ステータス
リビングに入るとすでにテーブルを囲んで3人が座っていた。
「え〜と……またせちゃった?」
別に待ち合わせをしているわけではないが一応な。
「ううん。休んでただけだから気にしなくていいよ」
佐藤さんが笑顔を向けながら答えてくれる。
うん。やっぱり可愛いな。
思っていることが顔にでないように気をつけながら
「そうか」
と言いながら、空いてる席につく。
部屋のホコリは無くなってキレイになっていた。。
「あの桐谷くん。この状況なんだけど……」
「ああ、うん。ここなんだけど……」
佐藤さんが不安そうな顔で聞いてきたので先程日記で得た情報をひと通り話す。
残りの2人も聞いててくれてるよ?ちゃんと。
……………たぶんだけど。
「で、こんな感じなんだけど………次にまずなんでこんな状況になってるかだけど心当たりあったりする?」
「ううん。ないかな〜。結奈は?」
「気づいたらあそこに立ってたから………」
「う〜ん。鈴木さんもやっぱりない?」
「うん。とくにない。」
鈴木さんとの初会話‼︎だけど嫌われてないよね⁉︎
うん大丈夫だよね。文面はそっけないけど語調は普通だったし。うん。大丈夫。
「となると、俺にも心あたりないし考えても無駄か〜」
「そうすると能力確認かな。」
「能力確認?」
俺の言葉に3人とも首を傾げている。
「あぁ、さっき日記を読んだ時も知らない文字だったんだが、意味が頭に入ってきたんだ。だから、あれをきっかけとしてそういう能力がついた可能性が高い」
「だから、他にも何か変わったことがあるかもしれないと………」
「そういうこと。」
「ふ〜ん。桐谷くん頭いいんだね。私そんなこと思いもしなかったな〜」
「う〜ん。頭がいいというか、最近似たような状況の本を読んだんだよね。まぁ全く同じというわけじゃないから微妙なとこなんだけど」
褒められて悪い気はしなかったもののやっぱり恥ずかしかったので少々目線を逸らしながら正直に答える。
実際、異世界転移が知識としてあったのは大きかった
。戦闘こそ誤算だったが、その後落ち着いて行動できたのは知識があったからだろう。
「本?へ〜不思議なこともあるんだね。
でも、どうやって能力がついたかなんて確認するの?」
「う〜んと、そこなんだよね。文字とか、言葉だとかならわかるけど、わかりにくいものだったりするとね……」
「桐谷くんが読んだ本とかだとどうやって確認してたの?」
横山さんが純粋な疑問として聞いて来るが………
ひとつ思いつくし、ひとりならすでに言ってるだろうが、この状況だとなぁ………
言っちゃうか?言っちゃうのか?
あの厨二感満載のキーワードを‼︎
ここは恥ずかしがらずに言えば問題ない。
純粋に可能性として言ってみるんだ。うん。
よし。いくぞ。
深呼吸をして……
ふ〜落ち着け落ち着け。
「え、え〜と、す、ステータス、お、オープンとか、かな?」
だ、だめだ。
はずい。やっぱり恥ずかしすぎる。
死にたい。
噛み噛みだし、きょどってるし。
穴にこもりたい……………
………で、結局出ましたよ?目の前に。
音もせず突然。
ただ3人の視線が痛いよ。
多分ただ見られてるだけで特に何か思われてるわけじゃなく、自分の被害妄想なんだろうけど視線が痛いよ‼︎‼︎
「んっ、こほん。えっとでたんだけど見える?」
俺のステータスウインドウに反応してくれないので
見えているかがわからない。
「ん?」
3人とも首を傾げているので見えていないのだろう。
俺が厨二病発動して頭の中で作り出してるわけじゃないよな⁉︎
それだったら泣くよ?
もう俺号泣するよ⁉︎いいよね?泣いて。
と、ふざけるのはここまでにして。
説明しないとね、説明。
「え〜と…ね、今、俺の前にステータスウインドウ?が出てて、えっと……ステータスオープンって言ってみて?」
「えっと……ステータスオープン?……わっ……な、何これ?」
うん。3人とも驚いてるし、俺が厨二病発動したわけではないと。
良かった。
末期まで来たかと心配してたんだよ。
で、3人が驚いてる間に俺も自分の能力確認しよっと。つーか冷静なふりしてたけど内心ステータスウインドウ出た時は歓喜してたよ。
んーと。
まず項目があって上からステータス、マップ、検索、読込となってる。
まぁ、まずはステータスだよね。めちゃくちゃ気になるし。ポチッとな。
桐谷 涼 (きりたに りょう)
レベル3
HP 656/656
MP 564/564
攻撃 174
防御 147
俊敏 189
知力 162
器用 156
精神 120
SP 30
ユニークスキル
成長上昇
魔眼
結界
スキル
鑑定Lv1
隠蔽Lv1
剣術Lv1
ステータスはこんな感じ。
う〜ん。能力値はどうなんだろうか。
比較対象がないからわからないなぁ………
次にユニークスキル‼︎‼︎
これはどの小説でもチートの定番だからね‼︎‼︎
期待しちゃう‼︎しかも3つだし。
えっと……これは…おぉっ、タップしたら詳細が出るみたいだな。
ユニークスキルを見ていこうか。
「ねぇ。桐谷くん、なんか出たんだけどこれって?」
タップしようとしたところで佐藤さんが。
おぅ。完全に自分の世界に入っていたよ。
口元ニヤニヤとかしてなかったよな。
そんなことして3人にキモがられたらもう生きていけないよ。
ショック死しちゃうよ?いいの?ショック死してもいい?
「……桐谷くん?」
また、自分の世界に入っちゃってたよ。
このままじゃ本当に変態扱いされちゃうよ?
おっほん。
「え〜と。まずみんなステータスって書いてあるところわかる?」
やっと本題。
実際俺が頭の中で考えてただけだから時間は全然経ってないんだけどね。
3人とも頷いているので同じのが出てるんだろう。
「次にそこをタップして……うん。ステータス。」
3人ともでたみたいだ
俺も自分のステータスウインドウに目線を戻す。
すると、さっきは気づかなかったが右下に閲覧許可というボタンがあった。
押してみる。
すると次の指示を待っていた3人が少し目を見開いた。
ウインドウが見えたんだろう。
ふむ。それなら………
「目の前に出てるのがステータスと言って、さっき言ってた能力値なんだけど、右下の閲覧許可ボタンで他の人にも見えるみたいだけど……これから協力してくわけだし、見せ合ってもいいかな?」
少し首を傾げ聞いてみる。
え?男子がやってもキモいだけだって?
余計なお世話だよ⁉︎別に男子がやったっていいだろ?
……………まぁ女の子にやってほしいというのはめちゃくちゃわかるけど。それも可愛いこね‼︎‼︎
また話がとんだけど、協力してくよね。
話聞いたら男子1人だからぽいとかされないよね?
………少し心配になって来た……ま、まさかね?
「うん。いいよ。お互いのこと知ってた方がやりやすいよね。」
うん。可愛い。
佐藤さんが満面の笑みを向けてくれたよ。
なんかさっきから可愛い可愛いしか言ってない気するけど可愛いんだもん。仕方ない。うん、仕方ない。
……と、まぁ許可が出たのでそれぞれに閲覧許可を押してもらい出てきたステータスウインドウを見させてもらう。