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蒼き閃滅のドラゴンハート  作者: ドラソード
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第3話(前編) 希望を照らす蒼き光

6月23日修正

第3話

希望を照らす蒼き光



いきなり回想から入るのはなんだかアレな気がするがまあなんだ、そう俺はいたって普通の中学生だ。


どれくらい普通か、それは能力なんて、超能力なんて持ってないし、魔法なんて使えないそこらじゅうにいるただの厨ニ病気味のアニメ好きな普通の男子だ。


毎日普通に朝起きて普通に歩いて普通の授業を受け同じような普通の学生友達と普通の話をして普通に帰って普通に寝る。それだけの普通の生活だった。


そう、だった。


だがその生活は惜しくも一瞬で崩れ去った。「少し黒服の不審者が居るらしいから探してみよう!」そんな悪ガキ、それも小学生みたいな悠里の意見で黒服を俺たちは追った。


そう、そして俺の想像を遥かに超えた超次元的な事態が起きた。隼人は殺され悠里は拉致られそして、俺は死にかけていたはずだった


はず、だった


なんなのだろうかこの状況、この空気は。


和服の男が前に立っていて俺は瓦礫に横たわらされている。そして何か光る魔法らしき物を俺にかけている。


はっきり言って理解しろと言われて理解するのが紐なしバンジーでグランドキャニオンから生還するのと同じ位不可能な状況だった。


「まだ痛むか……?」


「いや、痛みはもう殆ど無い」


実際先程まで体に炎の拳を受け骨を砕かれ内蔵を破壊し尽くされたされた同じ体とは思えないほどに痛みはなく息も苦しくない。


「……そうか。」


沈黙が続く、男の異質な雰囲気は決して殺される、と言った恐怖の感情は湧かないがなんと言うか息が詰まるような覇気を周りに放っている。


別に見た目がどうとか何かを出しているとかと言うわけでは無いが普通の人間とは確実に違う存在であるのはすぐにわかった。


「所で質問を……」


「何だ?」


「奴らは何だ、あんたは? あれは魔法か何かか?」


「奴らは悪魔と呼ばれる物の手先、俺はそれらと戦っている者の一人、そしてあれは言うなれば魔法や超能力の1種だ」


悪魔、戦う者、魔法、余計訳がわからなくなって来る。


だいたい何なのだろうか、手伝う?何を?能力も何にも無い普通の一般人の俺にどの様な生かすだけの価値があり何をやらせようとしているのか、無限に続く静寂に疑問だけが広がる。


「悪魔とは? 魔法とは? いきなり続けて言われたって俺には全く訳がわからない、少しは一般人にわかるように説明してくれ」


「それは今は言えない。だがいずれお前は全てを理解する筈だ、俺には全て解る」


出たよ、アニメや漫画でありがちなお前はいずれ全てわかるとか言われて伏せられるだけの展開、まさか現実で聞くことになるとは。

これだけ引っ張って大した内容で無かったら本当に殴ってやりたくなるほどイラッと来るやつだ。


「わかるってなんだよ……こっちは仲間を殺され、拉致られているんだぞ、それに手伝えって言うならばある程度詳しく手の内を話して貰わなければ動きようがないぞ」


今になって意識がハッキリしてきて感情が沸き上がってくる。別にこの男に何かされたわけでもなくむしろ助けられた身だが混乱しているせいか激しい怒りが込み上げてきた。


「……」


「おい……何か言えよ!! お前の方がこの状況をわかるんだろ!?」


不意に男は話し始めた。


「これからお前に過去に飛んで貰いその先で私と合流しある『場所』に行ってある人物と会って貰う。そこに行けばある程度の事は解るだろう」


「話を聞けよ!! さっきから一方的に言われるだけで何も解らねぇよ、ある場所? そりゃ一体どこだ、秘密基地か? 何かのアジトか?なんだよ!!」


「…詳しくは言えない、目をつぶれそれ以外にお前が出来ることはない」


目をって……そこまで言いかけ再び口を開こうとした所で男が首に冷たい何かを突きつけてきた。それをよく見ると刀だと言う事かわかる。


どうやら向こう側もお願いしているのでは無く命令していると言う事がよく分かった。


途端に冷静になりひとまずは言う事を聞く事にした。行き先があの世とかじゃ無いことを祈る。


「今のお前に言えること、それは俺の言う事を聞いてある人物に会う事だけだ。お前が過去で成すべき事をしなければ世界は確実に滅ぶ、過去に飛んだら一人で公園の近くの駐車場に来い。そこで再び私がいるからそこで合流する。また、過去に飛ぶから私が仮に気がつかなかったら、名を名乗れ、そしてなお気が付かぬなら『魔剣の所在は確認済み』と伝えろ」


世界滅亡……?今明らかに重大な事を聞いた気がする。話が勝手に先に進んでいてもはや何が何なのかわからない。


と考えていた次の瞬間、男が何かを使った? そして唱えたかした瞬間、目をつぶっている筈なのに目の前が、白く、眩しく光った。


何かそう、言葉で表せない感覚が俺の身を襲う。


例えるならば超高速で水の中を進んでいる様な、そんな感覚だ。今までに感じたことの無い感覚、頭の中が捩れる様な感覚もし一瞬凄まじい吐き気に襲われる。


そして10秒もたたないうちに、それは止まった。頭がかなりぐらつき体の感覚がイマイチよくわからない。



そして俺は目を開けた、するとそこは眩い光が見えた。


そこはさっきまでいたビルの廃墟では無く待ち合わせ場所の公園、そして死んだ筈の隼人がいた。


「……い……おい!急に膝から崩れ落ちたが貧血か?とりあえず大丈夫そうなら早く行ってしまった悠里を追いかけるぞ隆誠!」


すぐに把握した、本当に俺は過去に飛んでいる。


本当に過去に飛んだのか、やはり疑問はあるがとりあえず俺は先程までの緊張が解れたせいか隼人に飛びつき本物かどうか身体中を確認していた。


「……!!どうした、暑さで頭がやられたか?悠里といいお前といいどうした、らしくないぞ」


時間を飛ぶ、そんなことが本当に可能なのかと考えていたが隼人に抱き着いている自分の状態に気が付き俺は即座に手を離した。


そしてふと飛ぶ直前に男に言われた事を思い出した。


『過去に飛んだら一人で公園の近くの駐車場に来い。そこで再び私がいるからそこで合流する。また、過去に飛ぶから私が仮に気がつかなかったら、名を名乗れ、そしてなお気が付かぬなら『魔剣の所在は確認済み』と伝えろ』


俺は隼人に今日は解散にするからすぐさま家に帰るように言い俺は駐車場に向かった。隼人は疑問こそ抱いていたようだが何も疑わず潤滑に話は進んだ。


そして駐車場に向かうと先程見たばかりの和服の男がいた。


しかし男は先程と姿が違い謎のバンドマン、と呼ばれる物だろうか、それに近い姿でサングラスをかけていた。不信感や違和感は残るがとりあえず言われた通り声をかける事にした


「なんだ君は?ここら辺りは最近不審者が出ていて危険だから近づかない方がいい、子供だけでは危険だ」


おかしい、記憶が無いのだろうか。しかしそこで気が付く、過去に飛んでいるのだから相手も俺と面識が無いはずだ。そこでいわれた通りに名前を名乗った。


「高坂隆誠、いやまさかな……」


どうやらまだ完全には気がついていないようだ、そこで『魔剣の所在は確認済み』と伝えた。すると男の表情がすぐに変わった。


「君が何故それを……まさか本当に……?」


ようやく気付いたようだ。しかし随分人が違う様に感じるが……服といい何か違和感が残る。やはり色々と説明が着かない、訳がわからなくなってきた。


しかしこうしている間にも話は進み目の前の男は急に話を始めた。


「高坂隆誠、お互い初見で会ったばかりで信じてもらえないだろうが……いきなり言ってしまう事になるがこのまま行くと間も無く君の友達は」



『殺される』



ああもちろん知っている、その件の当事者になる人物だからな。

目の前で2人いる友人の一人を殺されもう一人は拉致された。


いつしか恐怖は怒りの形に昇華しあの黒服を殺すことすら躊躇わない精神状態になっていた。


「だが君が来てくれたおかげで流れは変わるかもしれない」


一瞬信じ難かった、だが驚いた。男が放った言葉に、そして期待していた言葉に。


「だが同時に君は戦いに巻き込まれていくことを強いられるだろう、暗号をわかっていたという事はそれをわかってここに来たのだろう?」


そんな事は事前に聞いていなかった。いや、少し予想していた節はあった。


だがそんなことはどうでも良い、現状あの2人が死なないのならば、助かるのならば、何よりも復讐ができるのならば。


実際あれからまだ時間は30分と経っていないがその怒りは頂点に達し始めていた。

一方的に話を進められ絶対的な力の前に屈服させられた、その事実に。



その後男は独り言を言いながら俺をしばらく眺めて表情を変えた。男の目は先程とは違い青く光っており何かをしているのがわかる。


「君は何者だ一体……有り得ない。そんなはずは」


男は非常に混乱した表情をしている。焦り、とも驚愕、とも取れるともかく穏やかでは無い表情だ。


「詳しくはわからないが君は一般人……だよね?君から巨大な魔力の干渉を受けた後が見られる。一体何があったんだ?」


「何があったって……あんたは知っているはず」


いや、過去に飛んで居るからわからないはずか。しかしそうすると何故俺達がああなる事を知っていたのかがわからない。


それに異常な魔力の感触等気になる単語も多々あったがそんな事を考えて居ると竜剣が我に返ったように話し始めた。


「見た感じ僕とは初対面じゃ無いらしいね……もしかして君は超的な力により意識だけ過去に飛んで来たのかい?全く、未来の僕は何を知っていて一体何を僕に押し付けたんだ一体……」


しかしこの男、さっきとは大違いなタイプの人間だ。

まるで『別人の様に』軽い感じの男ですぐに違和感を感じた。


こうして二人で独り言を言いながらお互い考え事をしていると急に男が


「マズイな、悪魔の地下研究施設の場所がわかったのは良いとしてそれでも時間がもう無い。早くしないと未来が再び収束してしまう!!」


そうだった、ここが過去ならば悠里はもう向こうについて黒服を尾行しているはずだ、途端にお互い体勢を整える。


「急ごう! 場所は何処だ⁉︎」


それから俺と和服の男は全力で例の場所に向かった。道のりは決して短くは無かったが死ぬ気で走り廃ビルの地下へと走って行った。


廃ビルの地下深くへ行くとちょうど、悠里は例の『殺された』場所に隠れて居た。


そこで合流し悠里に急いで戻れと言おうとした次の瞬間、銃弾がやはり飛んできた。そしてその弾丸はまた悠里の右腕に命中した。隼人を家に帰らさせていたのは当たりだった。


「ッ何!? うっ……」


「話すと長くなる。とりあえず悠里は隠れてろ!」


あまりにものデジャヴに背筋が凍りそうだった。

とりあえずすぐさま悠里を瓦礫の後ろに避難させた。


黒服の方を見ると黒服が炎の腕でこちら側に走ってくる。咄嗟に何かをしなければ、そう考えるも体が動かず脂汗が込み上げてくる。そして先程の光景が目の前にフラッシュバックし絶望からその場にしゃがみこむ。


すると次の瞬間、隣にいた和服の男は落ち着いた様子で笑ってサングラスを外していた。


「何だ、思っていたほどじゃ無い感じか。こいつただの低級屍魔具じゃん、こんな奴に力を使うのは少し嫌だけどしゃ……無いなー……って!!」


男は空中に魔法陣の様なものを出すとそこから太刀を召喚し鞘から引き抜き構えた。

その刀は刀身に青い刻印が掘られておりその身は心を奪われるかの様な曲線をしている。


今更ながらこういったものを見ると厨二心が踊り始める。

あの刀の出し方と言い格好、セリフ、全てにおいてあの姿に憧れを抱いていた。


男は足に力を込め居合の型を取る、今だ黒服はこちらに向かってくる。


「我が魂属は無、他者からの干渉を受けずそして自らも干渉を出来ぬ、唯一無二の神光、我が封具、御剣•烈天『白魂龍神剣(しらたまりゅうじんのつるぎ)』ここに示せ、純白の無印・・・‼︎」


次の瞬間刀から白い炎の様なものが溢れ出し刀を覆い、そして刀が光の中に消えた。

気がつくと刀は光の塊になりその眩い光が薄暗い地下空間を昼間の太陽の様に照らす。

そして向かってくる黒服に向かって通りすがりに刀を一振りした、すると次の瞬間黒服は動きを止めた。


そして更に次の瞬間、四肢が白い光に包まれ、燃え盛る白い光の中に消えた。わずか4秒弱の事である。


「やれやれ、死体を斬るのは本来の使い方じゃ無いんだがな」


斬られて燃やされた黒服は白い炎に包まれて死んでいた。


男は一切動じずしなやかに刀を鞘に収めた。その姿はまさに侍、あまりにものカッコよさに女だったら惚れてしまいそうな勢いだった。


「とりあえず今君に言えることはこいつは屍魔具(アンデッド)という魔力で動く道具の一種で、まあ死体を魔力で人形の様に操って居るだけの低級魔道具だ。わかりやすく言うとゾンビみたいな物かな。そしてそんな非人道的な行為をやる悪魔の連中がいる。因みに、そんな死体だが本来は死体を動かすだけでも相当な魔術の使い手でなければ出来ないからな。普通の人間には到底出来ない」


死体を動かす? 悪魔? さっきから悪魔ってなんなんだ?


やはりこの話の裏には相当巨大な黒幕が居るのか? どうやらとんでもない事に巻き込まれてしまった気がする。頭の中の警報が甲高い音を立てている。


「隆誠……? 一体……何が起きてるの……」


悠里の腕の傷が痛々しい、早く治療しなければ。


「なあ、あんた確かさっき傷だらけの俺を魔法かなんかで回復させたがそれを悠里に使ってやれないのか……⁉︎」


「回復魔法? 悪いが私はそんなものは使えないぞ? 本当にそれは僕だったのか?」


どういうことだ? あの和服の男はこの男じゃないのだろうか。

やはり別人か、しかし悩んでいても話は進まない。とりあえず悠里の応急処置をしなければ。


「ちょうどいい、それなら僕たちのアジトが近い。そこなら設備も整っている! ここでできる限りの応急処置をし、アジトに向かう!」


アジト、そんなものまであるのか。

まあそれなら良かった、これでようやく少しは安らぎの場に行けるのか、と。



しかしそこまで思いかけて気が付いた。


さっきの黒服の死体が起き上がってこちら側に向かって来て居ることに。


『ハイ……ジョ……ハ……イ…………ジ……ョ』


「浅かったか……気をつけろ!! 何かさっきとは違う!」


「貴様……ラ……秘密を……知ったからにハ……生きて……返シは……」


次の瞬間、黒服が雄叫びを挙げると同時に背中を突き破り、黒い翼が姿を見せた。

気がつくと黒服の姿は黒い翼と角が生え、顔は異形の顔になっている。身体は2倍位に巨大になり、まるで巨人だ。


「チッ! なんだこいつは!! 人間辞めましたってか? 気をつけろ少年!こいつは人体改造を元々受けていたのだろう。今までの人間……まあ死体だが、それ以上の力を感じる! 隠れてろ!」


俺は応急処置を受けた悠里と共に瓦礫の後ろに避難した。


「ちと爪が甘かったか……まあどうせ元は死体だ。また光に葬ってやる!」


また男の刀が光に包まれ始めた。

同時に悪魔と化した黒服は男に腕を振り下ろした。身体のわりに動きは機敏だ。


「意外に早い動き……だが‼︎」


次の瞬間悪魔の左腕は切りつけられる。だが次の瞬間、悪魔は方向を変え残った右腕を俺たちがいる瓦礫の方に振り下ろしてきた。


「少年!不覚……! 逃げろ!」


だが無情にももう腕は振り下ろされていた、俺たちは腕に潰された。


『はず、だった。』


煙が立ち上がる中目を開けると……そこには信じられぬ光景が広がっていた。


俺たちの目の前で青いバリアか何かに阻まれて止まっている悪魔の腕があった。


「君は一体僕を何処まで驚かせてくれるんだ……‼︎」


そうだな、今思えば多分この時点で俺は確実に人間を辞める一歩を踏み出していた。

ただ厨二病の少年が、世界を変えるほどの勇者になった瞬間でもあったがな。


やがて青いバリアは俺の思うがまま

に形を変え、やがて俺の右手に、剣の形になって握られていた。


今までに感じた事の無い溢れる程の力と様々な光景が眼科に広がる。まるで何かが流れ込んでくる、俺の中の何かがはじけたような感覚が広がる。

そして頭の中には声が響き渡る。


「我が魂属は……」



「竜」


それが少年の、少年少女達、たまに悪魔、の長く熱苦しいくらいの戦いの始まりだった。


一旦投稿できる範囲はここまでです。

この次の話が暫く時間がかかるかもしれません(一番いい所ですいません)

とりあえずこんな読みづらくて作者の妄想全開で痛い作品を見てくれてありがとうございます。自分もまだまだ頑張りますので何か細かい指摘等ありましたら是非、お願いします。

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