朝ごはん
気になることが……まだ1話しか投稿してない時なんだけどユニーク様が結構いました。
………なぜに?
ユニークとはなんなんだ!?
無言で歩くこと数分……
とうとう痺れを切らせたように……ではなくご機嫌がななめの様子で乃愛が口を開いた。
「なんかしゃべりなさいよ。潰すわよ?」
「…………なにを?」
「それぐらいわかるでしょ?」
(あ~、なにだけになにを潰すんですね。)
「また下らないこと考えてるんでしょ。」
「お前は俺をなんだと思ってるんだ?」
内心でダラダラと冷や汗を流しながらなにくわぬ顔で答えた。
「まぁ、いいわ。それよりなんかないの?」
(フリが雑すぎませんかね?あと、美少女の仮面が外れて素がでてますよ?)
人前に出ているときはそうでもないが俺といるときは素のきつめな性格が顔をだす。
(これでちょっとでもデレたら可愛げがあるんだがなぁ…)
「ほら、さっさとしなさい。グズはモテないわよ。」
俺が遠くを見つめて現実から目を背けていると現実に引き戻された。
「あ~、ハイハイ。俺はどうせモテませんよ。」
モブだからね!!
ん~…しかし急に何か話題を出せと言われてもなかなかに難しいものだな。
(当たり障りのないとこにしとくか。)
「なんでお前いんの?」
ビュン!ズドン!ガク!
素早い反転からの右フックが正確に俺のみぞおちを捉え思わず膝をついてしまった。
「い、いなりなにしやがんだ……」
横隔膜が痙攣を起こしているためか呼吸さえままならないなか何とか今起きたことを問いただした。
「………あ゛」
「ごめんなさい。」
いや~俺もビックリだよ!呼吸さえできなかったのに乃愛の底冷えするような声を聞いた瞬間、急に横隔膜さんが仕事を再開しましたよ。
そんでもって最初の仕事が謝罪て……
「……いや、今日は仕事がないのかって意味なんだけど?」
「あぁ、そういうこと。」
互いの認識に齟齬があるのではないか?と思い俺が補足をつけると今から親の仇でも討ちに行きそうだった殺意が嘘のように霧散した。
「今日はオフよ。だから久しぶりに登校するのよ。」
「せっかくの休みなら家でゆっくりしてれば?」
「私だって高校くらい出ときたいわよ。」
「えッ!?何年かけて?」
「あ゛」
「サーセン。」
はッ!!思わず土下座してしまった。
それから制服についた汚れを払って立ち上がり再び歩き始めた。
「…………」
「…………」
再び無言の時間がやって来た。しかし苦痛ではなくむしろ心地よささえ感じている。
だって隣さえ気にしなければいつもの日常だからね!!
「あんたは最近どうなのよ?」
(………なんでこいつは唐突に俺の平穏を壊すのだろうか?)
「普通。」
俺の答えなんて決まりきっている。モブに非日常は要らないのだ!そんなものは熨斗を付けて主人公様に渡してやるよ!
まぁ、現在進行形で非日常ではあるのだが………こんなのは気にしたら負けだ。
「おじさまとおばさまは?」
「アメリカ。」
これが家に誰もいない理由だ。俺の両親は三度の飯より仕事が大好きの仕事人間だ。そして問題なのが仕事ができるという点もあるだろう。
その事があり何か大きなプロジェクトを任されために仕事の拠点をアメリカに移す必要があると中3の夏休みに両親に告げられた。
それを聞いて俺は日本にいたいというむねを伝えると1つの条件をだされた。
それが今の高校に入れというものだった。
そりゃもう当時の俺は絶望しましたよ。真面目な仕事人間でも冗談いうんだなって思ってたらあまりの真顔に顔面蒼白ですよ。
で、もし受からなかったらアメリカに強制連行するとそれはそれはいい笑顔で言われた。
『家族なんだから一緒に住みたい』みたいなことを言われたがそれなら俺も一言言わせて貰おう。
『お前らが日本にいろや!』
まぁ、言ったんだけどね……で、その答えが『大きい仕事って燃えるじゃない』……だって。
それからは夜も寝ずに昼寝して必死に勉強しましたよ。
そして春休みに一時帰国した両親に合格のむねを伝えると見事な舌打ちをかまされましたよ。それも見事なシンクロ付きの。
でも我が両親は1度した約束を違えるような不義理な大人ではないので渋々ながらも日本に残ることを了承してくれた。
「ふ~ん。それでちゃんと生活は出来てるの?」
「当たり前だ。」
「朝御飯がそれで?」
ジッと俺の手にあるペッタンコになった10秒チャージさんを見ていた。
(えッ!?なんかおかしいとこある?)
「こんなの普通だろ?」
「あんた……それホンキで言っての?」
「我が家ではわりとオーソドックスなんだが。」
「はぁ~。」
何故か盛大に溜め息をつかれた。………解せぬ!!
「他には?」
「他とは?」
「他に朝はなに食べてるかってこと。」
(あ~、そういうことね。)
「4本ブロックのやつとかもたまには……あッ、牛乳と野菜ジュースは毎日欠かさず飲んでるぞ!」
どうだ偉いだろ!と隣を見ると何故か可愛そうな子を見るようにハイライトの消えた目で見られた。
………解せぬ!!
少しでも読んでくださる方がいるのはありがたいことです>^_^<
次話はもうちょいで上がります!
次は日曜に更新します("`д´)ゞ
うりゃりゃりゃりゃーー(o゜∀゜)=○)´3`)∴