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副官サマの日記帳  作者: 茅嶋ときわ
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副官サマと陰謀説 前編

 デクス邸でお夕食をおとりになられてから数日。ルカ様のお顔はその日からずっと曇ったままだ。

 デクス邸からお帰りになる時にはすでにそんなお顔をされていたので、どうしてかと尋ねようとしたのだが、深く考え込んでいる様子だったのでその機会は訪れなかった。

 翌日の朝食の席でセオドール様も気になったのか、どうしてか? と尋ねていたが、ルカ様から返答はなかった。その時も考え込んでいたようなので、もしかしたら耳に届いていらっしゃらなかったのかもしれない。

 お顔が曇っている原因は、きっとデクス様、もしくはリリアーナ様だと思うが、数日間、こうも表情を曇らせたままだとさすがに心配になってくる。

 

「レティシア! 前を見なさい! 上の空ではまた怪我をするぞ!」

 

 ロペス様の大きな声が飛んできて、私はハッとして目前に迫った剣先を慌てて避け、距離を取って短剣を構え直した。

 ここ最近は細剣ではなく、短剣の扱いも訓練してみようということになり、細剣の時同様に、あらゆる可能性を考えた動きを練習している。

 刃の長さが短い短剣は、細剣とはだいぶ勝手が違っていて、相手との間合いが取りにくい。

 もっと慣れないと実戦で扱うには不安だ。

 

「あぁ、やっていますね」


 夕方近く、あと少ししたら訓練を切り上げる時間になる頃、珍しくルカ様が顔を出された。

 ロペス様と挨拶を交わすルカ様に自然と目がいき、足が止まる。

 そのことに気付いた相手の騎士は、気を遣ったのか攻める手を止めてくれた。

 私は騎士に頭を下げて、ルカ様とロペス様のやりとりを見つめる。

 

「ルカ様、今日はお仕事はもうよろしいのですかな?」

「えぇ、今日は昼からアレス皇子と外へ出ていたので、机仕事は早めに上がらせてもらったんです」

「そうでございましたか。それで、こうして訪れたということは、ルカ様も少しやっていかれるおつもりで?」

「えぇ、そのつもりで来ました。先日彼女と約束をしましてね、今日はちょっと、彼女に僕の間合いを見せようと思っているんです」

「ほぅ? 間合い、でございますか?」

 

 ルカ様は宮廷の玄関であった騒ぎのことを簡単にロペス様に話した。

 ロペス様は騎士と宮廷魔導師のいざこざがあったという話には、とても厳しい顔つきで聞いていたが、その先の、私がルカ様の魔法の間合いが分からずに、間に入って剣を弾いたという話しの時には、「うんうん」と頷いて、少しだけ頬を綻ばせて見せた。

 

「それはそれは。確かに護衛とあらば知っておいて損はないでしょうな。ではレティシア、ちょっとルカ様と代わろうか」

「はい」

 

 ロペス様に手招きされ、短剣を下ろして騎士に挨拶をしてロペス様の元へと戻り、近くのベンチに置いてあった鞘に短剣を戻してからルカ様の方へ向き直る。

 ルカ様の手にはいつの間にか錫杖が握られていて、杖頭の飾りが小さく揺れていた。

 

「では、模擬戦でよろしいですかな?」

「そうですね」

「ではそのように。続けてだが、いけるか?」


 ロペス様が中央に残ったままの騎士に問いかけると、騎士は声もなく頷いて見せた。

 今日はかれこれ二時間ほど訓練をしているが、騎士に疲れは見えない。きっと体力が常人のそれとは桁違いなのだろう。

 少し羨ましいなと思いながら見ていると、ルカ様に声をかけられて慌てて顔を向けた。

 

「じゃあレティシア、これをお願いしますね」

 

 そう言ってルカ様が差し出したのは、羽織っていたマントだった。錫杖を持ったままでどう脱いだのか分からないが、手触りのいいマントが二つ折りにされて差し出されている。私は地面に裾がつかないようにマントを受け取って頷く。すると、ルカ様は錫杖を自身の肩に立てかけて軽く伸びをした。準備運動みたいな感じだろうか。

 今日のルカ様は、アレス皇子とともにヘクセン国の使者と、小さな会談の予定がおありだった。そのため帝国の正式な制服を身につけている。

 ルーイ様とは型違いの宮廷魔導師の制服。

 夏至祭の式典時に着用していた衣装と形は似ているが、その色は紫に近く、光によっては濃い灰色のようにも黒のようにも見える。一般的にはあまり出回っていない珍しい布地だ。

 準備ができたのか、ルカ様が中央へ歩いて行った。

 私はマントをさっとたたみ直し、近くのベンチに置いてから、ルカ様が中央で騎士と向かい合わせに立つのを見守った。

 ルカ様の表情は普段と変わらず余裕そうに見える。

 

「好きに初めていただいて構いませんぞ」

 

 ロペス様がニコニコしながら声をかけると、騎士がちらとロペス様を見てから足を大きく前に踏み出した。

 先手必勝! とばかりに素早い動きで駆ける騎士の手元は、正確にルカ様の喉元を狙っている。

 あっという間に詰められた距離に、思わず息を呑み込む。そうしてまた、玄関の時と同じ不安感が胸に広がる。

 杖を振おうともせずただ立っているだけのルカ様。

 ルカ様まであと一歩のところまで剣が迫ると、ルカ様がようやく錫杖を動かす素振りを見せた。

 ほんのわずかに傾けられた杖頭がほのかに光り、薄い膜のような壁が一瞬浮かんで剣先を弾く。

 固い障害物に当たった時と似たような動きで弾かれた剣。だが騎士は怯むことなくすぐにその軌道を立て直し、二撃目・三劇目と繰り出す。

 突きと斬撃。

 そのどちらも、音もなく弾く魔法の膜。

 騎士の剣は少しも膜を越えることはできない。

 しかし、これはかなり心臓に悪い。

 間合いが近いと聞いてはいたが、目と鼻の先まで引きつけてからというのは恐ろしい。

 握りしめた手のひらに、じっとりと汗をかいてしまった。

 ルカ様は怖くないのだろうか?

 

「へぇ、面白いことやってるな」

 

 その場に居るはずのない人物の声がすぐ真後ろから聞こえ、慌てて振り向くと、訓練場の入り口の壁に、腕を組んだルーイ様が寄りかかって立っていた。

 いつからご覧になっていたのだろうか。気配をまったく感じなかった。

 私に続いてロペス様も振り返り、それに気づいたルーイ様は、組んだ腕を外してカツカツと踵を鳴らして歩いてきた。

 高位の宮廷魔導師が身につける制服。ほぼ普段着になっているルーイ様のそれは、鮮やかな赤と金糸の刺繍がとても美しい。

 

「これはルーイ様。お久しぶりでございます」

「久しぶりだなロペス。それで? ルカはともかく、なんでメイドがここに居るんだ?」

 

 あからさまに敵意のこもった視線を向けられて、ついロペス様の影に隠れたくなった。しかし、ロペス様が先にルーイ様へと質問を返されたので、なんとか踏みとどまれた。

 

「ルーイ様はどうしてこちらへ?」 

「たまたま通りかかったら、ルカの姿が見えたんだ。訓練場にルカなんて珍しいだろ? 何やってんのか気になったんだ」

「そうでございましたか」

 

 ルーイ様は質問を逸らされて少し不満そうな顔をしたが、ロペス様に答えてから私から視線を逸らし、続けて質問を始めた。

 

「それで、ルカが訓練なんて、何があったんだ?」

「えぇ、それがちょっと前に、魔法以外の訓練も必要だとイリア様がお勧めされまして。それで、やる気になったようでございます」

 

 確かに、あの時イリア様が言われなければ、ルカ様は訓練をするつもりなどなかっただろう。

 

「魔法以外の訓練なんだろ? 魔法で防御してるように見えるが?」

「今は間合いの確認でございますよルーイ様。物理のみは、何せ久々でございますからね、ルカ様は」

「ふぅん……」

 

 ルーイ様はしばらくルカ様をじっと観察するようにご覧になっていて、「あぁ」と苦笑いを浮かべて腰に手を当てた。

 

「なんだあの足つき。アレで魔法なしでやりあうのか? ちょっと不安だな……」

 

 ルーイ様の言葉にロペス様も苦笑いを浮かべた。ロペス様もそうお思いだったのだろうか?

 私の目には、間合いこそ近いが、その他は特に危なっかしいとは感じない。

 ルーイ様はルカ様と同じ宮廷魔導師。そのご関係も長い。きっとルカ様の闘い方を良くご存知なのだろう。

 

「まぁ、ここ最近は戦闘なんてほとんどなかったからな、仕方はないが……。おーいルカ! ちょっと手を止めろよ!」

 

 独り言のように言ったあと、ルーイ様はルカ様を大きな声で呼び止めた。

 騎士が手を止め、ルカ様も錫杖を下ろしてルーイ様に顔を向ける。その顔には、どうしてルーイ様が居るのだ? という疑問が見えた。

 

「訓練ならオレが相手でも良いだろう? 時間もあるし、久しぶりに手合わせしようじゃないか?」

「はぁ、ルーイとですか? それは、まぁ……良いですけど」

 

 ルーイ様の突然の提案に、ルカ様はあまり気乗りしないような返事をした。すると、ルーイ様は右手に自身の杖を取り出して不敵に笑って挑発めいたことを言い始めた。

 

「最後におまえとやった時はオレが勝ったよな? また負けそうだから乗り気じゃないのか?」

「違いますよ。だいたいあれは魔法なしで、純粋に杖だけの試合だったじゃないですか……」

「ふぅん。なら、魔法有りでなら勝てるって? ならここが壊れない程度の魔法までなら、有効ってことにしようか? なぁロペス、構わないか?」

 

 ルーイ様の問いに、ロペス様は髭を触りながらゆっくり頷いた。

 

「構いませんが、お互い大怪我になるようなことはせんで下さいよ?」

 

 ルーイ様は「わかってる」と言って、杖を一周くるんと大きく回してから中央へと歩んだ。

 ルーイ様と交代で中央から騎士が戻ってきて、ロペス様と私に軽く頭を下げる。そうしてから騎士は、ロペス様から少し離れた柱の側にひっそりと立ちルカ様とルーイ様をじっと見つめた。

 きっと興味があるのだろう。なにせ、帝国でも名の知れた魔導師同士の模擬戦だ。

 ルーイ様がルカ様に向き直って杖を軽く構えた。

 

「メイドの前で負けるのが恥ずかしいなら、別に止めてもいいぜ?」

「何を馬鹿なことを……さっさと始めましょう。ロペス、合図を!」

 

 少し苛ついた口調でルカ様がロペス様に合図をせがむと、ロペス様は苦笑いを浮かべてから頷いて、髭から手を離したあと片手を上げて「では、始め!」と声を張った。

 その声を合図に、ルーイ様がしゃべりながら大きく足を踏み出した。

 

「ハハ! 苛つくなよルカ。訓練は良いことだもんな? 刺客に襲われてメイドに守ってもらっているようじゃ、情けないし。玄関での揉め事の時も、騎士の剣から守ってもらってたって、魔導師たちから聞いたぞ?」

 

 ルーイ様がルカ様との間合いをつめて杖を振りかぶる。しかし杖にはまだ魔法が発動する兆しはない。

 

「失礼な! 僕の実力は十分知っているでしょう? 彼女はただの護衛ですよ!」

「護衛? ただのメイドじゃなかったのか?」

 

 振りかぶられていた杖が、ルカ様の肩口目掛けておろされる。

 剣の交じる音とは違う、それよりも少し軽い音が吹き抜けに響いた。

 ルカ様の長い錫杖とルーイ様のごく一般的な長さの杖が、見事に交差した。

 

「ただのメイドですよ。護衛はオマケみたいな物です」

「護衛がオマケねぇ?」

 

 力比べならばルーイ様の方が強いようで、ジリジリとルカ様が押されている。

 

「そんなオマケの護衛なんて、急な襲撃に対応できるのか? あぁ、そういやオレは、おまえ自身が急な襲撃にどれだけ対応できるのかも良く知らないな。どちらかといえば、おまえとは奇襲ばかりしてたしな!」

 

 パァン と、紙袋が弾けるような音がして、ルーイ様が杖を持ったまま大きく後ろによろめいた。

 ルカ様の杖尻がルーイ様の足元をすくうように動く。けれど、その杖尻は足元に届く前にルーイ様の杖に阻まれて動きを止めた。

 攻撃を阻まれ残念そうにルーイ様を見て、ルカ様が言う。

 

「そんなこと、知るような機会がなければそれが一番でしょう?」

「そうだな。知る機会はない方が良いな……。じゃあ、話題を変えようか?」

 

 自分の足元近くでルカ様の杖を止めながら、ルーイ様が続ける。

 

「デクス嬢のことだが、おまえ、ずいぶん彼女を気に入ったみたいじゃないか。お茶の次は夕食だって?」

「なんで今、そんな話を持ち出すんです?」

 

 戦闘の最中だからか、普段よりも声大きく喋る二人の会話は、私たちのところまでしっかり届いてくる。そのことをお二人ともあまり気にしていないご様子だ。それとも、それだけこの場にいる人たちに信頼を寄せているということだろうか。

 

「おまえは気に入ってもいない相手に、仕事も関係なしで二度も会いに行かないだろ?」

「仕事が関係ないってどうしてわかるんです?」

「関係あるのか?」

 

 ルーイ様の質問返しにルカ様は口をつぐみ、交差した杖を離して素早くルーイ様から距離をとった。

 目の前に錫杖を構え直して姿勢を整えると、先ほどよりも苛立った口調で冷ややかな視線を向ける。

 

「あなたはどうだっていうんです? ルーイ。ヘクセンから打診があったそうじゃないですか、姫君との婚姻の」

 

 それは、かなり重要な話しだ。

 最近関係が良好ではない国の姫君との婚姻。

 もうあと数ヶ月でこの帝国の執政官になる人間との婚姻ともなれば、それは国同士のそれを意味することにもなる。

 

「その話は正式にじゃあない。だから断った」

「へぇ? 正式にだったら断らなかったと?」

「どのみち答えは同じだ。オレにそんな余裕はないからな」

 

 はっきりと断言したルーイ様が、杖を軽く振るって一歩踏み出した。

 ルカ様はその動きに一切反応せず、錫杖を構えたまま喋り続ける。

 

「ヘクセンとの婚姻は、良い話だと思いますけどね。アーエンハイムだって、いつ裏切るともわからなんですから」

 

 ルーイ様が急に杖を引いて立ち止まった。

 それまでとは違う空気がルーイ様から立ち込める。

 それが静かな怒りであると、中央から距離のあるここまでひしひしと伝わってきた。

 ルーイ様が立ち止まったことで生まれた静かな間に、チリチリ と、小さな音が耳の奥に聞こえた気がした。

 

「アーエンハイムは裏切ることはない」

 

 間を置いて、落ち着いた深い声音ではっきりと告げたルーイ様の杖先に、雷のような光が走ったように見えた。

 チリチリ という音は、どうやらそこから聞こえてくるようだ。

 次第に大きくなるチリチリという音。その音に呼応するように、杖先の光も段々と強く大きくなっていく。

 その場で杖を横へ大きく構えたルーイ様が、ルカ様へ向けて一気に薙ぎ払った。

 駆ける稲妻は瞬き一つの間にルカ様へ迫り、その軌跡を私の目の奥に焼きつけた。

 稲妻の駆ける音が光に続いて耳に届くと、それを追いかけるようにルカ様の錫杖の音が吹き抜けへと響いた。

 細い金属の錫杖飾り。

 金属製の風鈴が鳴る音のように清らかで繊細な音。

 その音に、訓練場の空気全体が澄んだような気がした。その瞬間、稲妻が急に四方へ飛散した。

 徐々に小さく散っていく稲妻の光。それに次いで、スカートの裾がはためくくらいの少し強い風がやってきた。

 その風は少しだけ熱を帯びていて、露出された肌にほんのわずかに刺すような痛みを与えてくる。

 気づけばロペス様が半歩ほど前に踏み出して、私を庇うように立っていた。

 そう動かないといけないほどの魔法を、どちらか、もしくは両方が使ったということだ。

 中央で微動だにしない二人に、不安が大きくなる。

 互いに大怪我をしない程度の魔法だけとの約束だったはずが、だいぶ度を越してきている。いいや、よく言葉を思い返してみれば、ロペス様は〝大怪我〟をと言ったのだ。

 普通の怪我ならば良いと、この二人は解釈したのではないか?

 帝国でも一・二を争う魔導師で、宮廷魔導師の長でもある二人が、まさかお互い負傷するような事態を作るとは思いたくはない。しかし、言葉の意味を屁理屈で曲げてしまう気質をこのお二人はお持ちだ。

 急に体に緊張感が広がり、嫌な予感が胸に生まれた。

 

 怪我とは、どの程度までだろう?

 さすがに骨を折るのは大怪我だと思うが、縫わぬ程度の出血を伴う傷は、どうだろう?

 

 チリチリ と、また耳の奥に響く音に、つい今は下げていない腰の剣を手探った。

 そうだ、剣は……?

 この状況で手元に武器が無いのが恐ろしい。剣があっても魔法をどうこうはできないが、無いよりはあったほうが冷静さは保てる。

 私は近くのベンチに置いてある自分の細剣を慌てて取りに行き、手早く腰にベルトを回した。

 

「ルカは、何を根拠にアーエンハイムが裏切ると? それとも、探りでも入れるのか?」

「さぁ、どうでしょうね? でも僕は、次期執政官ですからね。ある程度はそんな探りを入れていてもおかしくはないでしょう?」

 

 ルカ様の問いかけにルーイ様が閉口し、その顔には険しさが増した。

 ルカ様の表情もいつの間にか厳しい顔つきになっている。

 緊張感のある声音でルカ様が続ける。

 

「アレス皇子同様、僕にもこの帝国を守る義務がありますから。危ない情報は調べないと。そうでしょう? ルーイ?」

 

 閉口しているルーイ様の目つきは、今までで一番鋭く見える。

 重くなる一方の訓練場の空気に、模擬戦だということを忘れてしまいそうになる。

 次第に強さを増していくルーイ様の杖先の魔法は、前のものよりも光が強く強力そうだ。

 傍に立っているロペス様の表情もさらに硬くなっている。

 ルカ様もルーイ様も、いささか白熱しすぎている。

 そう、きっとお止めした方が良い。

 間に入って止められるうちに——— そんな考えと同時に、私はロペス様の横をすり抜けて中央へと走った。

 

「お二人とも、お止め下さいませ!」

 

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