表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
図書室にいる付喪神  作者: 叶汰
7/8

第7話『悪感』

「昨日はホントに悪かった!」


「もういいって(苦笑)

大体は私情で抜けた俺が悪かったんだから。」


「でも、行けって言ったのは俺だし…」


今は朝練中。朝練は監督もコーチも来ないからほとんど自主練になっている。

俺に謝っているのは昨日、俺を庇えなかったやつで俺は気にしてないっていうのに謝ってくる、結構律儀なやつだ。

名前は会津鈴音(あいずりお)という。


「大丈夫だって。ホントに気にしてないから。」


「……ホントにごめん。」


「もう謝んなって!な?」


「……おう。」


はぁ。

やっと止まった。

鈴音は俺とは違うクラスで、

確か、風見と一緒なクラスだったはずだ。

鈴音は大概誰とも仲良く出来て、クラスや部活ではムードメーカーのようなものだ。


「鈴音じゃん!うちのクラスに用事?」


「鈴音くん…!」


桐椰(きりや)に、愛華(あいか)ちゃん!」


菊野桐椰(きくのきりや)さん。

うちのクラスの学級委員で女子だ。

女子バスケ部に所属していて副部長でエースをやっている。

ただ、なんというか男勝りで気性が荒い。

怒らせると物凄く怖い。


そしてその隣に居るのが白沢愛華(しらざわあいか)ちゃん。

桐椰さんと親友らしく、いつも一緒にいる。

うちの学校で一番可愛いのは?と聞かれたら真っ先に出てくるような子だ。

確か、男子サッカーのマネージャーをしていたはずだ。


本人達が気づいてるのかどうかは知らないが、この3人は三角関係にある。

桐椰さんも、愛華ちゃんも2人共、鈴音の事が好き、らしい。

噂だから何とも言えないが。

俺は別に愛華ちゃんを好きとか、桐椰さんを好いてるとかないから関係ないのだが

愛華ちゃんファンがどう思ってるかは、大体検討がつくだろう。


「もうチャイムなるぞ?」


そう言って、俺の近くで話していた連中を散らす。

鈴音達はまだ、桐椰さんの自席付近で話しているがチャイムが鳴ったためそれぞれに散る。


先生が来ない、とチャイムが鳴り終わって数分後、全員がザワつく。

どうしたのだろうか。

他のクラスからは朝のHRをやっている声が聞こえるため、先生達全員の用事でない事は確かだ。


うちのクラスの担任で野球部の顧問を務めている、村上明晴(むらかみめいせい)先生、通称『太陽先生』は体育会系の先生で、いつも明るい元気な先生だ。

今までも遅刻したなんて聞いたこともないし、そんな事をする先生ではない。


「……旭。」


夜灯が俺を呼ぶ。

今日は夜灯も連れ来ては居たものの指輪の中に入り出てこなかったため、どうしたのかと困っていたのだが。


「何か、近づいてくるぞ。」


「!!」


夜灯はそう言い、警戒態勢を取る。

只事では無いのかもしれないと思い、俺も少し警戒する。


何が、起こるんだ…?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ