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蒼き閃滅のドラゴンハート  作者: ドラソード
プロローグ
7/30

第4話 『魂器具現』

すみません、色々と家の方がゴタゴタしていて作るのが遅れています。内容も少し急ぎ書きになってしまいまた機会があったら修正していきます。すいませんでした

第4話

魂器具現(クリエイティブソウルアームド)



目が覚め辺りを見渡す、そこに生易しい希望なんて無かった。


見たことある天井、しかしそれは自らの家の天井では無い。

見た事の無いような材質でできており明かりもLEDとかそう言ったものとはまた違う。


だが恐らくすっきり寝られたのだろうか、体は意外に軽い。頭痛もせずあんな出来事があった翌日なのか……と近くにあった時計を見る。


am9時、日付を見るとあれから丸1日経っていた。


そりゃあ体が少しは軽く感じるか。むしろよくそんなに寝られたな俺と不思議に思う。


そしてこの前の出来事を思い出す。

謎の男に司令官、そしてすぐに迫る悪魔と人類の戦争、そして


『君のお陰で未来は救われる、いや救われた』


アニメとかを見ていて一度でも良いから言われてみたいとは思っていたセリフだ。厨二病でアニオタな俺には良く刺さる言葉だった。


俺が世界を救ったなんて考えも自覚も正直無かった、ただ一方的に巻き込まれその流れに乗っただけだ。

それでも何故かその言葉が頭にやたらと響く。


この人達に少しは何か協力できないか、しかしそんな簡単にこの危険な世界に関わってしまっていいのか、そんな簡単に割り切れるものなのだろうか、考えれば考える程葛藤は大きくなる。


気がつくとそんな事を考えていたらベッドの上で10分程経過していた。

俺はふと我に返り身だしなみを整え部屋を出た。


正直今回のこの話、こんな簡単に協力するだなんて決めていい事なんかじゃないのはわかっている。

だが同時に思ったこともある、もし仮に俺がこの話に乗らなかった場合世界の行く末はどうなるのであろうか、司令や男の言った通りであったら将来的に世界は戦争になる……


だとしたらどちらにしろ俺が協力しなれば世界は悪夢の世界をと化してしまうかもしれない。家に帰れた所で余命を宣告されたも同然だ。


こうしてまた俺の葛藤は増えていくのであった。



通路に出るとそこには悠里と竜剣がいた。


「待ってたわよ」


「そろそろ目覚めるとは思っていたよ」


「お陰様で体はかなり好調だ、ありがとう」


「そうか、ただの疲労か何かだったのだろうか。とりあえず何事もなくてよかった」


体はかなり好調だ。まだ寝起きでぼんやりする感じはあるが何だかいつもより調子がいい。


「本当にびっくりよ。自室に行って眠りについたとは聞いたけどそれから起きる気配が無いって昨日話になって、一応部屋に入って調べたら生命に異常は無かったって聞いたから少し安心はしていたけど」


まさか心配していた側の俺がなんだかんだで心配をかけることになるとはな。


「さて、何事も無かったみたいだし……丸2日間飲まず食わずで寝ていたんだ。腹の虫も鳴くだろう、難しい話をする前にとりあえず食堂に行って朝飯にしよう。細かい話はその後でするとしてね」


俺達は俺の自室の前を後にし食堂とやらに向かった。まだ正直基地の雰囲気には慣れないがそれでも違和感はそれほど無くなった。


暫く歩いていくと少し大きめの部屋があった。テーブルとイスが沢山あり人がぼちぼちと居る。向こう側には食堂のカウンターらしきものがあり人が並んでいる。さながらその風景は良く話に聞く高校の食堂の様なものだった。


「まあ適当に座ってくれ。注文の要望はなんかある?」


「はーい! 私ハンバーグ!! ハンバーグ!! あとごはんと……」


いきなり何言ってんだ、いくらなんでもお前ホイホイいきなり頼みすぎだ、ここに馴染みすぎだろとツッコミたくなる。

この1日間に何があったのか気になる物だ。


「はいはい、元気があるのはいい事だ。で、君の方は何かある?」


「いや……自分はいいです」


「おいおい……今育ち盛りだろう?だめだよそんな調子じゃ。朝昼晩ちゃんと食べないと」


「それじゃ、白飯とかは……?」


「あるよ。じゃあそんな感じで頼んでおくよ」


すると竜剣はカウンターへと歩いて行き食券のようなものを販売機で書いカウンターへと向かった。暫くすると竜剣は先程言った物を持ってきた。


「ほれ、指定されたものだよ。ここの飯を食ったら外の飯が食えなくなるくらいここの飯は美味いよ」


「いい匂い……いっただっきまーす!!」


悠里は渡されるや否やいきなり飯に食いついた。お前朝からハンバーグやらなんやらって良く胃が持つな……いや、これが彼女の行動力になるのだろうか。


「じゃあ……いただきます」


俺は細細と白飯を食べ始めた。1口食べてみてわかったが今までに感じたことの無い美味さだ。

普通あまり白飯で美味いまずいはあまり無いがここの飯はそれでもわかるほどもっちり、ふわっと、ほのかな米特有の甘さが広がる。


気が付くと俺も飯にがっつき始めていた。


「うむ、元気な事良かれだ。さて……自分も頼んできますか」


竜剣は再びカウンターの方へと向かいそしてなにやら巨大な影を持ってきた。


「うっひょー! 竜剣さん結構食べますねー」


その御盆の上にはてんこ盛りの笊蕎麦(ざるそば)と白飯、色とりどりの野菜、魚があった。


「まあ、これくらい食べなきゃね、いつ食べられなくなるかわからないこの職の特性上、毎日最後の晩餐だから」


この職業か……やはり悪魔とやらと戦っているとこの前聞いたがやはり死者などは出ているのであろうか。そもそも秘密結社とは言っていたが悪魔を倒す事やその因子の破壊とやら以外は何をしているのだろうか。


「とりあえずまあなんだ、こうしてゆっくりと面を向けて話ができる場面になったんだ。まだ目が覚めていないだろうしちょっとした質問を受け付けようか」


質問、聞きたい事、言いたい事が腐る程ある。まずここがどこなのか、悪魔とは? 因子とは? そもそもあんたは誰なんだ、そろそろ目が覚めてきたがとりあえず俺の体はどうなっちまったのか、山ほど聞きたいことが出てくる。


「とりあえずここはどこなんだ。ああ、どことは言っても地名と言うか場所と言うか……」


「場所……ね、いきなり難しい話だね……うーむ、まあ強いていうなれば

3次元と4次元の間かね?」


3次元と4次元…いや、嘘だろう。まって、次元!? せめて都外、遠くて海外を想像していたが話が先に進みすぎている。何を言っているのかさっぱりわからなかった。


「次元……?」


「ああ、まあなんと言うか……この基地と言うか時空船かな、話は聞いてると思うけど僕達は時間を何回も越えてきた。これはまあ……かつてタイムマシンだったんだけど燃料がのこり僅かになっちゃったから2003年に来てからは一般の人間からこの基地を隠す意味でも次元の隙間に隠れているんだ。現にこの船の外に出たら次元圧によりあらゆる存在は木っ端微塵だね」


「次元の隙間に……隠れる?」


「そう、現にこの基地は世界に有ってそして無い。つまりまあ……地球、果ては宇宙のある程度の場所までは転送と言うか基地への入口を繋げることができる。まああの日はあのビルの入口にゲートを繋げて君達をここに連れてきたって感じかな」


「話の規模がわからない……未来人ってのはそんなに凄いのか……」


相変わらずうちらの話をお構い無しに横では必死に悠里が飯を食べている。


「じゃあ次の質問なんだがそもそも悪魔とは? 能力とかなんやらかんやらまだイマイチ状況がわからないと言うか……」


「まあそうだね、悪魔はその名前の通りだ。遥か昔から地球上に居て高度な魔力等を操る邪なる存在だ。現に昔の日本だと妖怪や妖魔などと言われていたがね」


「そうか……そういえば話によるとあんたは過去の人間になるのだろうか?」


「まあそう言う事になるね。まあ元々僕も昔の時代で悪魔とは色々因縁があったから光一さん達が現れて未来が悪魔のせいで大変なことになっているって聞いて助けられずにはいられなくなったと言った感じかね」


悪魔って実際昔から居たのか。実際どのくらい昔なのかはわからないがこの前の竜剣を見た限り少なくとも刀や和服が出回っていた時代、つまり200年以上は昔になるのか。


「ちなみに能力についてはまあこの前話した通りかな。魂属、僕達はそう呼んでいる。まだその存在の全てまでは解明されてはいないらしいんだけどとりあえず人に宿る潜在能力みたいな物かな? 最もこの力に発現する人間はそう多くはない。おまけに僕や君見たいな目に見えるほどの力を扱える存在なんて極一部しかいないだろうね」


「と言うことはテレビ等でたまに見かける未来予知やら透視やらそう言った能力みたいな物もその魂属と呼ばれる物になるのか?」


「そうなるね、ちなみに更に言うと身体能力が凄いだとか頭がいい、等の更に小さな形でも現れる事もあるね」


まいった、さらっと凄いことを聞いた気がする。普段胡散臭いと思ってみていた超能力やら超人やらはヤラセじゃ無かったのか。あれも小さい形で現れた魂属と呼ばれる力……色々と妄想が広がる。


「最も僕達見たいな完璧な能力として発現した物はまあ名前の通り能力者と呼んでいるね。僕の場合は無、を操る能力とでも言っておくか」


「無を操る?」


「まあ難しい話になるから簡単に言っておくと僕はあらゆる物の影響を受けにくい体質なんだ。そして無と言う概念を一つの物として扱える。現にこの前の悪魔との戦いの時は刀の周囲に圧縮して光と言う形で発現させていたね」


まーた難しい話だ。無を物として扱う? また混乱する……こう考えるとアニメやら漫画の主人公は出来すぎているな。実際このような境遇になってもホイホイ理解なんて出来ないものだ。


「まあ……問題は君の能力だ」


「問題?」


「この前の君の能力を見たが全く何の能力だかわからなかった。傍ら光を操っているようにもビームを出しているようにも見えた。バリアを張ったりしている様にも見えたりとにかく君の能力が未だに何なのかが詳しくわからない」


「わからない?」


「ああ、全く見たことがないタイプの能力だった。実際分かったことと言ったら詠唱の時に……ああ、詠唱とは能力を最大限に発動させる時に必要な言葉ね、それが竜、と言っていた事と普通の能力じゃありえないほどの異常な魔力が検知された位だろうか……正直まだわからないね」


わからない、か。意外だった、実際そういった物にはかなり詳しいのだろうと考えていたが俺の能力はそんなにヤバい物だったのだろうか。


「……わかった。とりあえずある程度の疑問は晴れた」


「とりあえず現状君の能力といいまだわからないことも多い。まだ君達にはもう少しだけこの基地にいてもらうことになるかもしれないね」


「いや……自分としても能力の事や悪魔の事などこのままさようならとも行けない。こちらこそ暫く居させてもらうことになるかもしれない」


「まあ・・・とりあえず飯を食べ終わって落ち着いたら再び司令の元へ行ってみて欲しい。あの人ならもっと的確に物事を判断してくれるかもしれない」


「わかった」


「で、おふたりさん話し合いはもう終わったの?」


気が付くと悠里は飯を完全に食べ終わっておりこちらの行動待ち、と言った状況だった。勝手に食い始めたと思ったらもう食い終わってるって……


「おっと、待たせていてしまったね。とりあえず君の方にも別の場所で聞きたい事などがあるからよろしくね」


「はーい」


「さて……行きますか」



そして俺は司令、緋崎光一の元へと向かった。まだ基地の内部はうろ覚えだったため竜剣に連れてきてもらった。

その頑丈な扉を開け部屋に入ると前回と変わらず椅子に座り書類を整理していた。


「やあ、待っていた」


俺は軽く返事をし入っていった。


「……その顔だとよく寝れたみたいだね?」


「お陰様で体の調子は最高です、ここの寝具も未来産のかなり良い未来の奴なんですか?」


「いや、現代の普通の布団だよ、まあその中でも最高品質のものであることには変わりはないけどね」


少しだけ場の空気が和む。


「さて、君には実はまだ話は全て話した訳では無いと伝えておこう」


光一は淡々と告げていく。まあだろうな、この前も何か言いたげな最後だったのを覚えている。


「この前は色々とあり大雑把な詳細しか話すことが出来ていなかった。それに君も万全の状態では無かったとも聞いていたしな」


「今日は身体の調子もかなり良いですし、お互いに全て打ち明けていけたら幸いです」


現に俺もまだこの男やこの団体を信頼しきっている訳では無い。もし仮に俺が意識を失っているうちに悪魔達の基地に運ばれて僕らは味方だ、悪魔を倒すいい人達だ、とでも言われてみろ、多分その場合も俺は信用してしまうだろう。


まあそれが分かったからって俺が何かを出来る訳では無いのだが。


「ではまず、この前の話も含め話を進めさしてもらう」


まず、この前の話にも出てきた時間軸の分岐点とそれを変える因子の話をされた。


どうやら俺達が見つけたあの機械の扉、あの先にその因子とやらがあるらしい。


因子とは言ってもどうやらそれは物だったり人物の生死だったりと様々なようだが今回の場合はあの先に悪魔の研究所たる物があるらしくそこにて行われている研究、それを完遂させない事が重要になると言った話だった。


恐らく悠里が言っていた燃やされたおっさんとはそこでの研究成果を黒服に渡しに来た科学者だろうとの話である。


そしてあまり気にしていなかったがその科学者が黒服に渡したスーツケース、竜剣が回収していたらしいがどうやらあれの中身がが今回の因子の鍵となる重要書類と物資だったとの事。


竜剣やこの男はどうやらこの場所を割り当てるのに苦戦していたらしく、偶然俺達が発見して居なかった場合因子の破壊は不可能になっていたらしい。


そして現在はその場所の近くに調査隊を送って内部の様子を外部から調査しているとの話だった。実際因子をまだ完全に破壊した訳では無く、あの先に居るであろう研究者を奪還し、悪魔の軍勢のとある研究を阻害するのが目的との事だった。


「じゃあつまりは自分達があの場所を知らせられていなかったら……」


「悪魔達は間違いなくすぐに動き出しただろうな、とは言えまだ因子の一つ目を破壊した訳では無く、あくまでも猶予が伸びただけだ。これから情報が集まり次第あの場所を襲撃する」


「一つ目の因子……と言う事は」


「そうだ、仮にこれを破壊できたとしてまだ私達が破壊すべき因子は残っていると言っておこう」


……まあそんな話だろうなとは思っていた。今回の一件で偶然とは言え世界を救ったのかと調子に乗りかけていたがすぐに現実に引きずり出された。


「それともう一つ、君には伝えておきたいことがある」


聞きたいことか、大体想像は付いている。


「君と君の能力についての話だ」


実際こっちも把握しているわけでも無いしむしろ逆に質問したい位だ。


「私も竜剣から話は聞いたが率直に言わせて貰うと君の能力に興味がある」


「興味がある?」


「実は竜剣が死んだ屍魔具の体を調べたところ普通では考えられない程の魔力を受けた後があったと聞いた」


「それならば竜剣さんが着けた傷では」


「いや、違う。竜剣には一応死体からサンプルを持ってきてもらって研究班に調べてもらっていたのだが彼の魔力による物では無かった、それどころでは無く今までにも確認が数例しか見た事の無い程の力だった」


大体言いたい事の察しが着いてきた。なるほどそうか、あの時あの悪魔に攻撃したのは2人しか居ない。つまりは


「……ここまで言えば察しが着くだろう。私にも確心が着いた事がある」


「確信?」


「私が前回会った時、未来での戦いでルシファーと最後まで戦った能力者の話をしたのは覚えているか?」


おいおい……勘弁してくれよ。流れがわかった。またまたアニメや漫画で良くあるパターンだ。

よく主人公には特別な力があるだとか過去や未来に宿命があるだとかって話がよくあるがまさか自分がその立場に立つことになるとは。


つまりはまた、例の如くテンプレ展開だ。


「君が、君こそ未来で悪魔と最後まで戦った竜の勇者『高坂隆誠』の過去での存在だ」


「……俺が?」


「竜剣から君の名前を聞いた時には驚かされた、まさか未来の勇者と同姓同名だったのだからな。だがまだそれだけでは偶然だろう、そう思っていた。しかし悪魔の死体の一部に存在し魔力の干渉跡を調べた。それは紛れも無く未来で幾度と無く見た力と類似していたのだ


「あの青い光がそんな力を……」


「『魂器具現(クリエイティブソウルアームド)』、彼はそう呼んでいた。闇を祓いどこまでも、遥か大空の果て、銀河の果てまでも照らす太陽の光の様な力、だったか」


待った、少しネーミングセンスが痛いぞ。勇者なのは別に構わんが未来ってことは俺は高校生かそれ以上、それでそのネーミングセンスに発言。

そんな歳にもなって俺は何をしているんだ、結局厨二病は治らないままなのだろうか。


途中までは驚かされていたが俺も確信が着いた。それは確実に俺だ。


「……と少し話がズレてしまったな。とりあえず急な話にはなる。また話が変わる事になるが」


次の瞬間男、緋崎光一は立ち上がり、こちらに対して深く、頭を下げていた。


「初対面でお互いまだ何も理解していない関係かもしれない、だがどうか、どうかお願いしたい。私に力を貸してはくれぬだろうか。君の力ならば……恐らく悪魔(やつら)を倒し歴史を塗り替えられ誰もが不幸な死に方をしない、平和な世界を作れるかもしれない。君にとって利点があるとはとても言えない最悪な条件、死もすぐそこにある危険な話だ。だが私の……悪魔により苦しめられてきた多くの者達が数十年を費やした悲願を達成できるかもしれぬのだ……無謀な話なのも承知の上だ、頼むこの通りだ」


今までに冷静な大人の雰囲気を纏わせていた光一は今、俺にこの前と同様に、しかし一個人として頭を下げている。


今までの静かな雰囲気とは違いその言葉には人の味があり、心底思っているのだとすぐにわかった。


力を貸す、つまりは俺も竜剣の様に武器を持ち、戦いの道に進むと言うことだろう。今までの日常を、全てを捨てる、その覚悟が必要とされる。


だが良く考えろ、俺はそもそも何をしたい、こんな事に巻き込まれるために俺達は、悠里や隼人は不思議を探していたのだろうか。

とりあえず今はどうにか安全を確保して地上に帰るのが目的の筈だろ?馬鹿な偽善はよせ、騙されるな、そう自分に言い聞かせる。


それにだ、俺が仮にその最強の能力者なのだとしたら、結果的に最後は


『死ぬ』


明らかに俺にメリットが無い。やる訳が無い。


「俺は……」


断ろうとした次の瞬間、俺は気が付いた。


『そもそも既に日常には帰れない状況下にあることに』


そもそも俺や悠里は既に悪魔に姿を見られており地上に帰れたとしても狙われる危険性が否定できない。


それに俺にはその最強の能力とやらが目覚めてしまっている。

これが悪魔に利用される、そんな状態になったらこの司令達にとって最悪な事になる。


このことから恐らくこの申し出を断ることは出来ない、断ったらそれこそどうなるかわからない。

つまり事実上選択肢は『はい』しか存在しない事になる。


俺は躊躇しながらも自分を言い聞かせ返答をした。


「よろしく……お願いします」


「ありがとう……本当にありがとう」


言ってしまった、引き返せなくなった。これから始まるであろう戦い、死へのカウントダウンが始まった。

不安だけが残る返答となってしまった。


こうして俺は戦いの道へと結局足を踏み入れる事になった。やっぱりこういった状況になってしまったら戦うを選らぶのが主人公と言う物なのだろうか。


かくしてこの一瞬が世界滅亡を防ぐ俺の、俺達の長き戦いの始まりとなった。






もしかしたら次話以降も凄く不定期になります。とりあえず1ヵ月以内には次話を出したいです。

ではここまでの視聴ありがとうございました

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