我々が欲しいのは全休
黒「実は…あんまり女性の人と話せなくて。声をかけられるってわかるとすぐ逃げちゃう癖があるんだ」
んなこと知るかよぉぉぉぉぉ!!!!!
じゃあ逃げるなよ!!
なんだよ!!
もっともーっとヤバめのことかと思ったのにさ!
南「私も女性だけど」
黒「違う!そういう意味じゃなくて…。自分から声をかけることはまだマシなんだけどいきなりこられたりすると…」
南「…」
私、どう反応したら良いのかしら?
美「え?それで終わり?」
南「終わり、ほぼほぼ」
菫「嘘でしょ、他になんか…えー?」
火曜日の午前休。
貴重な午前休なんて関係なしに図書館に集まった。
もちろん、課題とかあるからなんだけど。
春「概要をさっき知った人間なんだが…。反応しづらいな」
実際、あの後は本当にたわいのない話しかしておらず正直行っても行かなくてもって思ってしまう。
南「とりあえず、私と会ったら挨拶をすることから始めることにした」
晴「初歩的…幼稚園生の最初を思い出すね」
南「まあ、実際そういう人いるからね。高校の時とかも相談来る人いたし」
菫「やっぱりいるんだね。逆いえば、男性恐怖症とかもあるんだしさ」
南「いたいた。彼氏と別れてからそうなった子もいたよ」
美「にしても相談相手があの黒金くんだったとは…」
菫「ねー。学部1のイケメン?でしょ。柚木が聞いたらなんていうか」
南「まーね、うん」
それよりも裏で伊鈴が関わってたのがびっくりだった。
学科メンバーでも伊鈴との関わりがあることを知ってるのは少ない。
今いる3人だけだ。
晴「それよりも斎藤くんが関わってたことの方がビックリ」
美「あれ?斎藤くん会ったことあるの?」
晴「一応ね、一回だけ。南子があんまりにも酔っ払って歩けなくなった時に自分で呼んでた」
南「…あったね、そんなことも。何かあったらすぐに連絡するようにしてるからね」
美「どんな子!?どんな子ー!?!?」
南「普通の子だよ。黒金くんよりはイケメンじゃないし」
晴「また相談会するの?」
南「するらしい」
次回は今週の金曜日。
今度はお酒が飲める場所にして理性は少し払おうという話になった。
自分のことは自分がよく分かってる、そんな風に感じる男の子だった。
多分、何かあって女性が恐くなっているのだろう。
菫「大丈夫?南子、結構忙しいじゃん」
南「しゃーない。私のことを頼ってわざわざ連絡をくれたんだ。それなら最後まで面倒みるよ」
晴「珍しい…」
南「まあ実のところ、あのあとに伊鈴から念押しされたんだよ」
菫「斎藤くん…。南子の扱いがよく分かってる…」
美「斎藤くんに会ってみたくなってきた」
南「会っても面白くないよ、話はつまらないし顔もつまらない」
「悪かったね、顔もつまらなくて」
聞き覚えのある声にふと後ろを向くと分厚い教科書を持った伊鈴がいた。
南「や、伊鈴。元気かい」
伊「南子さんよ、人の悪口は他でやってくれない?」
美「え、えええ、伊鈴くん?」
晴「そうだよ、斎藤くんじゃん。南子の保護者」
南「黒金くんのことはしっかりやるからさ、ね?心配しないよ」
伊「そこは心配してない。爽平にブラックな部分を早めに見せておけよ。じゃないと変なイメージ持たれるぞ」
菫「正論だね」
晴「確かに南子のブラックな部分はさっさと理解しないと何が何だかわからないもんね」
美「外見からは想像つかないブラックだしね」
南「否定はしないぞ」
伊「…まあ、ほどほどに。……もうあいつからは連絡ないのか?」
南「前の人の話?うん、もう平気」
じゃ、と言って伊鈴は図書館を後にした。
菫「前の人って…」
晴「前の彼氏さんだよね、確か」
南「一回だけ連絡があってね。相談したんだよ」
晴「あーあるよね、うん。私もあった」
美「誰かと付き合ってみたい…」
南「それ以来、心配してるんだよ。もう何もないのにね」
高校時代から何かと相談してたからだと思うけど。
伊鈴はいつも私の味方をしてくれた。
もちろん、私も伊鈴の味方だ。
だから黒金くんのことも力になりたい。
南「もう11時じゃん」
美「学食!学食いこう!!」
菫「賛成!!予習は終わったし行こう!」
特に何もなかったけど、実は3限、4限は黒金くんと同じ授業。
果たして私は話しかけることができるのか…。
ゴールデンウィークですねー。
今年は帰省をすることにしました。
バイト入ってもよかったんですが…。
実験中に様々な匂いがして大変鼻がやばい。