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蒼き閃滅のドラゴンハート  作者: ドラソード
プロローグ
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第6話(前編) 特訓

第6話(前編)

特訓



辺りに微妙な空気が漂う、そのなんとも言えない表情、雰囲気に俺の方もやりきれない気持ちで沢山だった。


「……えっ……えっ」


「隆誠君……?」


そんなクラーケン期待していたら大王イカでと思ったらホタルイカだったみたいな目でこちらを見るのはやめてくれ……と俺の方も悲しくなっていた。


「悪い、頭ん中まっしろ」


「詠唱……ほら、この前の悪魔と戦った時に言っていた言葉思い出せない? 頭の中に浮かんできたりしない?」


「驚きの白さ」


「何その洗剤の宣伝文句みたいな」


「潜在能力だけに?」


殴られた。


「まいったなぁ……」


あの後、訓練所に来て模擬戦用のフィールドとやらを展開したまでは良かった。


先には訓練用のデコイがありこの前同様に俺は腕に力を込める、しかし剣どころか光すら出ない。まるで普段通りの感覚だ。


ふと周りを見るとそこにはフィールドの中心で厨二病なポーズや構えをとっている痛い少年を見る冷たげな視線があった。


「いきなりこれとか後先思いやられるわー……」


「俺だって今必死に思い出しているよ……でもあの時の記憶も若干意識失った影響で抜け落ちてるし」


「やっぱり無理しないで大人しくしていよう隆誠、うん」


実際そこだけではない、あれ以来頭の中に空白を感じる。今までの日常で一部思い出せない箇所がある。

まあとはいえ日常生活には全く影響は無い程度だが。

でも何か大切な事を忘れている気がするのは確かだ。


「そうか、確かにあの時は意識を失っていたしもしかしたら魂属と魂源の繋がりが薄くなってしまったのか……?後は初めての能力発動にしては負担が大き過ぎたか、もしかしたら最悪魔力回路も魂属も焼け落ちてしまっている可能性もありうるか」


「そんな……いきなり過ぎる」


せっかく戦う意思を決めた直後にこれである。完全に出鼻をくじかれた感じだ。


「とりあえずこうなってしまったからには悩んでいても仕方が無い。色々と考え実行してみる以外に手段はないか……」


「うーむ」


「何だろなぁ〜」


「まあ確かにこの前と比べ状況も全く違うし……君の能力の場合は何かトリガー的な物があるタイプなのかもしれない。幸いここには様々な設備があるし色々試してみるのも手かもね」


話し続けた結果俺達は一旦この訓練場にある様々な設備を試してみることになった。


ランニングマシン、重量挙げの器具等のジムにあるような普通の器具から魔力回路を形成する為の装置、電磁波をどうのこうのする装置、果てに使い道が分からない明らかにヤバそうな機械までなんでもある。


「まあこれから戦う上での基礎トレーニングも含めて、ちょうどいい機会だし色々試してみるか」


試す……?不安だ、胸騒ぎがする。

やってみるのでは無く試す、たったそれだけのニュアンスの違いに身震いがした。


竜剣と悠里は不敵な笑みを浮かべていた。生命の危機を早速感じる。


「まあ対した物じゃない、軽い気持ちで受けてくれ。無理はしなくていい」


いやまて、世間ではそれをフラグと言う。軽い気持ちで受けてくれ? 軽い気持ちって言葉にそもそもアレルギーを感じる。


てかその軽い気持ちでこんな事態に巻き込まれているんじゃねぇかと心の中でツッコミを入れる。



ステップ1

ランニングマシン耐久


「魂属ってのはまず前提条件に過酷状況や限界にならないと使えないとも聞くしね……まずはランニングマシンでどれだけ耐えられるか確認するよ」


まずは低速から始まった。まだまだ余裕の範囲だ。

ちなみに実際体力にかなりの自信がある訳でも無く人並みの体力だと認知している。


「OK、次はちょっと上げるよー」


中速、まあウォーミングアップが終わったらやる普通の早さだ。実際まだまだ本気を出せば何とか走れる程度か。


「よし、では本番開始と行きますか」


高速、マラソンランナーとかが鍛えるときにやる位のスピード、急にきつくなったが男の意地がランニングマシンから手をはなさない。普段もう少し体を鍛えておくべきだったと痛感させられる。


「よし、もうちょっと……と何をしている!?やめ」


竜剣がそのランニングマシンを操作していた所悠里が突然横からモードを切り替えた。


「悠里!? 何してる!? スピード早くすんな」


「了解、スピードマックス!!」


あっ


「えっ」


次の瞬間ランニングマシンが轟音を立て荒れ狂い始めた。脚やその他の部位が悲鳴をあげる


「あれ?……なんかダメだった……?」


脚が千切れる。肺が異常な音をたて目の前が白くなっていく。意識がまた……飛びかけ……




「超人並ってのが気になってしまってつい……」


「見ろ!! 隆誠君が夏場の干からびたセミみたいになっているぞ!!」


ああ、川が見える。何だか天使がお迎えに来たようだ。

結局「死」に俺の運命は直結していたのだろうか、少し死ぬのが早くなっただけだ。

何にせよいい人生だった。悠里達だけでも救えて……


「あっ……っ……」


「見ろ!! 意識を失ったぞ!! とりあえず水だ、水を持って来い!!」


「あいさー!!」




次に目が覚めた時には訓練場の休憩所のベンチだった。良かった、死ななかったのか。だがまただ、記憶が一部欠けているし脚も異常に痛い。


「目が覚めた?」


「ここは……?」


「さっきはごめんね、ここは訓練場の休憩所だよ」


「良かった……生きていた」


訓練場……訓練……ランニングマシン……おい悠里。


「さっきは何してくれてんだ悠里」


いや、それ以上にそもそもなんでランニングマシンにあんなスピード設定があるのかの方が気になる。

はっきり言って『死者が出る勢い』の回転だった。

あんなスピードでトレーニングをする人間が居るのかと思うととても気になる。


「テンション上がっちゃってつい、ごめんね」


「まあ彼女も反省しているし、立てるかい?」


「一応……」


「さっき救護班の人が来て治療してくれていたからね、よかった、両足元に戻って」


「お前が原因だろうが……にしても両足元に戻って?」


色々気になる。まだ頭がぼんやりするが……


「あ、ま……まあ気にしないで、ははは」


「どうする?訓練に戻る?」


「ああ、まだ頭がガンガンするが……」


そして俺達は休憩所を出て再び訓練に戻った。



ステップ2

重量挙げ


「次は君の力を見てみたい。とりあえず力の限界を出してみて欲しい。それこそ無意識に能力が発動する可能性もあるしね」


重量挙げ……50kg?目を疑った。いきなり高校生にやらせるのには数値的におかしくはないか?これ。


「さああんたも男なんだからちゃちゃっとやって見せてよ隆誠!!」


「おいおい、難易度的にこんなん無理だ。プロがやるような重さだぞ」


「あー!! 女々しい!!」


悠里に重量挙げの台に無理やり連れていかれた。女々しいとかの問題じゃないぞこれ


「ったく……こんなん上がるわけない」


俺は嫌々ながらも腕に力を込める。無論一瞬たりとも動かない。

そりゃあ仕方がない、そもそも普段普通の生活をしている中学生がやるような物ではない。


・・・ッ


少し意地になってきた俺は腕に更に力を込めた、無論動くわけがない。


・・・・・ッ!


頭に血が上る。頭痛がしてきた。重量挙げの棒は1ミリたりとも動いていない。根性、根性だ俺。


・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!!!


途端腕に力が入らなくなった。限界だ。だが別に何かが起きたりこの前みたいなオーラが出ることも無かった。


と言うかこの前ともシチュエーションも全然違うし全然可能性を感じないのは俺だけだろうか。


「ダメみたいですね」


「うーん……やっぱりもうダメなのかなぁ?まあ諦めるには早い、次ステップ行こう」


それから様々な器具や機械を使い特訓、もとい実験をさせられた。電気を流されたり薬を飲まされたり悠里に殴られたり……記憶が少し曖昧だ。

もしかして悪魔への拷問兵器の実験をさせられているんじゃないかとさえ思えてくる。



第5ステップ

電磁波照射


「それじゃあ体に害があまり無い程度の電磁波を当てていくよ」


竜剣が手に持った電磁波照射装置を構える


「危なそうなら手を挙げてね、行くよ!!」


「意外と大丈夫……あれ?なんだか熱い、それに体がうまく動かない、かなりヤバそうだが手が上がらない」



第7ステップ

耐久テスト


「さあ存分にやってみてくれ」


「はぁーい」


いきなり防具をつけさせられリングの上で途端に飛び交う拳、宙を舞う俺、なんなんだだこれ、なんなんだこの状況は。


「ほらぁ!! 脇が甘い、もっと意識して!!」



こうして2時間程経っただろうか、なんだかんだ色々な実験を受けて俺はクタクタになっていた。

話によると暇な時間等にここのスタッフは普通にやるらしい。竜剣は寧ろ物足りない位だそうだ。



最終ステップ

魔力回路生成装置


「この装置を使えば仮に君の中の魔力回路が生きていれば魔力回路を弄って様々な魔法を操ったり、魔力の恩恵を受けられる魔力回路の調整や魂属との連結状態もわかる」


「魔法か……これで俺の魔力や魂属が良く分かる訳か」


ん?


魔力や魔力と魂属の繋がりがわかる

……?


「もしかしてだが最初からこれを使っていれば……」


なんだか疲れがいきなり物凄くどっと来た。

よくあるパターンだがこれが本当の灯台下暗しってやつなのか。


「まあ……これで終わるならば……」


俺は装置を体に装着し機械と繋がった。


「では見ていくよ……っとやはり回路が一部焼き切れちゃってるなぁ、どれどれ」


竜剣は機械に繋がれたそのパソコンにも似たその装置を弄っている。

なんだか体とは違う何かがくすぐったいような感覚に襲われている。

横で大人しく悠里が見守っている


「まあ普通ならもっと段階があって能力等に目覚める物なんだけど君の場合は予想以上の力を魔力を扱ったことがない人間がいきなり使う訳だ。そりゃ体に相当な不可がかかるよ……むしろ一般の人間なら耐えられず死んでいたかも知れないよ」


なおも竜剣は手を進める。と言うかこの男は元々過去の人間だったと言う事だろ? その割には機械の扱いにはかなり慣れているように見えた。


「なるほどねぇ……代用、切り取り、貼り付け、最適化っと……良し」


なんだか技術の時間にパソコン関係の操作で聞いたような単語を呟きながら竜剣は笑みを浮かべている。


「終わったよ。よかった、焼き切れては居たけど対したことはない範囲だったし機械に余っていた他の魔力のピースやなんやかんやでかなり改造したからね……多分この前の悪魔討伐時よりも回路も更に安定して強い力になったかも」


器具を外したがなんだか体が軽い。さっきまでの疲れが嘘のようだ。それになんだか体がいつも以上に動く


「さあ、能力は発動できるようになったはずだ、頭に何か思い浮かばないかい?」


「長引いたわね、まあそれじゃ見せてよ、この前の青い光!!」


自分でも驚いているが先程までとは違う感覚が少しある、言葉のような、言葉じゃないような、そんな物が頭に浮かんでは消えて行く。この前の感覚に近い感覚、だがこの前よりもかなり小さい


「頭の中にさっきまでとは明らかに違う何かがあるが……まだかなり小さな感覚……」


「そうか……まああと少しっぽいけどね」


「えーまだダメなのー」


「悪いな、まああと少しらしいしもう少し待っててくれ」


「……しょうがないか」


竜剣が急に立ち上がった。


「まだ早いかもしれないが……」


竜剣は暫く悩んだ末に口を開いた。


「君には僕とちょっくら戦ってもらうか」


「竜剣さんと隆誠が対決する!?」


「まあ戦うと言っても軽い模擬戦だけどね。やはり実戦に、この前に近い形をした方結果が出るのは早いかもしれない。それに僕も君の力にはかなりの興味がある。司令を唸らせたその力、もう一度見せて欲しい」


「……わかった、やらせてくれ」


「了解、じゃあ向こうのフィールドに上がってくれ」


俺は先程のフィールドに向かった。正方形で何も無い、戦いの練習をするのにはちょうどいい広さ、場所のかもしれない


「まあなんだ、とりあえず君が僕に触れる、もしくはギブアップしたら試合修理だ。手段は問わない、僕に、とにかく僕の一部に触れろ」


「触れる……それだけで?」


「随分と余裕そうだね。まあ……うーん……よし、じゃあこれを使って」


俺は古びた布に包まれた物を渡された。その布の封を解くと中には目を疑うものがあった。


「日本刀!?」


その小柄ながらもで年季の入った見た目、その姿は誰もがテレビなどで見たことがある日本刀そのものだった。


「日本刀で……貴方を斬る!?」


「まあ大丈夫、僕は武器を一切使わない。素手で充分だ」


何を言っているんだこの人は。素手? 相手に日本刀を渡しておいて?頭が追いつかない……とそんな事を考えていると竜剣はすぐに構えに入った。


「フィールド、トレーニングモード、開始!!」


周囲に障壁が貼られた。竜剣はいつもどおり笑み浮かべている


「さて、ようやく君の本質を見る事が出来る。この前の力と言い見せてもらうよ、ここからはふざけ無しの真剣勝負とでも行くか」


ふざけている自覚はあったのか、と突っ込もうと思っていたが周りの空気を察しこれは真面目な試合だと言う事を把握した。


「まあ実際訓練なんかより君の力を一番見たかったんだけどね、さあやるよ」


俺は日本刀を握りしめ、竜剣へと1歩、歩みを進めた。


「行くよ、隆誠君。いざ、尋常に勝負!!」


あたりに先程までのがやつきは無くあるのは真剣勝負の静寂だけだった。













こんな読みづらくて意味不明な初心者の作品をここまで読んでいただきありがとうございます。

自分はまだ小説を書く練習や小説とは、ライトノベルとは、と言った辺りから学んでいる途中の身で、もしかしたらこの小説も1から作り直すかもしれません。後半の展開やキャラの設定等は出来ているのですが・・・今後の課題はまだまだ山積みなので頑張って行きたいです。

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