第4話『わからない』
助かった!
司書さんなら常識人だしわかってくれるっ!!
「司書さん!こいつ、変じ」
「安住っ!」
「あんたね!内側から鍵開けたの!!
矢本、あんたは人間嫌いじゃないかもしれないけど、こっちからすれば普通は関わることの無い子達なのよ!?」
「だっ、だって……面白そうな子達だから……」
「だからって勝手な事しないで!!大体、付喪神が人の前に現れちゃダメでしょうが!!」
ど、どういうことだ…?
こいつの言ってたことは……?
「つまり、こいつはホントの……
付喪、神……?」
有り得ない。そんな、非科学的なこと…
有り得るわけがない……
「信じられる、わけ…」
でも実際に存在しているのか?
司書さんの言っていることを疑っている訳じゃない…とは、言いきれないが…。
というか、そんなものが存在したとして、何でこんな場所にいる。
なんで、俺達に見える…。
今までだって100年以上たったものなんて沢山見てきた。なのに、何故今、矢本とか言うこいつは、俺達に見えている。
「はぁ。もう、見たものは仕方ないわね。
風見くんは少し理解しているようだけど…
野宮くん、貴方はまだ理解出来てないようね。」
理解?この状況をどう理解しろと?
わからない。
司書さんが何を考えているのかも、風見が何をどう理解しているのかも。
わからない。
なんで、皆は俺をそんな目で見る…?
矢本、君が付喪神ならなんで今まで俺達付喪神が見えてこなかった…?
急に見えるようになる?そんなの、有り得ない…。
なぁ、そうだろ?
どうやって、俺に理解しろって言うんだよ…。
わかんねぇよ。
「まずいぞ!安住!」
「野宮くんっ!あー、もうっ!!」
司書さんは何かの御札二枚を俺に向かって指している。
なんで、矢本は俺を見ている?
何故それは俺に向けられている?
俺になんでそんなものを向ける?
「野宮っ、お前!!」
風見、お前はなんで俺をそんな目でみる?
わからない、わからない。
ワカラナイ。
「っ。野宮くん、ごめんねっ
裂!除!」
「行って来るっ」
そう言って矢本は視界から消えた。
「っはっ…!!」
熱い、熱い熱い!!
何だこれ、痛いっ!!
「野宮くんっ!」
「野宮!!」
「っは、司書さっ、風見…!!」
「耐えて、耐えるの!じゃなきゃ精神を持っていかれるわよ!!」
精、神…?
何の話だ?
一体、今、俺の身に何が起こっているんだ…?
「もう、少しっ……!」
「野宮っ!!」
「うぐぅ…がはっ、ぐ…」
「野宮っ!なぁ、まだなのかよ!?」
「もう少しって矢本が言ってるでしょっ!?」
「出来たっ!!安住!!」
「よしっ、
解!!」
スッと俺の身体が軽くなった、気がした。
「うっ、」
ドタンッ
「野宮!!」
「はぁ、はぁ。」
「よく耐えたわね、野宮くん。
ごめんね。後、ありがとう。また、1人、救うことが出来たわ。」
「司書さん、これは……」
俺のそばには
1人の男の子が横たわっていた。