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「3」

「しゃほうはっせつ……」


「ルイはそれを一字一句間違えずに言えてからじゃないと教えない」


「うへぇ……」


 俊哉が入ったサークルは弓道サークルだった。

 彼は高校も弓道部だったらしい、さらに、全国大会に行ったことがあるという。


 はい、ここで彼の外見を紹介しよう。

 黒髪のショートをワックスで緩く整え、二重でくっきりとした目、スッと高い鼻、薄い唇。顔はもちろん小さく8頭身。


 分かりますか、ここに袴を着るわけです。


「やっぱイケメンだなぁ」


「外見が良くたって弓道が上手くなる訳じゃない」


「でもさー本当俺、しゅんやはかっこいいと思うんだよね」


「ルイ……お前だって十分イケメンの部類だから。自己評価が低いだけ」


「いやいやーでもさ……」


「周りがそう思っても、俺はそう思ってる。それでいいだろ」



 __トゥクン



 はっ!


 俺の目線に合わせ俊哉が屈みながら言って来た。

 なんだなんだトゥクンて、一々行動がかっこいいな、こいつ。

 一瞬キスされちゃうかと思って顔が熱いわ。



「とりあえず、次俺にかっこいいって言ったらお前にストーカーされてるっていう内容をサークルチャットに書き込む」


「おお、割と陰湿、やめて」


「じゃあ、その赤い顔をやめろよ、俺は女が好きだし」


「わかってるわ!俺だって女の子好きだし!」



 叫んだ声が後ろにいた女の子達に聞かれたので、俺のサークル生活はマイナススタートだという事が決定した。








 ここで俺の外見も伝えておこう。

 細い目に低くもない鼻、口は薄い方で丸目の顔をしている。髪の毛は大学に入ると同時にアッシュブラウンに染めた状態だ。身長は175㎝、普通な方だと思っていたら俊哉が隣に並ぶと結構小さく見えるらしい。

 片目の視力が極端に悪いのでコンクトを入れてるが、紫外線にも弱いため黒縁眼鏡もかけている。

 まぁ、よくいる大学生の外見だ。


 俺はこれまで、初めての人生で過ごした時以外は彼女を作っていない訳だが、毎回チャラい男だという謎のイメージがついてしまっていた。

 女の子と2人キリになること無く、寧ろ人と関わるのが面倒で部屋に引きこもっていたのに、だ。



 という事で、俺は決めた。イメージを本当にしてしまおう。

 バイト先は洋服なども置いている雑貨屋に決め、ピアスも開けて、色んな人と連絡先も交換した。


 今回俺は本物のチャラ男になってやるぜ。



 因みにその雑貨屋というのは香織さんの勤めるカフェの前隣の前。カフェではもうバイトは募集していなかったから仕方ない。

 でも時給も高めだし、売り上げで歩合が付くらしい。


 なかなかいいでしょ?


 ここまで完璧だと思ってるから。



 俊哉はバイト先を近くのカフェにしたらしい。

 カフェと言っても夜はバーになるカフェで、ドリンク作成やらするみたい。

 ここは前回と違うので色々聞きながら調べていけたらいいなと思っている。




 さて。そろそろ射法八節を完璧に覚えよう。

 そう思って俊哉に渡された紙を見ながら文言を唱え始めた時、声をかけられた。


「足踏み、足を肩幅に開き……」


「覚えた?」


「ん?ん!?」


 彼女は柳田紗希(やなぎださき)前の時の俊哉の元カノ。


「えっと、柳田さん、だっけ?」


「うん、そう、さきって呼んでいいよ、るい」


「……分かったよ」


 や、やっぱりすぐにはチャラ男は難しいかもしれない。

 女の子を呼び捨てなんてそんなすぐに切り替えられないんですけど。

 そう思いながら必死で彼女との会話を終えた。

 結局最後まで名前は呼ばなかったけれど。




 柳田紗希という人物について、

 俺は前回まで全く関わって来なかったので、俊哉からの情報しか知らないが、最後別れてくれなかった以外は悪い話しを全く聞かない子だった。


 茶髪に染めた髪は常に艶々にさせて長く、お化粧ばっちり、ネイルばっちり、スタイルもばっちり、バックとかはブランド品ばっちり。

 でも、バイトがんばってるし、料理とか作ってくれるし、風邪の時面倒見てくれるし、束縛もそんなにしないし。


 一緒にいて楽だ。と俊哉は言っていた気がする。



 普通に、めっちゃ良い子。

 しかも、とても美人な子だし、とても女子な感じだと思う。


 今話した感じからも、俺に気を使って話しかけてくれた事が良く分かった。


 でも多分、俊哉にとって付き合っている子について、そんなに関心が無かったのかもしれない。

 自分を好きで居てくれる、一緒にいて楽な子。

 付き合っていれば他の女子は寄ってこないし、飲み会の誘いを断る理由にもしていた気がする。



 待て待て、それが本当なら俊哉、最低なやつかよ。


 男たちの中では良いやつだけど、女の子に対しては違うってことか。

 というか、香織さん以外と付き合っちゃだめなんじゃないか?




 ここで再度俺の役割の大切さを思い知る。


 女の子達に嫌われてもいい。

 最低な俊哉の姿を阻止する為にもやれる事はやるしかない。


「先が思いやられる……」


 想像よりも大分やる事が多いと感じながら、目の前の文字を頭に入れていった。



お読みいただきありがとうございます!


まだもう少し設定のお話が続きます。

ゲームの中に入るのはちょっと先の予定。

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