。。。」
アリはまた嘘をついた。。。
レイ「きっと、何か事情があり、お城を抜け出したのかも知れないですね。。。なんだかその気持ちわかるなぁ~」
アリ「そんな気持ちあなたにわかるわけないでしょ!ここで自由に暮らしてる人に姫の気持ちなんかわかりっこないわよ!」
レイ「アリ?どうしたの?そんな怒らないで。。。」
アリはついむきになってしまった。
アリ「あっ。。。ごめんなさい。私はただお姫様の気持ちはお姫様にしかわからないんじゃないかなーって思っただけで。。。」
レイ「そうだよね。。。僕の方こそ変なこと言ってごめん。」
アリ「。。。」
レイ「ところで、アリはなんでこの街に来たの?」
アリ「。。。えっと。。。そんなことよりもっと街を案内してくれない?私、この街のこともっと知りたいの。」
レイ「。。。うん。。わかったよ。」
それからアリとレイは毎日一緒にいていろんなところへ行き、いろんなことをしてたくさん話もした。
アリはレイのことをどんどん好きになっていった。。。
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まもなく1ヶ月がたとうとしていた。
お城ではまもなく結婚式が執り行われることになっていたので姫を探すのに王様は躍起になっていた。
王様「アリッダはまだ見つからんのか?もっと総力を上げて街中を徹底的に探せ!」
アリはレイに本当のことを言えないままでいた。。。
もし私がこの国の姫だと知ったらレイはどう思うだろう。。。そもそもレイは私のことどう思っているのだろう。。。私がただの街の娘だったならこんなことで悩むことなくレイのお嫁さんになれたのかな。。。
アリは覚悟を決めていた。このまま自分を偽ったままではレイのそばにはいられない。私はこの国の姫なのだから、自分の運命からは逃れられない。まもなくお城に戻らなくては。。。
アリ「レイ。話があるの。」
レイ「どうしたの?改まって。。」
アリ「私、レイのことが好きです。。。あなたに嘘をついてることがあるの。でも、その嘘は言えないから今日であなたとお別れしなくてはなりません。今まで本当にありがとう。私、今まで生きてきた中でレイといた時間が1番幸せだったよ。」
レイ「僕もアリのことが好きだよ。だから、これからもずっと君と生きていきたいと思ってる。」
アリ「ごめんなさい。それは出来ないの。さよなら。」
去ろうとするアリの手をレイが強く掴んできた。
レイ「。。。結局、僕たちもこの国のお姫様と同じで自由になんて生きられないんだね。」
アリ「。。。ごめんなさい。。。」
アリは後ろ髪を引かれる思いでレイの手を振り切りその場を去った。。。
そしてアリはお城に戻った。。
アリはその夜また泣き明かした。。。
王様はアリッダ姫が戻ったのでご満悦の様子だった。
いよいよ、明日結婚式だ!
アリッダ姫は自分の胸の中にレイへの思いを閉じ込めたまま結婚式を迎えることとなった。
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そして、結婚式当日アリッダ姫のもとに現れたのはなんとレイだったのだ!
王様「こちらはお前のお婿さんになる隣国のミレイ王子だ。」
アリッダ姫「えっ、、、レイ?なんでここに?」
ミレイ王子「アリ?まさか君かこの国の姫なのか?」
アリッダ姫「はい。嘘をついていてごめんなさい。あなたが隣の国の王子様なの?」
ミレイ王子「そうです。僕も嘘をついていてごめんなさい。僕は、国のために結婚をしないといけないのが嫌で最後に1ヶ月だけ自由な時間をもらっていたんだ。そんな時、街で君に出会ったんだよ!まさか君がこの国の姫だとも知らずに僕は君に恋をしたんだ。だが、君にさよならを言われ、君への気持ちに蓋をして自分の運命に従うことにしたんだ。」
アリッダ姫「私もレイのことを忘れることなんてできなかった。でも、私はこの国の姫だから父の言うことに従わなければならなかった。だからさよならを告げたの。でもまさかあなたが隣国の王子様だったなんて。。。」
これは運命。。。
ミレイ王子「改めて言わせてもらうよ。僕と結婚してください。」
アリッダ姫「はい。」
王様「あんなに結婚を嫌がっていたのにまさか、すでに街で会っていたとはな!なんてめでたいことなんだ!はっはっは」
アリッダ姫は初めて自分の運命に感謝したのだった。
こうして、ミレイ王子の愛でアリッダ姫は世界一幸せなお嫁さんなったそうです。
めでたし。めでたし。